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2025年12月15日月曜日

脳喰いアメーバが水道水から検出 ~ フォーラーネグレリア


■致死率97%、脳食いアメーバが水道水から検出される ~ フォーラーネグレリア

さて今回は殺人アメーバ、フォーラーネグレリアのニュースから。

(フォーラーネグレリアについては「生きた人間の脳を喰いつくす、殺人アメーバ ~ ネグレリア・フォーレリ」の記事をお読みください)

水道水から発見されて「殺人アメーバ」がまさに身近なところにいることで話題になっていますが、以前にも水道水から発見されたことがあり、今回が初めてではありません。

「脳喰いアメーバ」というフレーズが、これまたクラシックなB級ムービーを彷彿させる響きを持っており、毎年のように感染者が出るとニュースになります。

滅多なことで感染はしませんが、感染すると狂犬病並みに助からず、致死率はなんと97%――

まさに「感染 = 死」であり、実際おそろしいアメーバです。

― フォーラーネグレリアとは? ―


フォーラーネグレリアことネグレリア・フォーレリ (Naegleria fowleri) は単細胞のアメーバの仲間で、簡単にいってしまえば人間の脳を食い荒らすアメーバです。

感染した場合の増殖スピードが凄まじく、原発性アメーバ性髄膜脳炎を引き起こし感染者を死に至らしめます。

流れのない25度以上の温水を好み、温水プールはもちろん、夏場の川の淀み、温泉等が主な感染場所となります。

死者が出るとその都度ニュースになるほど滅多なことで感染することはなく、日本では現在までで感染・死者は一例しかありません。

そんな特に心配するようなこともない、といいましたが、それが水道水に紛れ込むと聞いたら――

― 水道水に潜むホラームービー ―


実はここ数年、フォーラーネグレリアは海外でたびたび報道されており、その多くが意外にも水道水絡みの事例です。

単なる川やプールでの感染例ではなく、まさに「日常生活に潜む見えない脅威」としてニュースになっているのが特徴です。

たとえば2023年のフロリダ州。

州内の水道システムからフォーラーネグレリアが検出されたことで、市全域に対して「水を鼻に入れないように」という異例の警告が発令されました。

市民にとっては、普段何気なく使っていた水道水が「怪物の住処」に変わった瞬間だったかもしれません。

同じ2023年、アーカンソー州でも鼻うがいの直後に感染が確認され、悲しい死亡例が報告されました。

これを受け、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は「水道水は飲む分には安全だが、絶対に鼻には入れないこと」と注意喚起を再度発信しています。

