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2025年5月2日金曜日

第二次大戦中の日本兵も遭遇した獣人 ~ ブキッ・ティマ・モンキー・マン


■第二次大戦中の日本兵も遭遇した獣人 ~ ブキッ・ティマ・モンキー・マン

山のないシンガポールで最も標高が高いのがブキッ・ティマ (Bukit Timah) と呼ばれる丘陵で僅か163メートルしかありません。

今回はこのブキッ・ティマで目撃される獣人、ブキッ・ティマ・モンキー・マン (Bukit Timah Monkey Man) を紹介します。

ブキッ・ティマ・モンキー・マンはその長い名前のため英語圏では通常頭文字を取ってBTM、もしくはBTMMと呼ばれます。

BTMMの歴史は古く19世紀初頭から目撃が続きます。

ビッグフット (Bigfoot) やイエティ (Yeit) らの巨大な獣人系UMAと異なり、BTMMは一般的に小柄な獣人と考えら、身長は1メートル程度、地理的にも近いインドネシアのスマトラ島で目撃されるオラン・ペンデク (Orang Pendek) と似た存在といえます。

しかし第二次世界大戦の最中、シンガポールに駐留していた日本兵が目撃したBTMMは2メートルもあったといいます。

彼らが見たBTMMは灰色の毛で覆われ、直立二足歩行をしていました。

さてBTMMを考えてみましょう。

実はかなり厄介です。

シンガポールはとても国土の狭い国です。

そもそもシンガポールの国土 (720平方キロメートル) は東京23区の面積 (627平方キロメートル) と大差なく、その国土の狭さと開発が行き届いた環境によってUMAが報告されることは滅多にありません。

しかもブキッ・ティマの面積は僅か16平方キロメートルしかなく、この非常に限られた範囲内でBTMMが目撃されるというのはさらなる困難な条件といえます。

もっと言えばマレーシアと国境を接する北部での目撃であればまだしも、ブキッ・ティマはシンガポールのほぼど真ん中に位置し、その周りも都市で埋め尽くされているというUMAにとってはとんでもない悪環境、それこそそこに未確認動物が棲息していたとしたら「目に触れないはずがない」場所なんですね。

ちなみにニホンザルの行動エリアは数十平方キロメートルといわれブキッ・ティマ程度ではとてもとても狭すぎます。

もっともあり得そうな生物はカニクイザル (Macaca fascicularis) で、ブキッ・ティマ周辺で実際に出没することがあるためBTMMの正体として有力な候補に挙がっています。

ではBTMMが未知の霊長類とした場合、この狭いエリアで人間の目にほとんど触れないで存在することができるのでしょうか?

これはほとんど不可能に近いと思われます。

敢えて強引に言えば、生息範囲がブキッ・ティマで十分収まる極端に不活発 (半地中棲だと尚良し) なナマケモノのような霊長類 (の新種) といったところでしょうか。



2025年5月1日木曜日

獣人なのか大型イヌ科動物なのか? ~ ビーマン・モンスター


■獣人なのか大型イヌ科動物なのか? ~ ビーマン・モンスター

「10歳のころ、叔父のピックアップトラップに乗っていた時、森から巨大なオオカミのような生物が突如現れると、車の前を横切ったんです。

その生物は、あまり動物的ではありませんでした」

これはミズーリ州セデーリア出身のデーモン・スミス (Daemon Smith) 氏のコメントです。

今回はスミス氏が語る謎の生物、ビーマン・モンスター (Beaman Monster) です。

アメリカ、ミズーリ州ペティス郡のビーマンに20世紀初頭から伝わる謎の野獣です。

ビッグフット的な巨大な獣人ともいわれることもあれば、スミス氏のように巨大なイヌ科 (オオカミやコヨーテ) 動物に似ているともいわれ、また両者のハイブリッド、つまりイヌ科に似た獣人、というものまであり、その姿ははっきりしていません。

要するに、ビーマンに伝わる陸棲の謎の巨獣であり、総称といえるかもしれません。

ですが、一般的には「ビーマン・モンスター = 獣人」とみなされる傾向が高いようです。

もしかすると獣人系ながら、腕をついて四つ足で歩いている姿が巨大なイヌ科動物を彷彿とさせるのかもしれません。

伝説の始まりは1904年に起きたミズーリ州カンザスシティで起きた列車事故に遡るといいます。

この列車にはサーカス団とその動物たちが乗っており、この事故により動物たちが乗っていた檻が壊れ脱走、その中にはゴリラが混じっていたというのです。

その逃げ出したゴリラこそがビーマン・モンスターといわれており、しかも複数逃げ出したゴリラたちは野生下での繁殖に成功、その子孫が目撃され続けているとのセオリーがあります。

まず、この列車事故自体が事実なのか確認できません。

但し、ビーマン・モンスターの存在が本当かどうかは別問題として考えると、こういった事故から都市伝説が生まれることはあるため、サーカス団の乗った列車の事故が本当にあったのかもしれません。

