■カバ?オオトカゲ?ワニ?クジラ?目撃証言がバラバラ ~ ニャーマ
今回はニャーマ (ニャマ, Nyama)。
ニャーマはコンゴ民主共和国のアルウィミ川 (Aruwimi River) に生息するといわれているUMAです。
国境北東部で接する南スーダン共和国にはニャール (ラウの別名)、西アフリカにはニャマラとそっくりの名前のUMAがいてややこしいですが、一応別のUMA (のはず) です。
一般的にニャーマは既知動物で例えるとカバに似ているといいますが、たぶんそれは大きさ家の話でしょう。
というのもニャーマの頭部は小さいといわれており、デカい頭の代表格であるカバと似ているとは到底思えないからです。
しかしそれは非常に形容詞がいた姿をしているのは確かです。
19世紀末、アルウィミ川沿いのコミュニティ、ヤンビュヤ (Yambuya) に駐留していたジェームズ・スリゴ・ジェームソン (James Sligo Jameson) 士官の日記にニャーマとの遭遇体験が書かれていました。
そしてその姿は非常に捉え難いものでした。
「今朝、シリア人通訳であるアサド・ファラン (Assad Farran) がわたしの元へ来ると、とても興味深い野獣について話し始めたのです。
彼はその生物をクジラと確信しているといい、自分たちが乗っている2隻のカヌー近くに一定の間隔で浮上しては岸辺の草を食 (は) み、近づくと潜ってしまうというのです。
ファラン氏がいうにはカヌーに同乗していた監視役は常にその生物を目撃していたというので、わたしは彼にそれは本当にクジラだと思っているのか質問をぶつけてみました。
『もちろんですとも!どことなくその姿はクロコダイルに似ていますが、わたしはそれがクジラであると確信しています』
わたしは個人的にはイグアナやオオトカゲを想像してしまいましたが、ファランは今度見つけたら私にすぐに教えてくれると約束しました」
推測を交えたこの日記だけでもクジラとワニ (クロコダイル)、そしてオオトカゲ (イグアナ) の3種類の動物が出てきます。
ワニとオオトカゲならまだしも、この2種とクジラは相容れません。
さてこの生物は一体何なのか?
頭部が小さい、というのを無視し、ファラン氏とその護衛の目撃情報だけであればカバの可能性もワニの可能性もいずれもあり得そうです。
ただクジラと確信している、という言葉から、爬虫類である可能性は低いかもしれません。
一番いいのは証言通り未知のクジラは生息していることですが、淡水域に生息するクジラといえばカワイルカ、この可能性はどうでしょう?
残念ながらアフリカ大陸にはなぜかカワイルカ類が生息していません、その代わりといってはなんですがアフリカウスイロイルカ (Sousa teuszii) は西アフリカの海岸沿いに生息するイルカですが、ニジェール川等、一部西アフリカの河川にも棲息することが分かっています。
体長は2~2.5メートルほどとさほど大きくはありませんが、河川で目撃すればそれなりに大きく見えるに違いありません。
但しコンゴ民主共和国はかなり内陸の国であり、誤ってそこまで遡上する可能性はあり得なくはないもののかなり厳しそうです。
(アフリカマナティ―)
(image credit by Wikicommons / Public Domain)
それよりも大きさ的にも候補としてうってつけなのははアフリカマナティ (Trichechus senegalensis) でしょう。
最大個体の記録は4.5メートルというモンスター級のものが知られており、1トン近くあったかもしれません。
こちらも西アフリカ沿岸から西アフリカの河川に生息していますが、上記のアフリカウスイロイルカと比較すればかなり内陸まで入り込み、一般的な生息域ではありませんがコンゴのアルウィミ川まで到達する可能性はイルカよりもはるかに高いでしょう。
ハクジラ類 (イルカ含む) と違い草食性であるのも目撃情報から有利な点です。
というわけでニャーマの候補として既知生物であればこの2種を挙げておきます。
但し、ニャーマのもうひとつの伝説は人間を捕らえ頭をかち割って脳を貪るという凄惨なもの、そちらの伝説が正しければカバやワニ等、もう少し獰猛な生物が候補になるでしょう。
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アフリカウスイロイルカ
返信削除アフリカウスノロイルカに見えて、ひどい名前つけるものだなーとか思ってしまったw
ひどい和名の動植物はとんでもなくたくさんいますからね、今では差別用語として和名を変えざるを得ないものとかもいますし。
削除ショウベンノキとか正気でつけたのか?と思いますw
(笑)
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