この警告文からも、いかに鼻からの侵入が危険であるかがわかります。

2024年のテキサス州、そして2025年のミズーリ州でも同様のケースが続きました。

特にミズーリ州では「比較的冷涼な地域でも発生した」という点が衝撃的で、専門家は「温暖化の影響で感染地域が北上している可能性」を指摘しています。

このことから、フォーラーネグレリアは単なる南国の問題ではなく、私たちの生活圏にも潜在的なリスクがあることを示しています。

まさに、家の蛇口に潜む「顕微鏡サイズのホラー」。

とはいえ、注意すべきはあくまで――鼻から侵入した場合だけです。

正しく使えば、日常生活で水道水を飲むこと自体は安全なのです。

― ネグレリアが人間の「鼻」に執着するワケ ―

フォーラーネグレリアが「鼻」に執着する理由は簡単です。

彼らは、胃酸には弱く、口から入った場合はたちまち死んでしまうからです。

ではなぜ鼻なのか?それは、鼻の奥に脳へと続く「唯一の抜け道」が存在するからです。

その抜け道を突破されると、あっという間に脳組織で増殖し、人間にとって致命的な原発性アメーバ性髄膜脳炎を引き起こすのです。

これが、致死率がほぼ100%に近い理由です。

恐ろしいことに、症状が現れた時点では手遅れという場合がほとんどで、まさに「見えない攻撃者」の恐怖を体現しています。

― 過剰に恐れないこと ―


日本での感染例はこれまで一例のみ。

水道水から感染した報告もなく、安全性は確保されています。

とはいえ、今後どうなるかは誰にも分かりません。

温水プール、川の淀み、温泉、フォーラーネグレリアが好む条件は日本にも数多く存在するからです。

気を付けるポイントは非常にシンプルです。

・川遊びや温水プールで鼻に水を入れない
・鼻うがいには必ず滅菌水または煮沸して冷ました水を使う
・温水が長時間溜まった場所での遊泳を避ける

こうして見ると、ホラー映画のタイトルに負けないほど恐ろしい敵でありながら、意外にも弱点は明確。

「恐ろしい敵が思わぬ弱点を持っている」という点は、まさにB級ホラー映画の定番パターンのようで、恐ろしさと滑稽さを併せ持っています。

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2025年12月14日日曜日

極寒の地で凍死したワニ ~ ジェーンズビルにテレポートしたワニ


■極寒の地で凍死したワニ ~ ジェーンズビルにテレポートしたワニ

今回は19世紀末に起きた奇妙なワニ凍死事件を紹介しましょう。

旧サイトでも「ジェーンズビルで凍死したワニ」で紹介していたものです。

まずはジェーンズビル (Janesville)。

ジェーンズビルはアメリカ合衆国最北端に近いウィスコンシン州にある都市です。

ウィスコンシン州は五大湖のスペリオル湖とミシガン湖に接しており、五大湖はミシガン湖を除いてそのすべてがアメリカとカナダの両方に接していることからも、地理的にかなり北方にあることが分かっていただけるでしょう。

で、もちろん大きな州なので地域差はありますが、11月~3月ぐらいまでの冬場の気温は厳しく、平均気温で10度以下どころか、特に12~2月にかけては最高気温の平均気温がマイナスですらあります。

ま、冬場が寒いことは分かっていただけたでしょう。

で、こんな厳しい冬があるウィスコンシン州で、1892年2月27日、体長5フィート半 (約1.7メートル) のアリゲーターが凍死しているのを発見されました。

これはシカゴ・シチズン紙に掲載されたニュースで、あまり詳しい情報は分かりませんが、ロック川 (Rock River) の川岸で発見されたとのことです。

バカでかくはないですが、そこそこの大きさをしてますね。

(アメリカアリゲーター)
(image credit: Wikicommons)

アメリカにはワニが2種類棲息しています、クロコダイル科のアメリカワニ (Crocodylus acutus) とアメリカアリゲーター (Alligator mississippiensis) です。

新聞ではアリゲーターと記載されているので、一応それを信じれば後者ということになるでしょう。

いずれにしてもフロリダ州とかかなり南部にしか生息していません (できません)。

超常現象研究家の先駆者にして重鎮、チャールズ・フォート氏はこのワニの死について「テレポート説」を唱えています。

和製UMA用語の「テレポート・アニマル」的な扱いですね。

自力で北上するとは考えられませんし、個人でペットとして飼っていたものが脱走、というのはテレポート・アニマルの定説ですが、時代的に考えてウィスコンシン州でワニを個人で飼っていたとは考えにくいです。

2月に凍死した姿で発見されていますが、11~12月で既に活動不可の気温に下がっている地域のため、死亡したのは発見されるよりもずっと前で、単に発見されたのが2月と考えていいでしょう。

(彷徨い歩いたとしたら不憫)

なので、何かのアクシデントで夏場にフロリダからの長距離輸送トラックの積み荷に紛れ込みウィスコンシン州まで運ばれ下車、その後、ロック川で生活していたものの冬を迎えて凍死した、、、とか、生物自体はパラノーマルな存在ではありませんから奇跡的に運ばれてしまった可能性はあるかもしれません。