ゴリラではありませんが、オーストラリアで目撃されるUMA、ブラック・パンサーを代表とする大型ネコ科動物たちも、元はサーカス団の所有する動物たちが逃げ出したものだといわれ、その祖先が生き残っているかは分かりませんが、逃げ出したこと自体は事実だともいわれています。

というわけで、仮にビーマン・モンスターの伝説を生んだ列車事故が事実だとしましょう。

問題はこの後で、ゴリラが棲息するにはミズーリ州はあまりに冬が寒すぎます。

冬場は氷点下を下回る日も多く、仮に春~秋を凌げたとしても熱帯雨林に暮らすゴリラがミズーリ州の気候に短期間で適応するのは難しそうです。

ビーマン・モンスターは霊長類的に二足歩行し、巨大なイヌ科動物にも例えられ、さらに両者のハイブリッド的ともいわれます。

このことから月並みながら、やはりその正体はアメリカグマ (Ursus americanus) である可能性が高そうです。

見た目が「動物的ではなかった」という発言をどう捉えるかは難しいですが、「既知の動物には見えなかった」という風に考えると、疥癬に罹ったアメリカグマだったかもしれませんね。

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2025年4月30日水曜日

ICCGが発見!マックロス湖の怪物 ~ マッキー


■マックロス湖の怪物 ~ マッキー

アイルランドは無数といっていいほどの湖があり、国土は北海道よりも小さいながら12,000以上の湖があります (正確な数は把握されていません)

当然 (?)、レイク・モンスターも数多く報告されていますが、なにせ湖が密集した地域 (特にコネマラとか) ではそれぞれの湖が河川で繋がっており、同じUMAがいろんなところで別な名前で呼ばれている疑惑のものもあり、なかなか整理が大変です。

というわけで面倒くさくて (失礼!)、はっきりしたものをいくつかしか紹介していませんでしたが、有名どころは今後どんどん紹介していくことにします。

今回はマックロス湖の怪物 (Muckross Lake) ことマッキー (Muckie)。

マッキーはアイルランドのキラーニー湖 (Lakes of Killarney) で目撃される謎の生物として知られており、えっ?マックロス湖じゃないの?とういう疑問が湧くかもしれません。

これはどちらも正しいんですね、訳が分からないでしょう。

というのも、キラーニー湖というのはマックロス湖リーン湖 (Lough Leane)、アッパー湖 (Upper Lake) の3つの湖で構成されており、キラーニー湖の怪物でもマックロス湖の怪物でも呼び方が違うだけで、マックロス湖の怪物と呼んだ方がより詳細な表現というだけだからです。

ちなみにリーン湖はキラーニー湖の中で一番大きく (アイルランドで12番目)、UMAとしてはリーン・モンスター (Leane monster) の目撃で有名ですね。


さてマッキーを見ていきましょう。

マックロス湖はリーン湖とは小さな半島と、アッパー湖とは水路で隔てられており、その間に位置しているため「真ん中の湖」を意味する「ミドル湖 (Middle Lake)」とも呼ばれます。

12,000以上あるアイルランドの湖の中で最も深いことで知られ、最大水深は75メートルです。(アイルランドの湖は比較的浅いものが多い)

まあ深いからといって巨大生物が棲息する可能性が高まるわけではありませんが、浅くて底部がすぐに丸見えな湖と比べれれば神秘性や可能性はより増すため、UMAの実在性には決してマイナスには働かないでしょう。

しかし半島で隔たれているとはいえ、お隣のリーン湖にはリーン・モンスターもいますし、こちらだって目撃されてもおかしくありません。

というわけで、この湖に巨大な生物が棲息していないか、水中音響調査、つまりソナー調査が行われました。

しかもネッシーブームも完全に冷めた21世紀に入ってからの、2003年というのが驚きです。

調査したのは未確認動物学者であったり、オカルト系組織ではありません、アイルランドイワナ保護グループ (Irish Char Conservation Group)、通称ICCGによって行われました。

(ホッキョクイワナ)
(image credit: Wikicommons)

もちろん彼らの目的はUMA探しではありません、マックロス湖に棲息するホッキョクイワナ (Salvelinus alpinus) の生態を調査するのが目的でした。

ちなみにホッキョクイワナは面白い魚で、陸封された状態でドワーフとジャイアントの二形が存在し、ドワーフホッキョクイワナの平均体長は8センチ、一方、ジャイアントホッキョクイワナは平均体長が40センチと5倍の開きがあります。

さてこのホッキョクイワナの調査中、水深10メートルの地点で、小さな魚の群れではない大きな1つ個体が識別されたといいます。

残念なことにキャッチしたのは信号のみでありソナー画像自体は存在しないということですが、その後、ソナー機器を調査しても異常が見られなかったこと、ログ記録を解析してもバグ等のエラーでの表示ではなかったことが確認されており、彼らは巨大な生物が棲息していることを期待込みで確信しています。

但し、判別不能の逆光写真やソナーの解析図等でもいいので、なにかしらあれば良かったのですが、あくまでソナー信号のみで確認、また、UMA研究家ではない真面目なICCGのメンバーですからそれほど大々的にメディアに喧伝したわけでもないため現在では忘れ去られた存在となっています。

