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2024年6月12日水曜日

ポイントプレザントの悪夢 ~ モスマン


■ポイントプレザントの悪夢 ~ モスマン

クラシックUMAの根幹をなすモスマン (Mothman)、何度も登場させていますが単独での紹介はしていなかったため、既にみなさん知っているとは思いますが軽くおさらい程度に紹介します。

1966年11月から1967年12月の1年余りの間、アメリカ、ウェストバージニア州のポイント・プレザント (Point Pleasant) で目撃が集中したヒューマノイドタイプのUMAです。

ポイント・プレザントはモスマンの影響で日本でも有名ですが人口は歴史的に見ても少なく、当時で5000人強、現在では4000人台を推移している規模の小さな町です。

モスマンがはじめて目撃されたのが1966年11月15日のことで、複数の人物によりマクリンティック野生動物保護区、通称TNTエリアで「赤く発光する目をした黒い生物」を目撃したと報告されます。

この時の目撃者のひとり、リンダ・スキャベリー (Linda Scarberry) 氏の証言によればその生物は「身長7フィート (約2.1メートル) の痩身で筋肉質、白い翼を持ち、催眠効果のある目の影響で頭部を詳しく見ることはできなかった」とのことです。

「白い翼」をもつという、現在知られている全身漆黒のモスマン像とは異なる証言でした。

スキャベリー氏は夫妻で目撃しており、この時この怪物から逃れようと車を100マイル (約時速160キロ) 以上で走らせましたが、キーキーという奇声を発しながら車についてきたといいます。

これらがニュースになるとマスコミはすぐにこの謎の生物に「モスマン」なるニックネームを付け報道しました。

(モスマン)

現在知られているモスマン像を簡単に整理しましょう。

モスマンの名はその名の通りモス (蛾) 的な特徴 (蛾のような翼) を持つヒューマノイド (二足立ちする生物) です。

高身長で7フィート前後、背中の大きな翼は広げると10フィート (約3メートル) 程です。

「頭部がなく、胸に大きな赤い目を持つ」と表現される特異なプロポーションを特徴としますが、これは胴体と頭部の境目が明瞭ではない、つまり首に相当する部分が分かりづらいという意味で頭部をもたないわけではありません。

但し、翼を含む全身は漆黒でその体に不釣り合いなほど大きな目を除けば鼻や口といった部位の判別は全くつかず、どのようになっているか分かっていません。

さて、目撃情報に戻りましょう。

この日を境に目撃情報は爆発的に増えることになります。

目撃情報は100を超えるため、主要なものだけ見ていきましょう。

ボランティアの消防士2人が「赤い目を持つ巨大な鳥」を目撃したと語り、続いてゼネコンのニューウェル・パートリッジ (Newell Partridge) 氏は夜間に飼い犬が吠えるのに気付き吠えている方角に懐中電灯を照らすとそこには真っ赤な目をもつ生物がいました。

朝方に飼い犬が行方不明になり、その後発見されることはなくこの怪物が犬の行方不明に関与していると主張しました。

11月25日早朝、トム・ユーリー (Tom Ury) なる男性はルート62を車で走行中、草原に立つ灰色の巨大生物を目撃、その生物は飛び立つと車の50~60フィート (約15~18メートル) 上空を飛び去って行ったと証言しています。

11月26日、お隣のオハイオ州ローウェルの3人の住民から巨大な鳥の目撃が伝えられます。(ポイントプレザントはオハイオ州の州境に位置します)

彼らはその謎の生物を追跡しこのように語っています。

「その生物は濃褐色で明るい斑点がありました。胸は灰色、クチバシは真っすぐで5~6インチ (約13~15センチ)、頭部は赤みがかっていました」

11月27日、コニー・カーペンター (Connie Carpenter) なる女性は教会の帰り道、灰色の人影を目撃、飛び立つと彼女の車に向かって飛んできたと主張していますが恐怖のあまり、生物の特徴はあまり覚えていなかったようです。

年が明けて1967年1月11日、モスマン初の目撃者のひとり、リンダ・スキャベリー氏の母親、メイベル・マクダニエル (Mabel McDaniel) 氏は巨大な飛翔生物を目撃しました。

彼女曰く「飛行機かと思ったわ、でも飛行機にしてはあまりに低空過ぎると気付いたの。色は茶色で翼を広げた大きさは最低でも10フィート (約3メートル) はあったわ」

等々、、、いかがでしょう?

伝えられるほど「漆黒」ではなく、むしろ「灰色」のイメージです。

またヒューマノイド派よりも巨鳥派のほうが多く感じられます。

(カナダヅル)
(image credit by nigel(left) / BirdPhotos.com (left))

月並みですが、モスマンの正体として最も有力視されているのはカナダヅル (Antigone canadensis) の誤認です。

他の飛翔系 (特に猛禽を除く巨鳥系) UMAの正体としてもたびたび候補に挙がる大きな鳥です。

体は細いですが体高があり、最大で5フィート (約1.5メートル) 前後にもなります。

大きな鳴き声を発することでも知られています。

羽毛はグレーが多く、頭部が赤みを帯びており一部の目撃情報はまさにカナダヅルそのものといっても過言ではありません。

さて、最後にモスマンのもうひとつの顔を紹介して締めましょう。

モスマンの目撃が終息した1967年12月15日、ウェストバージニア州とオハイオ州を結ぶ全長2235フィート (約680メートル) のシルバー・ブリッジ (Silver Bridge) が突如崩落、行方不明者2人を含む46名が犠牲となりました。

これ以降、モスマン (もしくはモスマンに酷似した生物) が現れるとその後大きな事故が起こることから、モスマンは災害を予知する能力を持つUMAとしても知られています。

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