彷徨った挙句に信じられない寒さに直面し凍死したとしたら不憫ですね。

今でこそ輸送手段の発達で生息地以外の動物が気軽に観られる時代になりましたが、1892年という時代背景を考えるとなかなか奇妙な事件です。

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2025年12月13日土曜日

フィンガー・レイクスのもう一つのUMA ~ セネカ・レイク・モンスター


■フィンガー・レイクスのもう一つのUMA ~ セネカ・レイク・モンスター

今回はセネカ・レイク・モンスター (Seneca Lake Monster)。

セネカ・レイク (Seneca Lake) とは、フィンガーレイクス (Finger Lakes) と呼ばれる、アメリカ、ニューヨーク州北西部イサカ (Ithaca) ににある湖群の中のひとつです。

フィンガーレイクス (「指のような湖群」) はその名の通り、人間の指のように細長い形状の湖が何本も並んでいます。

セネカ・レイクはその中で最も大きな湖で、最大長は61キロメートル、最大幅5キロメートル、平均水深89メートル、最大水深188メートルもあります。

琵琶湖は最大長約64キロメートル、最大幅約23キロメートルと最大長こそ同じぐらいですが、琵琶湖の方が圧倒的に幅があるため表面積は4倍ほども大きいです。

ちなみに、2番目に大きなカユガ湖 (Cayuga Lake) ではオールド・グリーニーという水棲UMAが目撃されています。

さて今回の主役であるセネカ・レイク・モンスターの一番古い記録はどうもはっきりせず、おそらく19世紀からありそうですが、確実に確認できるものでは20世紀の幕開けを告げる1900年がもっとも古そうです。

19世紀の目撃談は、どうもオールド・グリーニー、つまりカユガ湖の怪物と混同しているように思われます。

目撃情報は割と多く、その姿は魚竜的なものからウミヘビタイプ (レイク・サーペント)、巨大ウナギ、巨大魚、珍しいところでは巨大カミツキガメといったものまであります。

大きさも10~20フィート (約3~6メートル) といった比較的現実的なものから、30~35フィート (約9~10.5メートル) 以上といったものまであります。

1970年代には少年が巨大なウナギのような生物に襲われた、という衝撃的な体験談もあります。

オールド・グリーニーの記事でも書きましたが、カユガ湖でも似たような生物も目撃されることがあり、このセネカ湖とカユガ湖は地下トンネルで繋がっており、怪物が自由に行き来しているのではないか?ともいわれています。

但し、少なくとも現時点でこの両湖が地下で繋がっているというのは科学的には否定されており、その湖固有の怪物と考えた方が無難かつ夢がありそうです。

(ノーザンパイク)
(image credit: Wikicommons)

正体としてはチョウザメを推したいところですが、フィンガーレイクスの他の湖ではチョウザメの生息が確認されているもののセネカ湖には生息が確認されていません。

但し、近隣の水系での生息は確認されていることから迷いチョウザメとしてセネカ湖に入ってきてもそこまで驚くことではなさそうです。

確実に確認されている魚類で大型のものに、ノーザンパイク (Esox lucius)、ラージマウスバス (Micropterus nigricans)、スモールマウスバス (Micropterus dolomieu) がいます。

この中では体型、体長的にも、最大1.5メートルに成長するノーザンパイクが筆頭候補でしょうか。

ちなみに、日本のUMA本、「巨大生物と未確認生物」(並木伸一郎著/2013年) で「セネカ湖の伝承UMAネッキー (Necki)」というのが掲載されていますが、海外ではこの呼び名で呼ばれていないものの同一のUMAではないかと思われます。

同書でネッキーは推定体長7.5メートル、「推測されるウミヘビよりも、太古のクジラ『ゼウグロドン』に近いと思われる」との説明があります。

ゼウグロドン (Zeuglodon) はバシロサウルス (Basilosaurus) のことですね。

(参考文献)
「巨大生物と未確認生物」(並木伸一郎著)

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2025年12月12日金曜日

森林火災を引き起こす、燃える燃えるクマ ~ ガンベルー


■森林火災を引き起こす、燃える燃えるクマ ~ ガンベルー

今回はガンベルー Gumberroo)、フィアサム・クリッター (Fearsome critters) のひとつです。

フィアサム・クリッターは何度も紹介していますが、北米、特に五大湖周辺で19世紀後半~20世紀初めごろにかけて、木こりたちの間で話されたホラ話が広まったもので、いわゆる民間伝承上の生物の総称です。

