■カスピ海の半魚人?マーマン? ~ ルナン・シャー (ルナンシャー)
今回はカスピ海からのUMA、ルナン・シャー (Runan-shah)。
カスピ海 (Caspian Sea) の水棲UMAということでカスパー (Casper) というニックネームも持つようですが使われているのはあまり聞いたことがありません。
カスピ海は日本の国土ほどもある巨大な塩湖であり、ロシア、アゼルバイジャン、イラン、トルクメニスタン、カザフスタンの5つの国が隣接します。
そういうわけでカスピ海で目撃されるUMAはどこの国に属するか問題が起こるわけですが、ルナン・シャーという呼び名はイランに伝わる幻獣のようで「海と川の支配者 (もしくは「王」)」という意味を持つそうです。
何世紀にも渡って目撃されてきたといい、その特徴も細かく伝えられています。
体長は驚くほど詳細で165~168センチ、その姿は大型の両生類と人間のハイブリッド。
大変醜い顔、目と口はとても大きく鼻はイルカのクチバシのように尖っており、海藻に似た緑色の頭髪をもちます。
体全体は白っぽく、四肢を持ち、指には水かきがついています。
「海と川の支配者」の名にふさわしく、大きな魚の群れを従え泳ぐといい、時折アザラシのような深い鳴き声をあげます。
そして21世紀に入った2005年にアゼルバイジャンの船長から衝撃的な目撃情報が伝えられます。
「ルナン・シャーは非常に長い時間、わたしの船と並行して泳いでいました。
はじめは大きな魚だと思っていたのですが違いました、その『怪物』の頭部に毛があることに気付いたのです、ヒレもかなり奇妙なものでした。
それに上半身には腕があったのです!」
いかがでしょう?
マーマン、半魚人といったイメージでしょうか。
UMAの中でもマーマン (人魚も含む)、半魚人系は特に取り扱いが困難です、なにせ似たような既知生物が存在しませんから一体どんな生物なのか皆目見当がつきません。
(カスピカイアザラシ)
(image credit by Wikicommons)
しかしルナン・シャーの正体を敢えて既知生物で候補を挙げるとするならカスピカイアザラシ (Pusa caspica) においてないでしょう。
カスピカイアザラシはカスピ海にのみ棲息する鰭脚類で、バイカルアザラシ (Pusa sibirica) と並びアザラシ類最小種。
体長は1.3メートル程度、最大個体でも1.8メートルほどしかなく、褐色の斑点のある暗灰色の毛で覆われています。
体長はカスピカイアザラシの範囲内 (1.3~1.8メートル)、大きな目、大きな口をもち、白っぽい体色、前肢には指もあり、後肢は尾ビレみたいになってはいますがそれでも指はありますし、ルナン・シャーの特徴をそれなりに備えています。
但し、船乗りがカスピカイアザラシを知らないはずがない、というのが最大のネック。
とはいえ、20世紀初頭には150万頭いたカスピカイアザラシですが現在では7万頭程まで激減しており、かつてのように見慣れた動物ではなくなっています。
(参照サイト)
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