■「叫びの森」はリアル?それともパラノーマル? ~ デリング・ウッズの怪
ハロウィン関係の話をしましょう。
イングランド、ケント州スマーデンとブラックリーに跨る森、デリング・ウッズ (Dering Woods)。
この森は「叫びの森 (he Screaming Woods)」という奇妙な名で知られます。
森の中に足を踏み入れると足音や耳元で囁く声、そしてどこからともなく血も凍るような叫び声が聞こえてくるからです。
叫びの森は「イングランドでもっとも幽霊の出る森」と信じられています。
この森がいつから「叫びの森」と呼ばれるようになったのか定かではありませんが、少なくとも18世紀には不気味な森として知られていたようです。
しかしこの「叫びの森」が都市伝説以上の存在となった決定的な「事件」が20世紀半ばに起きます。
1948年10月31日、つまりハロウィンの夜、デリング・ウッズから正体不明の光や音が聞こえてきたと多数報告がありました。
とはいえ、もともといわくつきの森、奇妙ではあるものの「叫びの森」にもうひとつパラノーマルな勲章が加わったにすぎません。
ところがこれはとんでもない事件の前触れでした。
翌日の11月1日の朝、犬の散歩でデリング・ウッズに訪れていた人物が森の中で折り重なるように死んでいる20体の遺体を発見したのです。
その半数の11人は子供たちでした。
ハロウィンの夜、子供たちも夜遅くまで森に入って遊んでいたのでしょう。
外傷はありませんでしたが積み重なって亡くなっているという奇妙な状況にもかかわらず、警察は死因を一酸化炭素中毒によるもの、と発表し捜査を早々と打ち切ってしまいました。
この発表は多くの非難を浴び、そして陰謀論が飛び交う原因となりました。
前日に目撃された謎の光や音をこの事件 (事故) と関連付け、政府が真相を隠蔽していると訝 (いぶか) しんだのです。
この事故が風化されかけていた1964年、私立探偵のロバート・コリンズ (Robert Collins) 氏がこの事故とカルト宗教が関係しているのではないか?と聞き込み調査を始めるも調査半ばにして交通事故で亡くなってしまいました。
陰謀論的に考えれば、これも事故に見せかけて政府に消されたとなるわけです。
1998年10月、ブラックリー上空で謎の光を目撃された夜、デリング・ウッズにキャンプに訪れていた大学生4人が行方不明となり現在になっても発見されていないという事故も報告されていますが、これはどうやら都市伝説のようです。
いずれにしてもデリング・ウッズに関連する不可解な事故・事件が頻発していることにより、イングランドで最も呪われた森といわれているわけです。
そして冒頭で述べた通りデリング・ウッズは「叫びの森」と呼ばれています。
「叫び声」以外も「足音」や「囁き声」、それに幽霊を見た、とったようにいくつものパラノーマルな現象が報告されており、そのすべてを解明することはできません。
但し、その中でもメインとなる「叫び」については「イングランドでもっとも幽霊の出る森」という先入観が引き起こしている可能性が高いとも考えられています。
そして「叫び」の主は意外なことにアカギツネ (Vulpes vulpes) ではないかといわれています。
アカギツネはいくつかの鳴き声のパターンを発することができ、その中にはまるで人が発するような「叫び」も含まれるからです。
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どこの国かは忘れたけど、森の中で犬の写真を撮ろうとしたらとんでもない叫び声が聞こえてきたっていう動画を思い出しました。
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