■3人の僧侶が見たUMA ~ リー湖の怪物
今回はリー湖の怪物 (Lough Ree monster)。
リー湖は北アイルランドのほぼど真ん中に位置する湖です。
北アイルランドには大小数えきれないほどの湖 (Lough) があり、その多くは小さいものですが、リー湖は北アイルランドで5番目に大きな湖であり、日本の猪苗代湖とほぼ同じ表面積を誇ります。
但し、平均水深は6メートル、最大水深35メートルと浅い湖です。(猪苗代湖は平均水深52メートル、最大水深95メートル)
1960年5月18日、湖岸でクイグリー神父 (Father Quigly)、マレー神父 (Father Murray)、バーク神父 (Father Burke) の3人が釣りを楽しんでいた時のこと、100メートルほど沖に謎の生物が浮かんでいるのを目撃しました。
これはふつうのことではないと確信した彼らはこの目撃情報を内陸業業協同組合に報告しました。
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「水面には2つのセクションが確認できました。前方のセクションは均等の直径で水面からまっすぐに伸びており水面との傾斜は30度ほど、長さは18~24インチ (約45~60センチ) ぐらいでした。
先端の直径は4インチ (約10センチ) と推定されます。先端部分はヘビに似ていましたがかなり先細りのシルエットでした。
そこから2フィート (約60センチ) 程離れてもうひとつのセクションが確認できました。それはほぼ半円状に見えました。おそらくその部分の水面下には大きな体が隠れており、また、そこには推進するヒレを有し、水上に見えている部分はその背中のコブか突起であった可能性があります。
これがもし半球状と仮定すればおそらく15ポンド (約7キログラム) 級の大型の鮭の胴回りぐらいであったでしょう。コブとして考えればその基部の直径は18インチ (約45センチ) ぐらいになります。
2つのセクション、鼻の先端からコブの端までの長さは約6フィート (約1.8メートル) と推定されます。
水面はとても穏やかでした。波は立っておらず、水中に没した部分を使って推進しているようでした。水上に見えている部分の体はよじっている様子はなく、とてもゆっくりと泳いでおり、明らかに私たちには気付いていないようでした。
私たちはその生物が北東へ向かって移動するのを2~3分の間、眺めていました。その後、岸の方へ向かっていましたが潜るというよりはむしろ徐々に水中へ没するといった感じで、私たちの視界から完全に消えてしまいました。
しかしまた2~3分もすると、先ほどのコース上に再び上昇してきました。そして岸から30ヤード (約27メートル) ぐらいのところでまた水中へと没しました。
もちろんその生物の正体を未知の生物と決めつけるべきではありません。しかし私たちが目撃したものはカワカマスであるとかカワウソであるとか馴染みのある魚や動物ではありませんでしたし、ましてや流木のような無生物ではなかったと確信しています。
私たちの見たものは生物であると確信しており、その生物を特定するのは非常に興味深いことだと感じています」
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(外科医の写真)
(image credit: Robert Kenneth Wilson)
この目撃は1934年に発表されたあの有名なネッシーの捏造写真「外科医の写真 (surgeon's photograph)」以降であり、似通ったシルエット、地理的にもスコットランドのお隣の北アイルランドということで、神父たちも興奮したに違いありません。
目撃が神父であること、複数人が同時に目撃したことで、当時、非常に大きく報道されたといいます。
しかし報告書を読む限り、水上に見えている部分が動いた描写がありません。
神父たちから距離もあったため小さな動きは確認できなかった可能性はありますが、それを加味しても生物が泳いでいるにしてはあまりに動きが無さ過ぎるような気もします。
個人的には流木である可能性が著しく高く感じますが、先回りするように神父は報告書でその可能性を否定しています。
ということでこの神父たちが見たものは生物であったに違いないとリー湖を調査してくれた機関があります。
グローバル・アンダーウォーター・サーチ・チーム、通称GUST (Global Underwater Search Team) です。
GUSTはスウェーデン人ジャーナリスト、作家、オカルト研究家のヤン・オヴェ・スンベリ (Jan-Ove Sundberg) 氏が創設した水棲UMA探索組織で主にヨーロッパ各国のレイク・モンスターの調査を行いました。
スンベリ氏は2011年、63歳という若さで惜しくも亡くなってしまいましたが存命中の2001年5月にあまり有名とは言えないこのリー湖の怪物についての調査を行っています。
存在を証明する決定的な証拠を掴むことはできませんでしたが、設置した水中マイクが謎の音 (鳴き声?) を拾っていたことと、細長い形状の生物が水中を泳ぐ影を目撃したといい、GUSTはリー湖の怪物が実在する可能性があると結論付けました。
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