ある意味、UMAはその特性上、ほとんどが都市伝説ともいえますが、UMAの起源が原則、たとえそれが誤認であれ目撃談から始まっているのに対し、フィアサム・クリッターば起源がホラ話 (創造) であるという点が大きく異なります。

ただフィアサム・クリッターの起源から時間が経つにつれ、UMAとの境界線も曖昧となり、いつしかフィアサム・クリッターも目撃されるようになり、ものにもよりますがフィアサム・クリッターも通常のUMAと区別されないまでになっているものもあります (例えばビッグフット)。

そうはいってもフィアサム・クリッターはクスリと笑ってしまうような荒唐無稽な特性を持つものもが多く、今回紹介するガンベルーもそのままの姿では実在しそうもないUMAです。

さてガンベルーも見ていきましょう。

名前から行くとカンガルー (Kangaroo) に似ていますが、冒頭に書いた通り、ガンベルーはクマに似ており、またその語源も特にカンガルーとは無関係なようです。

ガンベルーは一言で表現すると「毛のない大きなクマ (に似た生物)」です。

特に皮膚が黒いことでアメリカグマ (Ursus americanus) に似ているといわれます。

ただこの皮膚の黒さは実際の皮膚の色ではなく、ガンベルーが焼け焦げた杉の巨木の洞 (うろ) に棲んでいるために、そのような体色に染まっているという見方もあります。

で、毛が無い代わりに、全身が非常に分厚い皮膚で覆われており、その皮膚たるやとてつもなく頑丈でさらに弾力性に富み、ハンターの撃った弾丸をも跳ね返すほどです。

その他、弓矢、投石、すべてに耐性を持ち、木こりたちが使う斧ももちろん無理でしょう。

ガンベルーと承知しながらライフルを撃とうものなら運が悪いとその弾丸は自分に跳ね返り、自らが命を落とすことになりかねないといいます。

つまりは人間が動物の狩りに使う道具はガンベルーの皮膚を貫通させることができないため、「人間に対し無敵」な存在です。

しかしどんな生物も完璧なものはなく、ガンベルーも例外ではありません。

ガンベルーは毛が無いにもかかわらず、とてつもなく可燃性の物質で覆われているか、体に含まれているようです。

つまりは燃えやすい。

彼らの燃えやすい体質は、火を放たれるとその場でめらめらと燃え上がるのではなく、内部爆発のようなことが起きるようです。

必ずしも人間によって引火されて命を落とすわけではなく、何かしらの拍子で彼らは引火し、人知れず銛で爆発してしまうといい、ガンベルーそのものは見ていないが、ガンベルーの爆発音を聞いた、なんて証言もあります。

ガンベルーを撮影したところ、カメラが爆発した、なんていかにもフィアサム・クリッターらしい意味不明の逸話もあります。

で、なんでこんな生物が創造されたのか?

毎年世界各地、日本も例外ではありませんが、人為的な放火に限らず、山火事は頻繁に起こるものです。

ガンベルーはその発生不明の謎の山火事を説明するために創造されたのではないか、といわれています。

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2025年12月11日木曜日

長野県の伝承、野に潜む光の蟲 ~ ノモリムシ


■長野県の伝承、野に潜む光の蟲 ― 野守虫 (ノモリムシ)

