パラトレキナ・ロンギコルニス (Paratrechina longicornis) というアリがいます。
その体色から、ラズベリー・クレイジー・アント (「ラズベリー色のクレイジーなアリ」, Rasberry crazy ant) とかトワニー・クレイジー・アント (「黄褐色のクレイジーなアリ」tawny crazy ant) なんて呼ばれますが、「クレイジー」は「クレイジー」のままです。
もともとは南米に生息しているアリですが、現在では北米にも侵入し、じわじわと北米大陸を北上しているようです。
3ミリ強の小さなアリですが、あの殺人アリと騒がれるヒアリに対しても、何の躊躇もなく攻撃を仕掛けます。
というのも、ラズベリー・クレイジー・アントはヒアリの猛毒を中和できる特注の蟻酸 (ぎさん) を持っているため、怖くないからです。
猛毒アリにも真っ向勝負、こういったところが「クレイジー」と呼ばれるゆえんかと納得するかもしれませんが、違います。
やつらの行動は先が読めないからです。
なんでか分かりませんが、ラズベリー・クレイジー・アント、PCでもテレビでもなんでもいいのですが、電気機器の内部に入り込んでは配線等をかじりまくるのです。
配線なんかかじるもんだから、時には感電する場合だってあります。
感電して瀕死の状態ののクレイジー・アントは「警告フェロモン」を放出します。
このフェロモンを受け取った仲間のクレイジー・アントたちは群を成して死にかけの仲間がいる電気機器内に集結します。
狂ったように敵を探し回るクレイジー・アントたち。
時に暴徒と化し、機器内で配線をかじりまくりショートさせて壊してしまうこともあるとか。
なお、家畜や家禽なども襲うことで知られており、小型のもの、例えばニワトリなどは殺されたりすることもあるようです。
まさにクレイジー。
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