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2025年8月22日金曜日

超巨大カンガルー目撃事件 ~ ダスキー・サウンド・カンガルー


■超巨大カンガルー目撃事件 ~ ダスキー・サウンド・カンガルー (ダスキー・サウンド・ビースト)

巨大カンガルーといえば、日本のUMAファンなら真っ先に西オーストラリア州のパースで起きたデビッド・マッギンリー氏のジャイアント・カンガルー遭遇事件を思い浮かべるでしょう。

しかしこの事件は舞台がオーストラリアであるにも関わらず、海外では、というかオーストラリアですら知られておらず、基本的に日本限定で有名です。

今回は海外で知られている巨大カンガルー遭遇事件を紹介しましょう、ダスキー・サウンド・カンガルー (Dusky Sound Kangaroo) です。

ダスキー・サウンドとはニュージーランド南東のフィヨルドの名称です。

1831年、この地で巨大なカンガルーに似た生物が目撃されました。

ダスキー・サウンドに駐留中の船員たちが小舟で入り江を渡っている途中、崖の上の藪に見たこともない生物がいるのに気付きました。

その奇妙な生物はカンガルーに似ていましたがとてつもない大きさをしていました。

後肢二本で立ち上がって木の枝に生えている葉を食べているように見えましたが、身長は9メートル近くもあったというのです。

船乗りたちは興味津々にその生物を観察していましたが、あまりに近寄り過ぎたため、その「怪物」に気付かれてしまいました。

すると意外なことに怪物は藪の中に消え去るどころか逆に水辺に向かって跳躍し、そのまま水中に飛び込むと軌跡を遺して泳ぎ去ってしまいました。

その跳躍はひと跳びで6メートルもあったといいます。

さあこのUMAはいったい?

まず、地理的にも比較的近く、同じオセアニアといえど、ニュージーランドに (固有の) 有袋類は棲息していません。

野生下で繁殖しているのはたぶん移入種のフクロギツネ (Trichosurus vulpecula) 程度なはずです。

なわけで、ニュージーランドに巨大カンガルーどころかふつうのカンガルーすら棲息していた過去はありません。

そもそも絶滅種を含めても、ニュージーランドの巨大生物はジャイアント・モア (Dinornis maximus) やハースト・イーグル (Hieraaetus moorei) ぐらいしかめぼしいものは存在しません。

但し、最大身長4メートルにも達したといわれるモアは、もしかすると19世紀まで細々と生き残っていた可能性もあるので (UMA的には現在でも)、ジャイアント・モアを巨大カンガルーと誤認した可能性はあるかもしれません。

まあ9メートルはどう転んでも無理ですが。


で、生息地的に無茶を承知で巨大カンガルー説を推すというのであれば、絶滅種のプロコプトドン (Procoptodon) やステヌルス (Sthenurus)、あとはパロルケステス (Palorchestes) も加えておきましょうか。

それぞれの最大種、プロコプトドン・ゴリア (Procoptodon goliah) は最大2メートル超、ステヌルス・スティルリンギ (Sthenurus stirlingi) は最大2.5~3.0メートル、パロルケステス・アザエル (アザール) (Palorchestes azael) は最大2.5メートルもありました。

いずれも現在のカンガルーとはシルエットがあまり似ておらず、パロルケステスに至ってはかつて南北アメリカで繁栄していた地上棲の巨大ナマケモノのような見た目・生態です。

しかしこの中から選ぶとしたら、敢えてパロルケステス・アザールを推してみましょうか。

鈍重そうで船員たちが見たようなカンガルー・ジャンプはとてもできそうにもありませんが、二足立ちして高い木の枝の歯を食べている姿なんかパロルケステスが一番しっくりきそうですからね。

ただまぁニュージーランドに有袋類、しかも大きさはモンスター級、、、ネタのソースもほとんど見つからず、情報は極めて閉鎖的、、、デビッド・マッギンリー氏のジャイアント・カンガルー遭遇事件と傾向がちょっとばかり似ています。