マッキーの正体はもちろん分かっていませんが、飛び抜けて大きく育った既知種 (マックロス湖には他にアトランティックサーモン等が棲息しています)、もしくは未知の巨大な魚類かもしれず、UMAファンに突如朗報が入るかもしれませんね~


2025年4月29日火曜日

写真にも撮られた!水棲のステゴサウルスか? ~ スラヒーンズ湖の怪物


■水棲のステゴサウルスか? ~ スラヒーンズ湖の怪物 (グレンダリー湖の怪物)

少し前に「スラヒーンズ湖の怪物」を「アキル島のコエロフィシス」と分離したので、紹介していない方のUMAを今回は取り上げます。

日本のUMA本では「スラヒーンズ湖の怪物 = コエロフィシス」といった感じで、もちろん間違いでもなんでもないのですが、スラヒーンズ湖のあるアキル島では全く異なる容姿をしていながら同一UMAと扱われていたため、分けて考えた方が合理的かと個人的には思い別々に紹介します。

なお、旧サイトでスラヒーンズ湖 (Sraheens Lough) とグレンダリー湖 (Glendarry Lough) を別名として呼んでいましたが、同じ湖を指すようです。

ですのでスラヒーンズ湖の怪物 = グレンダリー湖の怪物となります。

さて本題に入りましょう。

既に紹介済みのアキル島のコエロフィシスはその名の通り、恐竜、とくに小型獣脚類であるコエロフィシス (Coelophysis) に似ているのが特徴です。

このコエロフィシスに容姿が似ている、というのは目撃者のスケッチを見たスウェーデン博物館のカール・プレイェル (Carl Pleijel) 博士のお墨付きです。

さて、今回紹介するアキル島で目撃されるもうひとつのUMA、スラヒーンズ湖の怪物 (Lough Sraheens Monster) もまた恐竜に似ているといいます。

こちらはより水棲の傾向が強く、陸に上がった姿も目撃されていますが獣脚類とは程遠く、アンキロサウルス (Ankylosaurus) のような曲竜類、ステゴサウルス (Stegosaurus) のような剣竜類、はたまたディプロドクス (Diplodocus) のような竜脚類、等々、よりずっしりしたタイプのUMAです。

この生物は匿名の男性によりポラロイドカメラで撮影されています。

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「スラヒーンズ湖沿いの幹線道路を走っていた時のことです。

10マイル (約16キロメートル) 離れたマルラニー近郊で、マリンガー出身の二人の若い女性を乗せました。

湖岸沿いに車を走らせているとひとりの女性が『岸から100ヤード (約90メートル) 先に巨大な怪物がいる!』と叫びました。

彼女たちは私を制止しましたが、私はその忠告を従わず湖岸に車を停めると、車を降りてその生物の写真を撮ることに決めました。

怪物の体長はおよそ40フィート (約12メートル)、頭部はグレイハウンドに似ており、長い尾を持っていました。

ホテルに着き、私はホテルの従業員や滞在客たちに先ほどの目撃について話し、さらにポラロイドカメラで撮影した写真を見せると、皆その写真にとても興味津々であったことから、アキル島の住民たちが長年追い求めていた生物の決定的な証拠を私が偶然手に入れたのだと確信しました」

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(正直何が写っているのやら、、、)
(original image credit: Mystery Animals of Ireland)

と、決定的な写真を撮ったはずですが、当時のインスタントカメラの能力でほぼ真っ暗な湖の上を撮影してもその結果はたかが知れています。

何も写っていないように見えますが、詳細な画像分析を行えば、ギリギリ、ステゴサウルス的なシルエットが出てくるらしいです、、、

まあ写真はほぼ当てにならないため、彼らの証言を信じるしかありません。

もうひとつの目撃事件があります。

深夜まで続いたパーティーの帰り道、バーニー・スウィーニー (Bernie Sweeny) なる女性がスラヒーンズ湖を泳ぐ巨大な生物を目撃しました。

当時、友人のメアリー・キャラハン (Mary Callaghan) さんと車の運転手もその場にいましたが、スウィーニーさんの突如取り乱しに、二人は彼女を落ち着かせることに気を取られていたため怪物を目撃することはできませんでした。

しかし、スウィーニーさんが湖の方を指さしていたことに運転手は気付き湖に目を向けると大きな波紋があったのは確認できたといいます。

ただこれにはもうひとつのバージョンが存在し、キャラハンさんも怪物を目撃したというものがあり、更にキャラハンさんの証言なるものもあります。

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「まるでそれは恐竜のようでした。

ゆっくりと歩いていて、体長は20フィート (約6メートル) ぐらいだったと思います」

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初期のバージョンでは目撃者ですらなかったキャラハンさんが、後年のニュースでキャラハンさんがメインの目撃者になっており、かつ証言までしているという変貌から記事自体の信憑性がちょっと低いかもしれません。

取り敢えず、アキル島のスラヒーンズ湖には恐竜に似たUMAが棲息している、とUMAファンなら覚えておきましょうね。

(参照サイト)


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