このブログを検索

2024年6月25日火曜日

放射能で巨大化したスズメバチが北米を襲う ~ ミュータント・ホーネット


■放射能で巨大化したスズメバチが北米を襲う ~ ミュータント・ホーネット

アメリカ、ネブラスカ州には日本人が聞けば不愉快になる昆虫の都市伝説があります。

ミュータント・ラジオアクティブ・ホーネット (Mutant Radioactive Hornets) といい、東日本大震災において福島第一原子力発電所の放射能漏れでオオスズメバチが変異し大型化及びより強毒性化したというもの。

ミュータント・ラジオアクティブ・ホーネットは「放射能で突然変異したスズメバチ」といった意味です。

もっと直接的なミューテイテッド・フクシマ・ジャイアント・ホーネット (Mutated Fukushima giant hornets) と呼ばれる場合もあります (「突然変異した福島のオオスズメバチ」の意)。

まあこれは日本人が抱くチェルノブイリの感覚と同じなのでしょう。

都市伝説ではこの生物が2013年、アメリカに上陸、ネブラスカ州で人を襲い死者を出したというものです。

この都市伝説がそれなりに信憑性を持って信じられたのは事実を巧みに織り交ぜていたからです。

(オオスズメバチ)
(image credit by Wikicommons)

元になっている昆虫は日本に生息するオオスズメバチ (Vespa mandarinia) で、世界最大のハチとして知られその毒性もかなり強く死者を出しているのも事実です。

これは日本でのヒアリ (Solenopsis invicta)セアカゴケグモ (Latrodectus hasseltii) の存在に似ています。

日本でヒアリが上陸した当初、マスコミがこぞって「殺人アリ上陸!」と煽って報道したことがそれなりに受け入れられたのも、実際ヒアリで亡くなる人もいますし、なにより外来種はよく分からず、人間は得体のしれないものにより恐怖感じるからです。

こういった報道も一種の都市伝説といっても過言ではありません。

さてミュータント・ラジオアクティブ・ホーネットはこのオオスズメバチをモチーフに、さらに「放射能 = 突然変異による巨大化」はB級映画の定番で、実際には起こりえないもののやはり映画の影響なのかそう思っている人も一定数いるようです。

このスズメバチは元から世界最大であるのに、放射能による突然変異で4倍ほどの大きさ (重さ) に成長し、更に毒性が通常のオオスズメバチの2000倍というものです。

まあこの時点で既に現実的ではありませんが、元のオオスズメバチの大きさがよく分かっていないので現実的な大きさの範疇だったのでしょう。

更に死者も数百人、数千人といえばフェイクニュースとすぐバレますが「数人」の死者が出ているとこれまた巧みな報道。

また毒性が強まったからといって、それはあくまでハチが持つ元来の毒であり、その毒に放射能が含まれている、といったB級映画さながらの特徴を持たせなかったのも現実性を維持させたと思われます。

実際のところ、2013年の時点でオオスズメバチ自体アメリカに上陸していませんでした。

もちろんこんなスズメバチは日本にも存在しませんが、2019年、オオスズメバチ自体は本当に北米大陸に上陸し繁殖も確認されています。

そして日本がヒアリを「殺人アリ」と呼ぶように、アメリカのマスコミもこのハチを殺人スズメバチ (murder hornet) と呼んでいます。








1 件のコメント:

  1. オオサンショウウオを放射能で巨大化した蛙の幼虫(幼体ではなく、幼虫)と言ってた輩と同じ感じかな

    返信削除