■中国の巨大塩湖に水棲獣がいる ~ 青海湖の怪物
中国最大の湖、青海湖 (せいかいこ / Qinghai Lake)。
この湖の塩分濃度は1.4%と海水の塩分濃度 (3.4~3.5%) の半分以下と低めですが塩湖として数えられています。
この青海湖で目撃される巨大生物が青海湖の怪物 (Qinghai Lake monster) です。
世界最大の塩湖、ボリビアのウユニ塩湖 (Salar de Uyuni) やアメリカのグレートソルト湖 (Great Salt Lake) は海水よりもはるかに塩分濃度が高く、ほとんどの水棲生物は生きていけないことを考えると青海湖はまだUMAの目撃に関しては有利といえます。
まあその困難を乗り越えグレートソルト湖では巨大な水棲UMA、ノース・ショア・モンスターやグレート・ブライン・シュリンプが目撃されていますけどね。
さて、20世紀の青海湖周辺の大幅なの開発等で流入する川が干上がり、湖は縮小する一方でしたが2004年以降はまた拡大傾向にあるといいます。
2004年の表面積が4,186平方キロメートルから2020年の調査では4,543平方キロメートルと350平方キロメートル (琵琶湖の半分) ほども回復しています。
塩分濃度がそこまでじゃないことから、この湖には在来種5種の魚類が棲息しています。
もっとも多く棲息しているのが和名不明ですが、青海湖の固有種、コイ科のギムノキプリス・プルゼワルスキー (Gymnocypris przewalskii) です。
(ギムノキプリス・プルゼワルスキー)
(image credit: Wikicommons)
体長は50センチ近くまで成長、漁獲しすぎて絶滅危惧種でしたが禁漁により現在は回復傾向にあるといいます。
その他に体長10センチ程度のフクドジョウ科の魚類が4種生息しています。
というわけで巨大生物のエサになる生物は、少なくともグレートソルト湖なんかと比べれば塩湖としては潤沢というわけです。
さて青海湖の怪物を詳しく見ていきましょう。
目撃されたのは1950年代から1980年代に集中しています。
はじめて目撃されたのは1955年6月、人民解放軍が湖の調査を行っていた際、分隊のリーダーの李暁安氏により水面すれすれを泳ぐ体長10メートル、幅2メートルの巨大な生物の泳ぐ姿が目撃されています。
岸から80メートルほどの地点で、体色は黒と黄色だったといいます。
最初は無生物 (小島等) と思いましたが、その生物は岸の方へ向かって移動していたといい、明らかに生物だったようですが、やがて水中へと没してしまいました。
1960年代に目撃された時は他の目撃とはやや異なり、「亀の甲羅を持ちクジラのような背中を持った生物」と表現されました。
体色は黒で水中から大きな波を立てて現れ、そしてそのまま水中へと戻っていったといい動きは水中での上下 (浮き沈み) のみ、生物だったかどうかはちょっと判断が難しいところです。
1982年5月23日に漁船から目撃されたのは1955年の目撃と似ています。
体長は13~14メートル、体色は黒と黄色と、体長・体色共に似通っています。
背中はボートをひっくり返したような形状だったといい、大きな頭部も確認できたというものの頭部についての詳細は不明です。
漁船からおよそ50メートルの地点から5分間ほど観察できましたが、もっと近づこうと船首を向けると船の存在に気付いたのでしょう、その生物はすぐさま水中に潜ってしまいました。
と、主な目撃情報はこの3つ。
体色が黄色交じりで黒っぽくとてつもなく体が大きい (10メートル~) という特徴から同じ生物を目撃している可能性は高いですが、如何せん、湖の生物にしてはあまりに体長が大き過ぎます。
既知の生物の誤認であればちょい小さくして3~4メートル、陸棲の動物がたまたま水に入って泳いでいるのを目撃した、もしくは接続河川に棲息している大型の魚類、サケやチョウザメ類が一時的に青海湖に紛れ込んだ、ということぐらいでしょうか。
また、ほぼ中国のど真ん中に位置する青海湖に海洋生物が誤って遡上してくるとは思えません。
まあレイク・モンスターらしい夢のある謎の巨大生物といえます。
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