今回はノモリムシ (野守虫)。

山野を歩く人のあいだで、昔から「夜の草むらで光が寄り添うように動く」という妙な目撃談が語り継がれています。

古い民間伝承では、これをノモリムシ (野守虫) と呼んでいました。

一般には妖怪として語られていますが、その背後に「実在の何か」があった可能性も否定できません。

― ノモリムシの光る夜 ―


一説に、長野県長野市に伝わる、妖怪としてのノモリムシは6本の脚、6本の指をもつ、体長が3メートルほどの太い蛇のような姿をしているといわれます。

しかし、あくまで民間伝承に基づくもので、ノモリムシの姿は一様ではありません。

一方で、夜になると淡く発光する小型生物だとする伝承も存在します。

巨大な妖怪像は伝承の脚色とみるべきでしょうが、「光る小獣」の方なら、実在の生物現象とも接点が見えてきます。

― 光とともに動く不可解な影 ―



ノモリムシに関する最古級の記録には「宵闇の草間をほの白く照らしながら何かが走る」と書かれています。

光源そのものが移動しているように見えることから、狐火や鬼火と混同されてきたといいます。

興味深いのは、その光の中心に「小型の生物らしき影があった」とする証言が複数残っていることです。

山村に伝わる一つの話では、「子犬ほどの何かが、青白い燐光をまとって草地を横切った」と語られています。

目撃した老人は「虫のようにも、獣のようにも見えた」と証言しています。

このように、ノモリムシの伝承は単なる妖怪話に留まらず、光を発する未知の生物としてUMA的に描かれる余地があるのです。

夜の森を歩くとき、もし淡い光が草間をかすめるように動くのを目にしたなら、それはノモリムシか、それともまだ知られざるUMAの気配かもしれません。

― 実在生物がモデルだった可能性 ―


伝承が実在の生物に基づくケースは少なくありませんが、ノモリムシの場合もいくつか興味深い候補が挙げられます。

まず、生物発光を行う節足動物の存在です。

生物発光する昆虫、例えばホタルとか、あるいは粘菌や菌類の一部は、夜の山中で光を放つことがあります。

ただしこの場合、「子犬ほどの大きさ」とは大きく矛盾します。

しかし――

ここで注目したいのは粘菌でしょうか。

2024年、鳥取県大山町で、粘菌が発光しているのが確認されたのは記憶に新しいところです。

近年では、発光性の菌糸が動物の体に付着し、生き物が光って見える例も報告されているとか――

もちろん、確実な観察記録はありませんが「なるほど」とも思えます。

たとえばアナグマやタヌキといった「子犬ほどの野生動物」が朽木に付着した発光菌糸や粘菌を体にこすりつけ、そのまま夜道を歩けば、淡い緑色の光をまとったように見えるに違いありません。

