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2023年2月24日金曜日

イングランドの公園に現れた謎の生物「歩くモミの実」とは? ~ ウォーキング・ファーコーン


■イングランドの公園に現れた謎の生物「歩くモミの実」とは?

1954年4月16日、イングランド、ケント州の漁港ラムズゲートで奇妙な生物が目撃されました。

ダンプトン公園を「モミの実 (fir-cone)」のような生物が歩いていたというのです。

これをウォーキング・ファーコーン (Walking fir-cone)、つまり「歩くモミの実」といいます。

目撃したのはS. ビショップ (Constable S. Bishop) 警部補。

公園を通り抜けようとしていたときのこと、奇妙な物音に気付き目をやるとまるでモミの実のようなものが動いていました。

(ベイマツ (ダグラスモミ, Pseudotsuga menziesii) の実)
(image credit by Wikicommons)

モミの実はちょっと長めの松ぼっくりを思い浮かべてもらえばだいたい当たりです。

ビショップ氏は決してモミの実そのものが歩いていたと主張していたわけではありません。

あくまで「モミの実に似た生物」を見たと証言しているだけです。

「その生物の全身には鳥の羽のような柄がありました。

吻部 (鼻先) はとても長く尾は短かったです。

四肢には大きなかぎ爪があり、体長はシェパードほどもありました」

(センザンコウの防御態勢はまさにマツカサ)
(image credit by Wikicommons)

旧サイト (UMAファン) でこの生物はおそらくセンザンコウに違いない、とほぼ断定しました。

モミの実 (もしくは松ぼっくり) みたいな生物といえばやはりセンザンコウ、モミの実は面長であり松ぼっくりよりも更にセンザンコウらしいともいえます。

ビショップ氏の目撃証言もただ一点を除けばセンザンコウでほぼ問題ありません。

モミの実を思わせる鱗、長い鼻面、鋭い鉤爪、シェパードほどとは言いませんが体高は低くともそれなりに体長はあります。

が、気になるのは尾が短いという証言。

この一点に関してはどうしてもセンザンコウの特徴として相容れないものです。

センザンコウは尾がとても長いからです。

未確認動物学者カール・シューカー氏のブログを読んでいたところ、やはりシューカー氏もセンザンコウで間違いないと思っていたようです。

しかし、友人のジョン・ミッチェル (John Mitchell) 氏からその正体としてセンザンコウとは異なる動物を示唆されたというのです。

(どちらが頭か分かりません、いや分かるだろ、マツカサトカゲ)
(image credit by Wikicommons)

それはマツカサトカゲ (Tiliqua rugosa) です。

マツカサトカゲは日本を代表するUMA、ツチノコの正体のひとつ、アオジタトカゲ属 (Tiliqua) の一種で松かさを思わせる大きな鱗が特徴です。

ビショップ氏の証言する「短い尾」というのもマツカサトカゲなら好都合です。

マツカサトカゲは尾がずんぐりしており、頭部も尾も同じようなシルエットをしています。

(四肢が草木で隠れたらまさにツチノコ キタアオジタトカゲ or ヒガシアオジタトカゲ)
(image credit by Wikicommons)

そのためどちらが頭か、どちらが尻尾か見紛うほどで、ツーヘッドトカゲ (「ふたつの頭を持つトカゲ」two-headed skink) とかボブテイルトカゲ (「短い尾のトカゲ」bobtail lizard) とも呼ばれます。

また和名と同じくマツカサトカゲ (pine-cone skink) とも呼ばれます。

センザンコウではなく、正体はマツカサトカゲだ!手のひらを返してそうそう叫びたくなります。

しかし、シルエット的にはマツカサトカゲを推したいところですが如何せん、体長は35センチほど、「シェパード程の大きさ」にはほど遠いのが玉に瑕です。

(参照サイト)






2023年2月23日木曜日

ウォーカー・レイクの怪物 ~ セシル・ザ・サーペント


■ウォーカー・レイクの怪物 ~ セシル・ザ・サーペント

アメリカ、ネバダ州グレートベースン (Great Basin) にあるウォーカー湖 (Walker Lake)。

最大長18キロメートル、幅8キロメートルの楕円形をした塩湖です。

地元の先住民族であるパイユート族 (Paiute tribe)はこの湖を「マスの湖」を意味するアガイ・パー (Agai Pah) と呼びます。

もちろんそれはマスが生息することに由来しパイユート族はこの湖で獲れるマスやそして渡り鳥たちを食料としてきました。

(ウォーカー湖)
(image credit by Wikicommons)

しかしそれも過去の話。

この地に移民たちが押し寄せた19世紀以降、灌漑による水位の低下により塩分濃度は上昇し続けマスはおろかすべての魚は死滅してしまいました。

と、こんな魚すら住めなくなった湖に巨大生物の目撃があるのです。

移民たちはこの地に到達して間もなくパイユート族からこの湖に生息る200~300フィート (約60~90メートル) もある巨大な生物の話を聞きます。

その姿はヘビに似ているといいレイク・サーペントの一種と考えていいでしょう。

いつの日からか、彼女にはセシル・ザ・サーペント (Cecil the Serpent) という相性がつけられました。

1868年、ルーベン・ストラザーズ (Reuben Strathers) 氏とその友人はセシルを殺したと主張しています。

かれらによればセシルは前人が鱗で覆われており、非常に長い尾を持っていました。

頭部はワニ (クロコダイル) に似ており前肢は首のあたりから生えていた言います。

20世紀を待たずして魚たちが住めなくなってしまったウォーカー湖ですが、20世紀初頭はセシルの目撃が特に頻発していた時期です。

代表的な目撃情報はドン・コーネリソン (Don Cornelison) 氏のものでしょう。

1907年、ドン・コーネリソン氏と友人のジョン・マッコリー (John McCorry) はボートの乗って釣りを楽しんでいました。

すると遠くに何かが見えます。

コーネリソン氏ははじめ「小舟に乗った人」と思っていました、が、突如消えてしまったたのです。

てっきり沈没したのかとふたりはボートで救助に向かいました。

しかし、さっき「小舟」が見えたあたりに到着してもその痕跡がありません。

と、突如水面からセシルが現れたといいます。

体長は30フィート (約9メートル)、体の幅は6フィート (約1.8メートル) ほどの巨体でした。

(ピラミッド湖のトゥファ)
(original image credit by Wikicommons)

