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2030年12月31日火曜日

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「くりぷとUMA大全 〜世界の奇妙な住人たち」は世界中のUMA(未確認生物)、絶滅種を含む不思議な動物 (珍獣) や植物、巨大生物、寄生虫、それに加えゴーストやUFO、そして昆虫食をはじめとする奇妙な食材や料理などを紹介しているブログです。

特にUMAをメインとし、超メジャーなものから日本ではあまり馴染みのない超マイナーなものまで数多く紹介しています。

不思議な話が大好きな方はどうぞごゆっくりご鑑賞ください。

2024年5月6日月曜日

戦時中日本兵が見た謎の「魚人間」 ~ オラン・イカン


■戦時中日本兵が見た謎の水棲生物 ~ オラン・イカン

「オラン〇〇」という名前のUMAは例外なくすべて獣人系です。

オラン (orang) がマレー語で「人」を意味するのでそれは当然のことです。

UMAではなく既知種の類人猿、オランウータン (Orangutan) の「ウータン (utan)」は「森」を意味するので、「オランウータン」という呼び名が「森の人」を意味するのは有名です。

それでは今回の「オラン・イカン (Orang Ikan)」の話に移りましょう。

オランは前述の通りもちろん「人」、んでイカン (ikan) の方はというと「魚」を意味します。

なるほど!それでは「オラン・イカン」は「半魚人」を意味するんですね!と思ったあなた、思考が全部化け物に持っていかれ過ぎです。

オラン・イカンは「半魚人」ではなく一応は「人魚」を意味します。

但し、半魚人という感覚は実は遠からず、オラン・イカンは下半身が魚の美男美女揃いの人魚とは一線を画します。

人魚というよりはむしろ水棲ヒューマノイドといった感が強いUMAです。

このオラン・イカンは第2次大戦末期、1943年、インドネシアのカイ諸島 (Kai Islands) で目撃されたUMAで、驚いたことに目撃したのは当時、この島々に駐留していた日本兵たちです。

彼らはカイ諸島のラグーンで魚と人間のハイブリッド的な容姿を持ち、四肢のある生物が泳いでいるのを目撃しました。

体長は150センチほど、ピンク色の肌で頭部には棘があったといいます。

それはなんらかの生物の突然変異・奇形的なものではなく、何匹も生息しており、複数のオラン・イカンがじゃれ合っている姿を目撃することもありました。

見たこともない非常に奇妙な生物であったため、日本兵らは地元の先住民族たちにその生物について尋ねると、彼らはそれを「オラン・イカン」と呼ばれている生物だと答えました。

彼らはオラン・イカンを捕らえたら連絡するとまで約束しました。

とある夜のこと、駐在していた軍曹、タロウ・ホリバ (堀場太郎?) なる人物が村長から自宅へ来るよう呼び出されました。

その日の朝、オラン・イカンの死骸が砂浜に打ち上げられ収容したというのです。

軍曹が村長の家を訪れると庭にはオラン・イカンの遺骸が横たわっていました。

それは過去に目撃した生物に間違いありませんでした。

肩まで伸びる髪の毛を持つ極めて醜いその頭部は、人間的でありそして類人猿的でありました。

平坦で低い鼻、小さな耳、そして唇のない口は大きく裂けてまるで鯉のようであり、口内には小さな歯がたくさん並んでいました。

体長は160センチほどもあり、四肢の先の指はとても長く水かきで繋がっていました。

いかなる既知生物にも似ておらず、戦後帰国したホリバ軍曹は動物学者たちにその目撃した生物について語ったものの嘲笑されるだけだったといいます。

果たしてその正体は?

真っ先に思い浮かぶであろう、人魚伝説の元となった生物、ジュゴン (Dugong dugon) の可能性は?

生息域的には合致しますが、四肢を持つことからほぼその可能性はないような気がします。

腐敗し白骨化が進んだジュゴンの幼体では?しかしジュゴンは後肢が完全に退化しており、やはりジュゴンである可能性はないと思います。

逆にジュゴンにこだわらなければ類人猿やオオトカゲ等の大柄な生物の白骨化しかけた死骸の可能性は否定できません。

しかし、オラン・イカンが泳いでいる姿をホリバ軍曹以外の日本兵たちが何人も見ていたとの証言もあり、それが本当である、という前提であればやはりオラン・イカンは未知の生物でしょう。

ちなみに、このオラン・イカンについては旧サイトからお世話になっているCRYPTOMUNDOさんを参照しています。気さくに話してくれるとてもいい管理人さんでお勧めサイトです。

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2024年5月5日日曜日

21世紀に入って目撃情報が急増 ~ ドレカヴァツ (ドレカヴァク)


