■ソマリアで死者も出したという、血に飢えた野獣 ~ ヘンティフィア
東アフリカの東端に位置するソマリア連邦共和国。
長らく続く内戦による政情不安で有名ですが、1997年12月、ソマリアの最も北東に位置するバリ州 (Bari) で謎の人喰い野獣が出たといいます。
その怪物を現地の人はヘンティフィアと名付けたそう。
そのスペルが分かりません、というのも海外の記事を探しても全く情報がつかめなかったからです。
海外のUMAでありながら、日本のUMA本だけに登場するUMAは少なくありませんが (「スクリュー尾のガー助」「黒海の大海蛇」「テキサスのサンドドラゴン」「チェルノブイリのマンモスチキン」「香港のカイ・クワイ」等々)、ヘンティフィアもそのひとつです。
しかしヘンティフィアは日本のワイドショーは元より全世界に発信された、と日本のUMA研究者の中でもっとも信頼できる人物のひとり天野ミチヒロさんがその著書で語っているので情報源はあるものとしてその存在を信じたいと思います。
ヘンティフィアが目撃されたのは僅か2週間ほど、その間に6人が食い殺され、8人が負傷したといいます。
その姿は尾が白い痩せたオオカミに似ていたといいます。
これはエジプトで1996年10月に起きた謎のイヌ科系UMA、サラワの連続殺傷事件に似ています。
サラワは半年ほどで分かっているだけで4人が殺害され、61人が負傷しています。
その正体は野犬であった可能性が高く、しかも悪天候により野犬が一地域に集中するという不運が重なっており、複数の「犯人」が1匹の「サラワ」という怪物に集約された可能性も考えられます。
ヘンティフィアに関しては情報が少なすぎて推察するのは難しいですが「痩せたオオカミ」と形容されていることから、飢えて見境のつかなくなった野犬、もしくはアフリカでは割と稀ですが狂犬病にかかった野犬、といった可能性はそれなりに考えられます。
他に生息域から純血種としてアフリカンゴールデンウルフ (Canis anthus) や、ヨコスジジャッカル (Lupulella adustus) ・セグロジャッカル (Lupulella mesomelas) といったジャッカル類、ブチハイエナナ (Crocuta crocuta)、シマハイエナ (Hyaena hyaena) らハイエナ類を挙げておきましょう。
ところで狼男のことを英語でウェアウルフ (Werewolf) と呼びますが、東アフリカには狼男のハイエナ版、ウェアハイエナ (Werehyena)、つまりハイエナ男の伝承があります。
今回の舞台であるソマリアにはコリ・イスマリス (Qori Ismaris) という固有のハイエナ男が民間伝承として存在することもヘンティフィアに多少なりとも関係しているかもしれません。
調べたら、1997年のソマリアでは10月あたりから大雨で洪水が起き、11月に「野生動物が洪水地域で地元住民を襲った」と報道されていました。ちょうど時期や被害者数がぴったりの記述はなかったのですが、この辺何か関係がありそうに感じます。
返信削除コメントありがとうございます。
削除わざわざ調べていただいたのですね。日本でもニュースになったほどですからおそらく大きな事故・事件・災害だったと思われるので確かに関係ありそうですね。
ご情報ありがとうございます。