もし伝承に出てくるノモリムシが、こういった現象を見た人々の記憶だったとしたら、「光とともに走る何か」という証言と矛盾しません。

― 野に潜む未確認小獣の可能性 ―


それでも、自然現象だけでは説明しきれない証言が残っているのもまた事実。

光の中心に見えたという「虫のような影」「毛のない黒いもの」「四足で走るが異様に細い胴体」等々、その姿の描写はばらばらです。

ですが夜行性の小型獣が発光菌を身に纏い草むらを走り抜けたとすれば、光の筋とともに不可解な影が動くように見える可能性があります。

ノモリムシは「妖怪」として物語に吸収されてしまったため、未確認動物として深く検証されることは今までなかったのでしょう。

しかし、断片的な証言を積み上げていくと、そこには「発光する生物発光現象」と「小型獣」が偶然重なって生まれた、新たな未確認生物像が浮かび上がってきます。

そんな奇跡のコラボから誕生した生物、それこそがノモリムシの正体なのかもしれません──

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2025年12月10日水曜日

サナギは叫ぶ「私を殺してくれ!」と


■サナギは叫ぶ「私を殺してくれ!」と

ヘンタイ――いや、変態。

この言葉には、どこか整った美しさがあります。

幼虫は眠るようにサナギへ移行し、やがて成虫となって飛び立つ。

しかし、その外殻の内側で進んでいるのは、想像以上に暴力的で、静かに狂気を孕んだ「構造の崩壊」

そして、この世界にはさらにもうひとつ、私たちがほとんど知らない「サナギの死の選択」があるというのです。

その主役は、ケアリ族の一種、ラシウス・ネグレクトゥス (Lasius neglectus)。

ヨーロッパを中心に都市部へと急速に広がり、人家の地下や公園、舗装の割れ目などに大規模コロニーを形成する「都市密着型のアリ」です。

働きアリ同士の協力密度が極端に高く、強力な社会システムを築くことで知られています。

このアリたちは、致死的なカビに感染したサナギを「自分から死にに来させる」という奇妙な仕組みを進化させていました。

― 身体が溶ける ―


サナギ化はまず徹底した破壊から始まります。

幼虫の筋肉も外骨格も一度バラバラに分解され、細胞スープのような状態に変わります。

神経系は揺らぎ、幼虫期の記憶の断片が残る例もあり、意識の「名残」を抱えたまま崩壊していくようなプロセス――それが蛹化 (ようか)なのです。

外側は静止して見えても、内部は死と再生の境界で震え続けています。

― 声なき悲鳴 ―


外敵に触れられたサナギは、甲高い“キイィッ”という音を発します。

筋肉を震わせて外殻を共鳴させるその声は、人間には悲鳴のように聞こえます。

この時期の彼らは極度に無防備であり、ちょっとした刺激で成虫になれなくなる。

だからこそ、あの音は最後の抗議のように響く。

「やめてくれ」

「まだ終わりたくない」

あるいはその逆の意味すら含むように、緊張した音色が外殻の内側から漏れます。

― 感染したサナギは、自ら“死を知らせる” ―


ここからがラシウス・ネグレクトゥスの特異性です。

このアリのコロニーでは、致死性の真菌、メタジウム菌 (Metarhizium brunneum) に感染したサナギが、自分の化学信号をわざと強め、仲間に『私を殺してくれ!』と伝えるのです。

サナギは、外殻に含まれる炭化水素(CHC)を変化させ、普段はほとんど目立たない特定の化学ピークを強調します。

これは偶然に発生した変化ではありません。

病原体が勝手に出す匂いでもありません。

サナギ自身が、仲間に気づいてもらうように意図的に「発信している」のです。

そしてそのメッセージを受け取った働きアリたちは、サナギを繭から引きずり出し、噛み、消毒し、完全に処理します。

群れに感染が広がる前に「病原菌の元を絶つ」

これが彼らの社会免疫であり、サナギが自らの死を容認することで維持される仕組みです。

なぜそんな進化が起きたのか。

理由はシンプルで、働きアリは基本的に繁殖しません。

群れ全体が生き残ることこそが、自らの遺伝子を未来へ残す最適解になる。

だから彼らは、必要であれば自分の命すら差し出すのです。

― 自己犠牲という進化のロジック ―


サナギの変態は、生き残るための美しい儀式ではありません。

壊し、作り直し、ときに死を選ぶプロセスです。

幼虫の身体は内部から溶け崩れる。

外敵に触れれば悲鳴を上げる。

感染すれば、自ら仲間に「破壊」を求める信号を発する。

自然界の合理性は常に冷酷、情緒を挟みません。

それでも、外殻の奥で静かに震える生命を思い浮かべると、その姿にはどこか切なさを感じずにはいられません。

物言わぬ、殻の内側から響く死を催促するメッセージ――

[出典]

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2025年12月9日火曜日

大好きなママを唸る飼い犬 ~ ヴァルドゲル・ワイフ


■ 大好きなママを唸る飼い犬!偽物に気付いたか!? ~ ヴァルドゲル・ワイフ

今回はグリッチ・イン・ザ・マトリックス。

これは以前に紹介した「重複した妻 ~ ヴァルドゲルか!?」や「別のタイムラインがリンクした? ~ 帰ってきた彼女と帰ってこない彼女」と似ており、これ以外でも同じような投稿が散見されます。

いわゆる今回のもドッペルゲンガー (Doppelgänger)、ヴァルドゲル (Vardøger)、エティアイネン (Etiäinen) 等々、いくつかの類似現象で語られているもののひとつと考えられます。