■21世紀に入って目撃情報が急増 ~ ドレカヴァツ

東欧に伝わる民間伝承の未確認動物、ドレカヴァツ (ドレカヴァク, Drekavac)。

姿は違えど日本でいう河童に似た存在といえます。

というのも、ドレカヴァツは子供たちを怖がらせ、無暗に森に立ち入らないようにする抑止力的存在であり、河童が川から子供を遠ざけるためのそれと似ているからです。

但し、大きく異なる点がありドレカヴァツはその特性として宗教的な側面を持っていることで、その根底にはキリスト教があります。

ドレカヴァツは洗礼を受けずに亡くなった子供の霊であり、洗礼を受けていない人々に人々の前に現れ洗礼を受けるよう促す、なんて話もあります。

そういったこともありドレカヴァツの姿は人間の子供の姿をしているというのもありますが、このサイトではUMAとして伝えられている方を紹介します。

前述の通り民間伝承的存在ですが目撃情報もあり、特にセルビア共和国西部に位置するズラティボル (Zlatibor) の山岳地帯ではドレカヴァツの一大目撃地帯でそれなりに存在を信じる人も多いといいます。

四肢動物といわれているものの目撃情報によりその姿は千差万別で、中には鳥のように飛翔した、といったものまで含まれ非常に捉えどころのないUMAです。

これはおそらくはドレカヴァツの存在を知っている地域では見慣れないものや恐怖を感じた遭遇体験をすべてドレカヴァツと集約してしまっている可能性が考えられます。

一般的にその姿はイヌに似ているといわれており、体は細く貧弱で、後肢はカンガルーに似ており、相対的に頭部が非常に大きいといわれています。

性質は極めて獰猛で家畜や家禽を襲って食べたり、時には人を襲うこともあります。

元々民間伝承上の生物で、目撃情報なんてあるのか?と思うかもしれませんが、むしろ21世紀以降、目撃が増えている状況で、東欧版チュパカブラといった存在になりつつあります。

ドレカヴァツの鳴き声を聞いた、といった漠然としたものから、その姿を見たという目撃&スケッチ、ドレカヴァツのものといわれる写真や死骸等も次々と報告されています。

但し、北米のチュパカブラがそうであるように、その目撃には疥癬等の皮膚病にかかって毛が抜け落ちたキツネやオオカミ (ヨーロッパオオカミ, Canis lupus lupus)、クマ等が含まれている可能性も考えられます。

実際にキツネと断定された死骸もあります。

ヨーロッパのUMAはあまり目立ちませんが、ドレカヴァツは今後も目撃が期待されるUMAのひとつです。

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2024年5月4日土曜日

体を全部食われた上に食ったヤツらを命懸けで守る ~ ブードゥー・ワスプ


■体を全部食われた上に食ったヤツらを命懸けで守る ~ ブードゥー・ワスプ

今回は寄生バチ、ブードゥー・ワスプ (Voodoo wasp)。

マインドコントローラーの中でもかなり手の込んだ寄生生物です。

ブードゥー・ワスプとはニックネームで、グリプタパンテレス (Glyptapanteles) 属のコマユバチの一種です。

寄生バチは多く、特にコマユバチは5000種以上知られており、そのすべてが寄生生活を送ります。

グリプタパンテレスだけでも300種以上知られており、そのすべてが特異なマインドコントロール能力を有します。

さてブードゥー・ワスプのブードゥー (Voodoo) とはもちろんブードゥー教のことで、ブードゥー教由来の「生きる屍 (しかばね)」ことゾンビを意味し、ワスプ (wasp) は狩り蜂のこと、つまりはゾンビバチといった意味です。

ブードゥー・ワスプの獲物は蛾の幼虫で、マイマイガ (Lymantria dispar)、ナシケンモン (Acronicta rumicis) ヤガの一種 (Chrysodeixis chalcites) 等が知られています。

(マイマイガとブードゥー・ワスプの繭)
(image credit by Wikicommons)

メスのブードゥー・ワスプは目当てのイモムシを見つけると体内に卵を産み付けます。

もちろん毒を注入して殺したりはしません、これからこのイモムシが自分の子供たちの新鮮な食糧となってくれるだけでなく、この上ない素晴らしいボディーガードにもなってくれるからです。

その数100個弱。

イモムシの体内に産み付けられた卵はやがてイモムシの体内で孵化するとこれ以上ないほど新鮮なイモムシの肉を貪り喰いすくすくと育っていきます。

100匹近くのブードゥー・ワスプの幼虫に体内を食い荒らされるイモムシ、ブードゥー・ワスプの幼虫たちが蛹化 (ようか) する頃にはついにイモムシは力尽き絶命、、、しないのです。

