■巨大水棲獣が二頭で戯れていた ~ シール・ロック・シー・モンスター
アメリカ、オレゴン州にあるヤーキーナ湾 (Yaquina Bay)。
ヤーキーナ湾はもちろん海とは繋がっているものの、ニューポート、トレド、エルクシティの小さな3つの町に囲まれた閉鎖的で特殊な形状をしています。
ヤーキーナ川 (Yaquina River) と繋がっており、河口の幅よりも海への流出口の方が狭いほどです。
(特殊な形状のヤーキーナ湾)
(image credt by Wikicommons)
また、この風変わりなヤーキーナという名はこの地に住む先住民族、ヤーキーナ族に由来します。
この湾に面する町のひとつ、ニューポートにはアトラクション施設、アクアリウム・ヴィレッジがあり、遠い昔に絶滅した巨大海生爬虫類、クロノサウルス (Kronosaurus) の実寸大の像が展示されています。
クロノサウルスは「首の短い首長竜」の代表格、プリオサウルス類 (Pliosauroidea) 最大種のひとつで頭骨だけで3メートル超、全長10メートル以上に達しました。
施設のオーナー、ジョン・サープ (John Tharp) 氏はおそらくただのジョークのつもりだったのでしょう、このクロノサウルスの台座に、「1992年6月2日、激しい嵐の日にニューポートで捕獲された」と記載しました。
(クロノサウルスの全身骨格)
(image credit: Wikicommons)
これを多くの人にはそのままジョークと受け取られたものの、そんなわけあるか!と真面目に反発する人もいれば、純粋に剥製だと信じる人もいたといいます。
ま、あり得ませんよね、恐竜と時代を共にした巨大海生爬虫類が捕まっただなんて、、、
ところがところがこのジョークのせいで埋もれかかっている目撃事件が発掘されたのです。
実は1935年6月13日にニューポートからほど近いシール・ロック (Seal Rock) で複数の地元住民たちにより、クロノサウルスによく似たシーモンスター (もしくはシーサーペント)、シール・ロック・シー・モンスター (Seal Rock Sea Monsters) が目撃されていたのです。
その生物の正体がクロノサウルスかどうかは別として、特定できない巨大生物の目撃事件があったこと自体は事実であり、当時地元の新聞にも掲載されたものでした。
しかし、サープ氏のジョークは、この1935年の目撃事件と混同され、この本当にあった目撃事件までフェイクと思わせる結果となってしまったのはUMAファンにとっては痛恨です。
さて、このシール・ロック・シー・モンスター、同時に2頭目撃されており、体長は40~60フィート (約12~18メートル)、頭部だけで人間ほどの大きさがあり、幅は最低でも3フィート (約0.9メートル) もあったといいます。
体は暗褐色でアシカのような鳴き声を発していたといい、その大きさに反して獰猛そうな振る舞いをすることもなく30分ほど波間に浮いたり潜ったりし、30分ほどするとやがて南の方へと泳ぎ去っていったといいます。
大きさ的に既知生物ならクジラかサメ (ジンベエザメ・ウバザメ) しかあり得ませんが、目撃時間が長い割にはあまり詳細が語られておらず、その正体を推測するのは困難です。
但し、当時の観光客目当てのフェイクニュースだったかも?な~んて噂もあります。
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この UMAそんな名前もあったんですね。どこかでヤキナベイ・モンスターって名前で紹介されてたのでその印象が強かった
返信削除クロノサウルスとモササウルスは同じなんですか?イラストがモササウルスにすごくにているので気になりました。僕は古代の生物が大好きで、よく図鑑とか見ていたんですけど、ちょっとわからなくて、教えていただけたら嬉しいです。長くなってすみません。
返信削除コメントありがとうございます。
削除これはモササウルスでもクロノサウルスでもどちらでもないんです。AIで描いてますが、モササウルスもクロノサウルスもAIにインプットされていないので、爬虫類を少しずつ調整していってそれっぽい海生爬虫類に仕上げただけです。
ま、確かにモササウルスっぽい仕上がりになってますね~
お返事ありがとうございます。
削除おかげで、モヤモヤが晴れました。最近のAIってすごいですね〜爬虫類から海生爬虫類にできるなんて、驚きました!