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2025年8月21日木曜日

実在する!?ホーンテッドハウス ~ モンローのカオナシ族の館


■実在する!?ホーンテッドハウス ~ モンローの顔なし族の館

今回はモンローのカオナシ族/モンローのフェイスレス・ピープル (Faceless People of Monroe)。

ややゴーストよりの都市伝説で、舞台はアメリカ、コネチカット州フェアフィールド郡にある町、モンローの辺鄙な場所です。

場所は特定されておらず、いくつかのバージョンが存在します。

モンローのとある場所には2階建ての古びた館がぽつんと立っており、塀などに囲まれているわけではないものの、外部からの侵入を完全に遮断するかのよう、まるで要塞のように屈強なつくりをした建造物だといわれています。

そこには高齢の男性が多くの子供たちと共同生活を送っているといわれています。

しかし夜になっても電気がつくことはなく、一見すると見捨てられた廃墟のようだといいます。

それでもここに人が住んでいることは確かで、ごくまれに家の内部から外へうっすらと光が漏れ出ていることがあります。


ここに住む子供たちは一般の人間の子供たちとなんら変わりありません、ただ一つの点を除いて。

彼らには目や鼻、耳といった器官のないカオナシ (フェイスレス) で、小さな薄い口を持つのみ。

不気味な印象ですが彼らは決して危険な存在ではなく、高齢男性の管理人のもと、ひっそりと暮らしているといい、この「ただひっそりと暮らす」というのが彼らの唯一の望みです。

なのでこの家に近付く者に対して、管理人はその者たちに対し警告を発することだけはあるようです。

管理人は子供たちに新鮮な空気を吸わせるため夜間に子供たちと「外出」することがあります。

彼らは決して危険ではありませんが、人々と接することを拒絶しているため、基本的に「外出」中に人々が近くに来ると子供たちは自ら逃げていくといい、万一、ばったり遭遇しても危害を加えられることはありません。

子供たちの運命は全て高齢男性の管理人に委ねられており、年齢的なことから今後が危惧されています。

この高齢の男性は初代なのかそれとも引き継いだ人物であるのか、また、今後自分が退く際に引き継ぐ人物をを探す予定があるのか、すべてが謎です。

と、こんな感じ、いかがだったでしょう?

いかにもクラシックな雰囲気を持つ都市伝説ですが、この都市伝説は本当に古くからあるものなのか、それともクラシック風にアレンジされ現代になってから創作されたものなのか、それともある程度の真実性を含んでいるものなのか、なにもわかっていません。

当然、その建物の詳細な場所も分からないのですから、その「館」といわれる写真もおそらくすべて偽物 (のはず) です。

ただまぁ、「あの森の中にはフェイルレス・ピープルの館があるらしいよ」なんて噂が立つのもまた都市伝説的らしく面白いです。




2025年8月20日水曜日

高知県芸西村の怪物 ~ ゲイセイ・ビースト (芸西の野獣)


■高知県芸西村の怪物 ~ ゲイセイ・ビースト (芸西の野獣)

今回はゲイセイ・ビースト (芸西の野獣 / 芸西村の野獣)。

2021年、高知県芸西村 (げいせいむら) に現れた謎の生物です。

芸西村は海に面した人口3600人ほどの村です。

目撃したのはこの村で看護師をする岡村由希乃さん、2021年の秋に初めて目撃した後、冬を経て4月になって2度も遭遇、スマホで撮影に成功しました。

(実際の写真)
(image credit: 岡村由希乃さん via 高知新聞PLUS)

岡村さんはこの動物を「犬か猫にしてはガリガリ」と表現していました。

高知新聞PLUSのスタッフの「イノシシの子?」「顔はハイエナっぽい」といったコメントがあるように、毛はまばらながら首の後ろに鬣 (たてがみ) のように毛が残っているのがハイエナっぽく見えないこともありません。

ハイエナであればUMAでいうテレポートアニマルということになりますが、まぁそこまで似ているわけではありません。(テレポートアニマル = その国・地域に本来棲息していないはずの生物)

ほとんど毛が無くグレーの肌が露出しているために奇妙な姿に見えますが、UMAファンならやはりピンとくるでしょう。

チュパカブラ (アメリカ版) と同様で、野生動物が疥癬 (かいせん) に罹ったときの姿であり、アメリカであればその正体はコヨーテやキツネ、アメリカオオカミが多いですが、日本であればタヌキや外来種のアライグマ、アナグマ、ハクビシン、キツネ、野犬等がその正体の筆頭候補です。