それではどうぞ。

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今日、私と飼い犬はグリッチを体験しました。

妻は18時前に帰宅することはないのですが、妻の車が17時30分ごろ、自宅の敷地内に入ってきたので私もそして飼い犬も驚きました。

飼い犬は妻が帰ってくるといつもそうするように「ママが帰ってきた!」と大喜びで飛び跳ねていました。

ところが、、、

突如ダンスを止め、体をすくめ吠え始めたのです。

妻は仕事用のバンを敷地内に停め、車を降りると郵便受けをチェックし、玄関に向かってくるのがブラインドの隙間からも確認できました。


ところが、いつまでたっても妻は玄関から入ってくることはありませんでした。

監視カメラを覗くと、やはり玄関には誰もいません。

結果を先に言うと、その時間の監視カメラの記録に妻は映っていませんでした。

妻にショートメールをすると、まだ自宅まで45分ぐらいのところにいることが分かりました。

「本物の」妻の帰宅に飼い犬が気付くと、また先ほどのように喜び跳ねて喜びましたが、体をすくめて吠えたりすることはありませんでした。

彼女は先ほどと同じように敷地内にバンを止め、先ほどと同じように郵便受けをチェックし、そして先ほどと同じように玄関に向かっていきました。

そして今回は玄関の扉が開き、妻が入ってきました。

これはデジャブの一種なのでしょうか?グリッチ・イン・ザ・マトリックスなのでしょうか?

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冒頭に話した通り、このグリッチは稀に投稿されるドッペルゲンガー系 (ヴァルドゲル、エティアイネン) の現象です。

動物 (飼い犬) が最初は飼い主 (ママ) が帰ってきたと信じ込むぐらいなのだから、臭いも含めてまさに瓜二つの分身なのでしょう、、、しかしこういったことは見かけだけでは簡単に騙されない動物だけが持つシックス・センスで見破ったのでしょう。

基本、恐怖を伴わないドッペルゲンガー系はヴァルドゲルかエティアイネンと呼ばれるため、今回のものもいずれかでしょう。

そっちの専門分野ではないのでヴァルドゲルとエティアイネンの違いをうまく説明できませんが、いずれも「実在する人物の分身が、その人物が実際に行う時間よりもその場に先んじて出現し、その人物が行うであろう行動を取ります」

その人物の容姿や服装だけが瓜二つなわけではありません。

声も発することができ、今回のように実際と同じ車に乗っていることさえあります。

ヴァルドゲルはスカンジナビアの民間伝承で、その現れる本人の分身は守護霊に近い存在であるフィルジャ(fylgja)やヴォルズ(vǫrð)と考えられています。

一方、エティアイネンはフィンランドの民間伝承で、その現れる本人の分身は人間に宿る守護霊、ハルティア (Haltija) と考えられています。

両者において明確な行動の区別はないようですが、エティアイネンに関してはやや不吉な前兆であったり、死さえも関与することがあるといい、そういった面ではドッペルゲンガーに近いと言えます。

今回の話に関してはヴァルドゲルが一番近そうに感じます。

引き続きUMA、グリッチ、ゴースト等々、現実的なものからパラノーマルなものまで募集中です、お気軽にコメント欄に書き込むかメールしてください

(参照サイト)
reddit

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2025年12月8日月曜日

山の霧に消えた遠征隊 ~ ディアトロフ峠事件


■山の霧に消えた遠征隊 ~ ディアトロフ峠事件

「テントは内側から引き裂かれており、何者かによって襲われたような痕跡が残されていた」

1959年、ウラル山脈で起きたディアトロフ峠事件 (Dyatlov Pass incident) ――スキーツアーに出た9名の遠征隊全員が原因不明で死亡した事件です。

現在では科学的な調査が進みつつあり、多くの謎が解明の糸口を見つけています。

しかし一方で、現場に残された不可解な痕跡や遺体の状況は、未知の生物の存在を示唆するものとして語られることもあります。

本記事では敢えてUMA的視点も交えて、この事件を振り返ろうかと思います。

― 不可解な痕跡 ―


「ディアトロフ峠」というのはこの事件後に命名された地名で、これは遠征隊のリーダー、イーゴリ・アレクセーエヴィチ・ディアトロフ (Игорь Алексеевич Дятлов) の名に由来します。

