■血染めの湖には怪物が棲息する ~ ダーグ湖の怪物
今回はダーグ湖の怪物 (Lough Derg monster)。
ダーグ湖 (Lough Derg) はアイルランドにある湖ですが、同名の湖は2つあります。
ひとつはドニゴール州のもので、北アイルランドの国境近くに位置し、表面積が8平方キロメートルほどの小さな湖です。
もうひとつがシャノン水系にあるもので、12,000以上の湖沼がひしめくアイルランドにおいて第3位の表面積 (130平方キロメートル) を誇ります。
「ダーグ」はアイルランド語で「赤」を意味し、同名の湖ですからもちろん同じ意味になるはずなんですが、一般的に前者は「赤い湖」、後者は「赤い目の湖」と訳されます。
今回は後者のダーグ湖についてのお話です。
記録に残っているもっとも古いものは1978年のもので、ジェーン・グランビル夫人と彼女の二人の娘たちによって目撃されました。
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それは春の夕刻でした、二人の娘たちとディンギー (小型ボート) に乗っていたときのこと、後方になにやら大きな動いているものが目に入ったのです。
とても大きく、あんなものがぶつかってこようものならディンギーは転覆するに違いないと、とても不安になりました。
季節はまだ泳ぐにはあまり水温が冷たすぎます。
もちろんそれが何だったかは分かりませんが、3つのコブが連動して動いていたので、3匹の魚が連なって一緒に泳いでいたとは到底考えにくいです。
大型のパイク (カワカマス) であった可能性は考えられますが、後にも先にも同じようなものに遭遇したことはありません。
見えている3つのコブの距離は6フィート (約1.8メートル) ぐらいだったでしょうか。
私たちは必死にオールを漕いで岸に逃げ帰ったのですが、岸について湖を見てみると先ほどの生物はもう見当たりませんでした。
正体については検討もつきませんが、巨大なトラウトだったという人がいるものの、個人的には「ダーグ湖の怪物」という呼び方が気に入っています。
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グランビル夫人が語る通り、シャノン水系にはパイクも多く棲息しており、しかも大型になるので可能性はあります。
19世紀には42キロのパイクが釣れた記録があります。
他にもブラウントラウトやウナギ、パーチとそれなりに大型になる魚種も豊富に棲息しています。
まあ、1.8メートルは在来種としてはモンスター級であるものの、現実的な大きさを逸脱しておらず、グランビル夫人の目撃だけであれば正体は巨大魚である可能性が高そうです。
但し、2000年に別人によって全く別な種と思われる生物が目撃されました。
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天気が良くとてもいい日でした。
私たちはボートで随分と湖の沖に出ていました。
操縦士のドラン氏は一旦エンジンを切って、ここで釣りをするか、それとももっと沖の方へいくか聞いてきました。
私はボートの端によって湖の中を覗き込みました。
とても透明度が高く、かなりの深いことが分かると、少々不安になりました。
とその時です、得体のしれない何かが、私の背後で水から飛び出し、そしてボートの横を泳ぎ去っていったのです。
大きさはボートの長さと同じ12フィート (約3.6メートル)、その生物は異様なほど青白かったです。
私はあまりのショックに、その生物の詳細な部分、ヒレ等を見過ごしてしまいました。
頭部は水中に没したままで確認できませんでしたが、ボートの横を泳ぎ去ってから、またボートの方へ方向転換したのは分かりました。
確実に見えていたのは背中のみで、水上から高さ30センチほど出ていました。
ボートに向かって泳いできましたが、そのまま追突することなく潜ってしまいました。
近いものを敢えて挙げるとすれば、それはシロイルカでしょうか。
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