イモムシは至って元気そうに見えます。

ブードゥー・ワスプの幼虫たちは2週間もの間イモムシを食べ続け、そして蛹化のためにイモムシの皮膚を突き破って外界へと出てきます。

出るは出るはその数80匹。

イモムシの肉を喰らい、イモムシの体内で外敵から守られ、あとは蛹になって成虫になるだけ、イモムシは用済みです。

これにてさすがのイモムシも絶命、、、しないのです。

まだまだブードゥー・ワスプはイモムシを利用します。

彼らはイモムシの体から這い出てくるとそのまますぐに蛹化の準備をはじめ蛹となります。

イモムシの体外に出て、蛹として全く身動きの取れないこの時期こそブードゥー・ワスプのもっとも無防備な状態です。

なんとイモムシはブードゥー・ワスプの蛹を外敵から守るため、その場を離れないのです。

肉を喰っただけでは飽き足らず、おまけにガードマンまでさせるのです。

ブードゥー・ワスプの蛹の近くでまるで死んだように動かないイモムシ。

しかしブードゥー・ワスプの蛹を狙う外敵が近づいてくるや頭を振って威嚇し追い払います。

イモムシガードマンがいるのといないのではブードゥー・ワスプの成虫率は2倍前後の開きがあるという研究結果もあります。

まるで母性を持った母親のよう、しかし守っているのは自分の体を2週間もの間貪り食った寄生虫の蛹、そして自らは蛹になる力は残っていません。

体外に出てまでもコントロールし続ける恐るべきブードゥー・ワスプ。

しかし一体どうやって?

その仕組みは完全には分かっていないものの、ブードゥー・ワスプの子供たちが一斉に蛹になっているとき実は1匹、もしくは2匹は必ずイモムシの体内に留まっていることが確認されており、彼らが兄弟姉妹の蛹を守らせる最後のマインドコントロールをしていると考えられています。

蛹からブードゥー・ワスプの成虫が出てくるころ、用済みとなったガードマンは今度こそ力尽きます。

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2024年5月3日金曜日

宿泊した者は生きて出られない ~ バークレー・スクエアの「名も無きもの」


■宿泊した者は生きて出られない ~ バークレー・スクエアの「名も無きもの」

今回はちょっとパラノーマル色の強いもの、「バークレー・スクエアの名も無きもの (Nameless Thing of Berkeley Square)」。

ま、ある意味、多かれ少なかれUMAは全部パラノーマルではありますが。

本題に入りましょう。

バークレー・スクエア (Berkeley Square) とはイングランド、ロンドンにある18世紀半ばに造られた由緒ある庭園で「名も無きもの (Nameless Thing)」はこの庭園内にある建物の2階に出没します。

パラノーマル色が強いと冒頭で書いたとおり、この「名も無きもの」は都市伝説やゴーストとして扱われることが多い一方、唯一無二のUMAとして扱われる場合もあります。

1840年、学生であった20歳のロバート・ウォーボーイズ卿 (Sir Robert Warboys) は友人たちと酒を酌み交わしバークレー・スクエアに出没するというこの「名も無きもの」の話で盛り上がります。

ウォーボーイズ卿はそんなもの全くの戯言に過ぎないと一笑に付すと、友人たちはそれなら「名も無きもの」が出没するという建物で一晩過ごしてみてはどうかと提案します。

ウォーボーイズ卿はその提案を承諾し、いわくつきのその建物を訪れ家主に一晩だけ2階に泊めてくれないかと頼み込みました。

家主は気が進まなかったものの伯爵の息子でありしぶしぶ受け入れました。

ウォーボーイズ卿は?燭と銃を持って2階の部屋へ入ると内側から鍵を閉めいよいよその部屋で過ごすことになりました。

しかし0時を過ぎてわずか45分、家主はウォーボーイズ卿のいる2階の異音に気付きます。

そして異音に続きすぐに銃声が鳴り響きました。

家主は急いで2階に上がりウォーボーイズ卿に声を掛けるも返事はありません、中から鍵がかかっていて入ることもできません。

家主は体当たりして扉をぶち破り中へ入ると部屋に特に変わった様子はありません。

しかし部屋の片隅でウォーボーイズ卿が倒れていたのです。

近寄ると彼は目を見開いたまま恐怖の表情を浮かべたまま死んでいました。

彼の放った一発の銃の弾痕が壁にありましたが、彼の体には何の傷もありませんでした。

そのためウォーボーイズ卿は恐怖のあまり死んだといわれています。

その後もこの部屋に泊まった人物が理由もわからず亡くなるということが続きましたが中には生還したものもいました。

その人々の目撃証言によれば頭足類を彷彿とさせる奇妙な姿の生物が現れたということです。

現在、この2階の部屋は閉鎖されているため「名も無きもの」は都市伝説化しているようです。

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