さて一行の遺体の多くはテントから離れた地点で発見されました。

特に奇妙なのは、遺体が極寒の環境にもかかわらず、服を部分的に脱いだ状態であったことです。

これは低体温症による「逆説的脱衣/矛盾脱衣(paradoxical undressing)」と呼ばれる現象で、極度に体温が下がった際に体感が異常となり、服を脱いでしまうことが知られています。

しかし、脱衣の仕方や場所があまりにも不自然で、科学者たちも首をかしげる点がいくつもあります。

また、複数の遺体からは胸部や頭部に通常の遭難事故では説明がつかない内傷が見られました。骨折や打撲は強い力が加わった痕跡を示していますが、外部からの暴力によるものではなく、雪や氷の圧力だけでこうした損傷が生じるかは疑問が残ります。

そしてテントも異様でした。

テントは内側から切り裂さかれていたのです。

さらに、寝袋の中から出た隊員の多くは、靴を履かず裸足で雪の中を歩いた痕跡があり、寒さや低酸素下での行動としては極めて危険な状態です。

足跡や行動パターンも謎を呼びます。遺体が発見された場所はバラバラで、直線的ではなくランダムに散らばっていました。

途中で足跡が途切れていたり、雪の上に何者かに引きずられたような跡が残されていたりする場所もあります。

科学者たちは、雪崩、極低温環境、強風、極地性の微小地震など、複合的な自然要因の影響を組み合わせることで、多くの現象が説明可能だといいます。

しかし、衣服の不自然な脱ぎ方、内部損傷の原因、遺体散乱のパターンなど、現実の自然現象だけで完全に説明しきれない要素も多く残されています。

このように、ディアトロフ峠事件の現場には、科学的な解釈が示す合理性と同時に、不可解な痕跡の数々が混在しているのです。

そして突拍子もないことに、この事件にはUMAが関与しているという説もあります。

― 山の霧に潜む影 ―


UMA説に基づくと、この遠征隊が遭遇したのはウラル山脈に潜む未知の生物であった可能性があります。

現地先住民マンシ族 (Mansi) 族の伝承では、山や森には巨大な人間のような獣人、「メンコ(Menk)」や「メンキ(Manky)」と呼ばれる生物が潜んでいるいわれています。

身長は2メートル超、全身が濃い毛に覆われ、夜行性で人間を避ける一方、遭遇すると攻撃的な行動を示すこともあると伝えられます。

目は暗闇でも光を反射し、力強い手足で雪深い斜面を自由に駆け回るといわれています。

そう、UMAファンの皆さんであれば、ヒマラヤの雪男ことイエティ (Yeti) を真っ先に思い浮かべるに違いありません。

ディアトロフ峠事件の不可解な死や散乱したテントの様子は、この獣人伝承と奇妙に符合します。

ディアトロフ峠事件で見られた不可解な遺体の損傷や、テントの異様な裂け方。
混乱した足跡の証言。

これらをUMA的視点で読み解くと、遠征隊が山の霧の中で“何か”に遭遇した可能性が浮かび上がります。

科学で説明できる現象の中に、説明しきれない影が混じる――
そこにUMA的解釈の余地が生まれるのです。

― 都市伝説か、UMAか ―


ディアトロフ峠事件は、科学的解釈とUMA的想像力の両方を同時に楽しめる怪奇事件です。(9人が亡くなっており「楽しめる」という表現は不謹慎ではありますが)

史実を追うことで現象の現実性を理解しつつ、UMA的視点で読み解けば、ウラル山脈の霧の奥に潜む「まだ知られざる存在」の気配を感じることができます。

9名の遠征隊が最後に見たもの――
それが未知の獣人の影であったとすれば、UMAの伝説としてもこの事件はさらに生き続けることになるでしょう。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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