結論から言うと、わんぱーくこうちアニマルランドの吉沢未来園長はこの写真を見て「タヌキ」と断定しています。

以前に紹介した「サヨ・ビースト (佐用の野獣)」と同じですね。

(参照サイト)

(関連記事)

2025年8月19日火曜日

1969年に起きた巨大吸血コウモリ殺人事件 ~フフイのジャイアント・バット


■1969年に起きた巨大吸血コウモリ殺人事件 ~フフイのジャイアント・バット

1969年1月6日、メキシコの新聞が伝えたところによると、アルゼンチン最北のフフイ州 (Jujuy) にある山岳地帯、ウマワカ峡谷 (La Quebrada de Humahuca) で巨大な吸血コウモリが出没しており、近隣の住民たちがパニックに陥っているといいます。

体重は5~6キロもあるといい、これはコウモリに当てはめるととてつもない重さになります。

こちらのフフイ州のオオコウモリと関係があるのか分かりませんが、同紙はメキシコ本国でも巨大コウモリの襲撃があり、就寝中の男女二人が殺害されたと報道しています。

さてさて、、、

現世最重量のコウモリはおそらくインドオオコウモリ (Pteropus medius) で1.6キロ程度、翼開長は1.5~1.8メートルほどと、世界最大の翼開長を持つオオコウモリのひとつです。

フィリピンオオコウモリ (Acerodon jubatus) も最大クラスの個体であれば同等の重さ、インドオオコウモリ以上の翼開長も期待できます。

で、真面目に考えることでもないかもしれませんが、鳥とは体の構造も翼の構造も違いすぎ、あのコウモリの華奢な体で体重5~6キロを飛翔させるにはとてつもなく大きな筋肉と大きな翼が必要になります。

現生で知られる吸血コウモリはみな小柄で、しかもナミチスイコウモリ (Desmodus rotundus)、ケアシチスイコウモリ (Diphylla ecaudata)、シロチスイコウモリ (Diaemus youngi) の僅か3種しか存在しません。

んで、現生の吸血コウモリの最大種はナミチスイコウモリで、体長僅か8~9センチ、翼開長が最大18センチ、頑張って20センチといったところでしょうか。

(チスイコウモリモドキ)
(image credit by Wikicommons)

ちなみに、中南米にはオオコウモリ類は棲息していおらず、その代わりといっては何ですが、チスイコウモリモドキ (Vampyrum spectrum)、という、名前に「チスイ」とつきつつ血を吸わず、「オオコウモリ」とつかぬも翼開長1メートルを超す、オオコウモリっぽいオオコウモリ (の仲間) じゃないちょっと珍しいコウモリは棲息しています。

とういわけで、フフイの巨大吸血コウモリは昔のただのフェイクニュース、終わり、終わり、となりそうですが、、、

UMAの正体とえいば絶滅種の生き残りが定番です。

絶滅種には現生で考えられないようなデカいのもたくさんいますし、吸血コウモリの絶滅種にだって期待をかけていいのでは?

が、吸血コウモリに限っては (現時点では) やや厳しそうではあります。

というのも、絶滅種デスモダス・ドラキュラエ (Desmodus draculae) が知られている史上最大種の吸血コウモリの仲間ですが、翼開長は50センチほどだからです。

オオコウモリ類の小型種よりも翼開長がありますが、インドオオコウモリやフィリピンオオコウモリ、ビズマークオオコウモリ (Pteropus neohibernicus)、ライルオオコウモリ (Pteropus lylei) 等々、オオコウモリの中の大型種には足元にも及びません。

但し、そうはいっても吸血コウモリの仲間、翼開長50センチもある吸血コウモリが人間に向かって来ようものなら大騒ぎになるのは間違いありません。

で、実際のところデスモダス・ドラキュラエの絶滅はわりと最近という説もあり、それが本当であれば生存説もまんざらでもありませんよ!(チスイコウモリモドキの誤認が可能性としては最も高いですが)