同じくネバダ州グレートベースンにはピラミッド湖 (Pyramid Lake) という塩湖があり、この湖でもレイク・サーペントの目撃があります。

そのため、このふたつの湖は地下で繋がっており、セシルは行き来しているという噂もあります。

ちなみにピラミッド湖という印象的な名称はピラミッド形状のトゥファ (炭酸塩堆積物) がいくつも見られるからです。

さて生物たちにとって「死の湖」となって久しいウォーカー湖、この湖に流入する川はウォーカー川のみ、この川からの流入量を増やすことによりかつての魚や渡り鳥たちが生息できるウォーカー湖に戻そうという試みが行われています。

いまではレジャーで人気のウォーカー湖、ボート遊び中にふいにセシルが出てきて転覆させられないようマシュマロを持参することが推奨されています。

マシュマロ?

セシルはマシュマロに目がなく、マシュマロを湖に投げ入れてそのすきに逃げるためだそうです。

なんてかわいらしい。

(参照サイト)








2023年2月22日水曜日

トゲ付きのこん棒の尾をもつ猫 ~ スライヴァー・キャット


■トゲ付きのこん棒の尾をもつ猫 ~ スライヴァー・キャット (スライバー・キャット)

今日は猫の日なので猫系のUMAを紹介しましょう。

イギリス全土でみられるABC (エイリアン・ビッグ・キャット) を筆頭に大型ネコ科動物系のUMAは少なくありません。

今回のはスライヴァー・キャット (スライバー・キャット, Sliver cat)、北米のUMAです。

なんとUMAでありながら "Felis glabraspiculata (フェリス・グラブラスピクラタ)" なる学名をもちます。

属名の "Felis" は実在するネコ属のことで種小名の "glabraspiculata" もラテン語でそれっぽい雰囲気をもちますが、ネコ属 (Felis) にそんな種はもちろん存在しません、なんせUMAですからね。

確実ではありませんが種小名の "glabraspiculata"は「無毛のトゲをもった」といったような意味でしょうか。

他にもネッシーネッシテラス・ロムボプテリクス (Nessiteras rhombopteryx) やイエティディナントロポイデス・ニヴァリス  (Dinanthropoides nivalis) なーんていったUMAでありながら学名を持つものがありますが、もちろん学会で認められていません。

さてスライヴァー・キャットをみていきましょう。

ネコ属は本来あまり大きくなく、現生の大型ネコ科動物と呼ばれるのは主にヒョウ属 (Panthera)、ピューマ属 (Puma)、チーター属 (Acinonyx) ですが、スライヴァー・キャットは彼らに負けないほど大きなネコ属という特徴を持ちます。

(ジャングルキャット)
(image credit by Wikicommons)

ネコ属の最大種はジャングルキャット (Felis chaus) で、最大クラスともなると体長は75センチ、体重16キロほどになるといいます。

スライヴァー・キャットはジャングルキャットを大きく上回る136キロほど、ヒョウやピューマ (クーガー)、チーターよりも重いことになります。

樹上生といわれ、その巨体にしてハンティングはもっぱら待ち伏せ型、樹上から獲物が通りかかるのを待って襲うといいます。

と、ここまでは北米に生息するネコ科動物としては大型であるものの、至ってその特性はふつうです。

本当にこれがUMA?と思ってしまうことでしょう。

しかしスライヴァー・キャット、実はフィアサム・クリッター (Fearsome critters) に数えられるUMAです。

フィアサム・クリッターはアメリカ・カナダに伝わる民間伝承上の動物群のことでUMAの中でもかなり荒唐無稽な能力・姿を有していることが多いのも特徴のひとつです。

スライヴァー・キャットはその尾の特徴こそがフィアサム・クリッターの仲間であることを感じさせます。

尾の先端がこん棒のように膨らみ、尾の片面は棘で覆われ、反対側は無毛であるといいます。

そう、彼らの学名、フェリス・グラブラスピクラタの種小名が「無毛のトゲをもった」というのはこの尾の特徴に起因するに違いありません。

曲竜アンキロサウルス的であり、剣竜ステゴサウルス的でもあり、とてもユニークな特徴です。

樹上で待ち伏せするスライヴァー・キャットはそのこん棒のような尾で通りかかった獲物を打ちのめすと、棘に引っかけて樹上に持ち上げるといいます。

ネコ科で尾がこん棒状でトゲトゲ、実在するにはかなり敷居の高いUMAであります。

(トゲオアガマの最大種、エジプトトゲオアガマ (Uromastyx aegyptia))
(image credit by Wikicommons)

哺乳類ではめぼしいところでセンザンコウ (Pholidota)、爬虫類ならトゲオアガマ属 (Uromastyx) といったところがトゲトゲの尾を有している生物。

トゲアガマもいうほどトゲトゲでもなく、しかもネコと誤認するには両者ともかなり厳しいところです。

まあそこら辺はフィアサム・クリッターなんで許してあげてください。