■川に幽霊船が現れる ~ プラット川のデス・シップ
ゴースト・シップ (幽霊船) といえば海で目撃されるもの、そんな先入観があります。
多くは木造の古い大型帆船であり、やはり広大な海が似合います。
そんな中、アメリカ、ワイオミング州のプラット川にはゴースト・シップが現れるといい、デス・シップ (The Death Ship of the Platte River)、つまり「死の船」と呼ばれています。
単にプラット川 (Platte River) と呼ばれるのはネブラスカ州のものを指しますが、このプラット川はワイオミング州を流れるノースプラット川 (North Platte River) とコロラド州を流れるサウスプラット川 (South Platte River) が合流して形成されています。
今回のデス・シップはワイオミング州で目撃されるものなので、正確にはノースプラット川ということになります。
ノースプラット川の長さは全長1000キロを超え、全米23位の長い河です。
ワイオミング州はアメリカ北西部に位置しますが、海とは接しておらずかなり内陸に位置し、それこそ海からゴーストシップが紛れ込む余地のない州です。
さて、この川にはゴーストシップの典型である帆船が現れるといいます。
このノースプラット川は「川幅1マイル (1.6キロメートル) の水深1インチ (約2.5センチ)」と揶揄されるほどの浅い川で、実際その平均水深は2~3フィート (約0.6~0.9メートル) しかありません。
大きな船の航行は不可能であり、ここに大きな船が現れたらそれはゴーストシップ以外ありえません。
それは必ず晩秋の霧深い夜、霧の中からぼんやりとゴーストシップが現れます
そのゴーストシップの甲板 (かんぱん) には必ず人間の死体が転がっているといいます。
しかもその死体は目撃者の必ず知っている人、いやそれどころか家族や親友、とても近しい人であるといいます。
1862年、レオン・ウェバー (Leon Weber) なる人物は自身の婚約者を、1887年、ジーン・ウィルソン (Gene Wilson) は彼の妻を、そのゴーストシップの甲板の上に横たわる姿を見たといいます。
婚約者も妻もその日のうちに亡くなりました。
その後も現れるゴーストシップ、しかし目撃した人物の近親者が必ず甲板で倒れており、例外なくその人物はすぐに亡くなるといわれています。
これがデス・シップと呼ばれる所以です。
そのため、ゴーストシップは近親者に死を知らせるために現れると信じられています。
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