■カウチン湖の怪物 ~ チンクアウ (ツィンクア)
今回はチンクアウ (or ツィンクアウ, Tsinquaw)
カナダのブリティッシュコロンビア州、バンクーバー島のカウチンバレー地域にあるカウチン湖 (Cowichan Lake) で目撃されるレイク・モンスターです。
カウチン湖は長さ30キロメートルに対し最大幅は僅か4キロメートルしかなく、非常に細長い湖です。
どのように発声するのかも定かではない怪物の名のスペルをみても、この怪物が先住民族から伝わったであろうことは想像に難くなく、実際に民間伝承の生物でした。
そんな中、1885年、ヴィクトリア・デイリー・コロニスト紙 (Victoria Daily Colonist) の11月15日号で、カヌーに乗った三人の男性がカウチン湖で怪物を目撃したことを報じたことで伝説の世界から抜け出しました。
目撃者のひとり、チャールズ・モロー (Charles Morrow) 氏によればその怪物は「巨大なヘビに似ており、背中は赤褐色で、腹部に不規則な白い斑紋あった」ということです。
体長は水上に見えていた部分で20フィート (約6メートル) はあったといい、動きも素早かったようです。
1929年以降に目撃が本格化し、体長は概ね10~20フィート (約3~6メートル)、中には30フィート超え (約9メートル) もありますが、現実的に3メートル前後と考えてみましょう。
首から上の目撃が多いものの、浮遊している丸太と思ったら動き出したといったような目撃もあることから、頭部以外も全体的に細長い体をしている可能性が高そうです。
さてこの生物は一体何なのか?
カウチン湖はやや貧栄養湖であり、主な魚種はカットスロートトラウト (ノドキリマス, Oncorhynchus) 等、残念ながら大型生物が棲息するにはあまり適しているとは言い難い湖です。
とはいえ、何かしらの大きな生物が立て続けに目撃されているのは無視できません。
「巨大生物が立てたと思われる波を目撃した」といったような実際に生物を目撃しておらず、間接的に生物の存在を示唆するような目撃ではありません。
(シロチョウザメ)
(image credit: Wikicommons)
既存種の大型生物としてはシロチョウザメ (Acipenser transmontanus) の可能性が示唆されています。
通常大きくても7フィート (約2.1メートル) 程ですが (これでも十分モンスター級ですが)、最大個体は20フィート (約6メートル) 超の個体が捕獲された実績があり、しかもチョウザメは長命 (100~150歳) であることから、モンスター級に育った1個体だけでも長きにわたり目撃され続けることがあります。
現実的で夢のない説では複数のカワウソが縦列で泳いでいるのをひとつの個体として認識し、一匹の細長い巨大生物と見誤ったもの、というのがあります。
まあ水棲UMAの説明でカワウソに限らず、魚の群れ等でも同様の説明がなされており、そういった目撃情報が紛れ込んでいることは否定はできません。
個人的には、カウチン湖はカウチン川 (Cowichan River) を介し、カウチン湾 (Cowichan Bay) に繋がっていることからも大型海洋生物の遡上も可能性はあると思っています。
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