■1930年代に目撃が集中したキリン頭のリバーモンスター ~ コロッサル・クロード
今回はコロッサル・クロード (Colossal Claude)。
アメリカ、オレゴン州を流れるコロンビア川で目撃されるリバー・モンスターです。
初めて目撃されたのは1934年3月15日のこと、灯台補給船ローズ号の船長と乗組員らはみな船の近くを泳ぐ巨大なシーサーペントを目にします。
目撃していた時間は数分と十分な観察時間があり、みな双眼鏡でその怪物を見ました。
小舟で近付き詳細に観察する案を提案するものもいましたが、その怪物は小舟以上の大きさがあり、船が転覆させられる危険があるため自重されました。
同船の一級航海士L.A.ラーソン (L.A. Larson) 氏は頭部も含め巨大なヘビに似ていたと証言しましたが、船長のJ.ジェンセン ( J. Jensen) 船長は頭部はラクダに似ていたと証言しています。
それから3年後の1937年、今度はトロール漁船ヴィヴ号の乗組員たちに目撃されました。
チャールズ・グラハム (Charles Graham) 船長はコロッサル・クロードを「細長く黄褐色で毛深い生物、巨大な馬に似た頭部をしており、体長は約40フィート、直径は4フィート」と証言しました。
同年はデヴィルズ・チャーン (Devils Churn) に海水浴に訪れていたホワイト夫妻により水上から見える部分だけで15フィート (約4.5メートル) もある生物が目撃されました。
彼らの証言によれば、頭部はキリンに似ており、水中に没していた部分を含めれば全長55フィート (約16.5メートル) はあったのではないかと推測されました。
次は1939年、今度は小型漁船アルゴ号の乗組員によって目撃されました。
非常に至近距離での目撃でクリス・アンダーソン (Chris Anderson) 船長の証言によればコロッサル・クロードは船から僅か10フィート (約3メートル) の距離に現れ、体は水上に10フィート以上も出ていたといいます。
「頭部はラクダに似ていました。灰色の粗い毛で全身が覆われており。目にはあまり生気はなく、吻は曲がっていて、私たちが釣り上げた20ポンド (約9キログラム) のオヒョウを食べていました」
これ以降の顕著な目撃談はないといいます。
しかしUMAファンであればお気付きでしょう、コロッサル・クロードはカナダ、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島にあるキャドボロ湾 (Cadboro Bay) で目撃されたキャディ (キャドボロサウルス) と特徴がとても似ています。
いずれも細長い体型のシーサーペントタイプ、頭部がラクダ等、哺乳類的である点です。
リバー・モンスターといいながらも河口付近での目撃も多く、その大きさからも汽水域から誤って遡上してしまった海洋生物ではないかと考えられています。
10メートルオーバーの証言を信じれば、既知生物であればクジラかサメ (ジンベエザメ、ウバザメ)、あとはちょっと足りませんがリュウグウノツカイ (Regalecus russelli) ぐらいしかいません。
ただ水上に体を垂直にし制止に近い状態にするといった行動は上記の生物ではクジラしかできず、その正体としてクジラが有力視されていますが頭部の特徴頭は全く似ていません。
またなぜか巨大クラゲの誤認説もありますが、これに至ってはかなり意味不明です。
淡水に棲息するマミズクラゲ (Craspedacusta sowerbyi) は存在しますが、傘の直径は1~2センチととても小さく、しかも流れのある水域を好みません。
少なくとも既知の淡水クラゲにコロッサル・クロードを思わせるようなものは大きさ的にも姿的にも存在しません。。
海水 ⇔ 淡水をものともしないオオメジロザメ (Carcharhinus leucas) やノコギリエイ (Pristis pristis) のような軟骨魚類の大型種もいますがどう考えても哺乳類的な頭部には見えません。
既知の生物で一番あり得るのは大きさは無視して、やはり頭部の特徴からアザラシ等の鰭脚類が可能性が高いのでは?と個人的には思います。
生息域から大きく外れますが、アメリカマナティー (Trichechus manatus) も候補に入れておきましょう。
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