このブログを検索

2025年6月15日日曜日

すすり泣いて人と引き寄せる ~ ウォーター・ベイビー


■すすり泣いて人と引き寄せる ~ ウォーター・ベイビー (ベビー) 

今回はウォーター・ベイビー (Water babies)。

アメリカ西部の広い地域に伝わる怪物で、姿こそ違えど日本のカッパと似た役割を担います、すなわち子供たちを水辺から遠ざける役割です。

ウォーター・ベイビー、つまり「水の赤子」を意味し、その姿は簡単に表現すると人魚の子供バージョンといった感じです。

多くの湖でこの生物の伝承がありますが、その中からユタ湖とその周辺の河川 (特にプロボ川 (Provo River)) で目撃されるウォーター・ベイビーをピックアップしましょう。

アメリカ、ユタ州の湖といえばノース・ショア・モンスターグレート・ブライン・シュリンプといったレイク・モンスターの目撃のある巨大な塩湖、グレート・ソルト湖の方が有名ですが、ユタ湖は淡水湖としてはユタ州で最も大きな湖です。

グレート・ソルト湖の南に位置し、わずかに塩分を含みます。

グレート・ソルト湖があまりに大き過ぎるため地図上で見ると小さく見えますが、表面積は380平方キロメートルもあり、日本に存在した場合、琵琶湖 (670平方キロメートル) に次ぐ第2位となる堂々たる広さです。

この湖はその大きさに反しとても浅いことで有名で最大水深4.3メートル、平均水深3.2メートルしかありません。

この浅~い湖に巨大なレイク・モンスターの目撃が相次ぐとなるとちょっと面倒ですが (実際にありますが)、ユタ湖で目撃されるウォーター・ベイビーは「上半身が人間の子供 (幼児)、下半身が魚」と形容されます。

下半身も人間で、完全な人間の幼児の姿というバージョンもあります。

といってもまるっきり人間の子供そのものではなく、目は真っ黒 (白目部分が無い) で口中には鋭い牙を有しています。

しかし多くは夜に目撃されるためでしょうか、そういった実際の人間との相違はそれほど目立つものではなく、むしろ「天使のように美しい姿」と認識されるようです。

そしてウォーター・ベイビーと呼ばれるもう一つの理由、人間の「乳児の泣き声」を発することです。

その「天使のような美しい姿」と「乳児の泣き声」で人々を湖へとおびき寄せます。

ウォーター・ベイビーは陸上での動きは緩慢だといいますが、その大きさに反し水中では優れた敏捷性を持ち、人間を湖の中へと引きずり込むとその肉を喰らいます。

一般的に言われる日本のカッパよりも数段恐ろしいですが、その存在は先住民族から伝わる都市伝説以上のものではないように思えます。

しかし、これにはカナダカワウソ (Lontra canadensis) が関係している可能性が高そうです。

本来生息していなかった河川や湖沼にも移入された記録があり、ユタ湖にもカナダカワウソの移入記録があるといいます。

伝承が先か?動物が先か?といった点では伝承の方が先で、後付けで移入されたカワウソたちがその正体を考えられるようになった、といったところです。

まあカワウソが人間の赤子に見えるかどうかはさておき、その人間的なシルエットから多くのヒューマノイド系UMAや水棲UMAの正体として筆頭候補に上がる生物です。

体は小柄でつぶらな真っ黒な瞳を持ち天使のようにかわいく、そして人間の幼児の泣き声に似ているかはさておきカワウソはよく鳴きます。

近年のウォーター・ベイビーの目撃にはカワウソの誤認が含まれていそうです。

(関連記事)





0 件のコメント:

コメントを投稿