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2025年8月2日土曜日

水棲モンスターの撮影に成功! ~ コネチカット貯水池の怪物


■水棲モンスターの撮影に成功! ~ コネチカット貯水池の怪物

今回はコネチカット貯水池の怪物 / コネチカット・レザバー・モンスター (Connecticut reservoir monster)。

旧サイトでコネチカット・レイク・モンスター  (Connecticut Lake monster) で紹介していたものです。

そちらでも書きましたが、センセーショナルな見出しにするために「レイク・モンスター」と騒がれたものの、実際にはレイク・モンスター (湖の怪物) ではなく、レザバー・モンスター (貯水池の怪物) です。

ちなみにコネチカット湖 (Lake Connecticut) という湖は実在しますが、コネチカット・レイク、ではなくレイク・コネチカットです。

コネチカット州のレイク・モンスターはほぼ知られておらず、ワンガムボー湖 (Wangumbaug Lake) のウォンギー (Wongy) が一応いますが、こちらはネッシー風のマスコットキャラで、レイク・モンスターの目撃証言はおそらくなく、日本のゆるキャラ的な存在でしょう。

そんなレイク・モンスター後進州に朗報が訪れたのは2008年9月のことです。

コネチカット北部のウェスト・ハートフォードにある貯水池、おそらくウェストハートフォード貯水池 (West Hartford Reservoir)で、レザバー・モンスターが撮影されたのです。

撮影したのはウェスト・ハートフォード在住の女性、バーバラ・ブランチフィールド (Barbara Blanchfield) さん。

(コネチカット貯水池の怪物の写真1)
(image credit: Barbara Blanchfield)

あと少しでスマホ時代の到来でしたが当時はまだガラケー時代、バーバラさんは携帯ではなくおそらくカメラで撮影したと思われ、残念ながら動画は存在しません。

で、写っているのは水面から出たトゲトゲ。

形状こそ違うもののヴァン湖の怪物、ジャノ (ジャノアール) を彷彿とさせるシルエットです。

いかにもUMA的でいいショットです。

なにかはもちろん分かりませんが、このトゲトゲは水棲UMAの背中に違いない、と思ってしまいますが、バーバラさん曰く、これは謎の生物の「尾」だといいます。

(コネチカット貯水池の怪物の写真2)
(image credit: Barbara Blanchfield)

(コネチカット貯水池の怪物の写真3)
(image credit: Barbara Blanchfield)

(コネチカット貯水池の怪物の写真4)
(image credit: Barbara Blanchfield)

「その尾の一部が見えたとき、そのトゲトゲの感じが古代の生物風だったので、『ああ!ここには何か潜んでいるかも!』って思ったんです」

写真は何枚か撮影されていますが、どの写真もあまりに部分的過ぎて、本当に尾なのか、それとも背中なのか、そもそも生物なのかすら分かりません。

せめて泳いでいる感が伝わってくればいいのですが、トゲトゲの周りに軌跡や波紋はほとんどなく、動いているのを感じ取るのはちょっと難しい感じです。

水棲生物の専門家、ウイリアムズ氏が鑑定したところ、

「浸食を防ぐため、貯水池を囲っていた木製の古い防御柵ではないでしょうか?

こんな小さな貯水池に未知の怪物が潜んでいるとは到底思えません。

この貯水池で撮影された写真を説明する上で、木製の古い防御柵説はもっとも理にかなった説明といえるのではないでしょうか?」

ピンチ、いや大ピンチです。

バーバラさんはこの写真をMDC (メトロポリタン地区委員会/Metropolitan District Commission of Connecticut) に鑑定を依頼しました。

コネチカットのニュースターを撮影したと確信し、期待に胸躍らせて持ち込んだに違いありません。

しかしUMA界のスター写真と思われるどころか、ただの腐ったゴミ扱いされてしまったのです。

MDCは市民向けに声明を発表しました。

「この貯水池の水は飲料水用に貯めているものではありませんので、(今回の怪物騒ぎで) 飲料水の汚染を気に掛ける心配はございません」

2025年8月1日金曜日

仔馬なのか、それとも巨大ウナギなのか ~ バリーナヒンチ湖の怪物


■仔馬なのか、それとも巨大ウナギなのか ~ バリーナヒンチ湖の怪物

今回はバリーナヒンチ湖の怪物 (Lough Ballynahinch monster)。

バリーナヒンチ湖 (バリナヒンチ湖) はアイルランド西部、コネマラ (Connemara) 地域のにある湖 (Lough) のひとつです。

コネマラにはまさに無数と言っていいほどの大小の湖があり、その多くでウォーター・ホース (海馬) であったりウマウナギと呼ばれる巨大ウナギの目撃や伝説があります。

バリーナヒンチにはウォーター・ホースとウマウナギの両方の目撃があります。

ウマとウナギ、両者は全く異なる姿をしていますが、実はどちらも同じ生物かもしれません。

ウナギは体さえ濡れていれば陸上でもかなりの距離を移動することができ、もともとウォーター・ホースの伝承のあるアイルランドということもあり、上陸した巨大ウナギはウォーター・ホースと誤認されたかもしれないからです。

と、今回はバリーナヒンチ湖の怪物を、より現実的に巨大ウナギとして見て行こうかと思います。(あくまでウォーター・ホースと比べれば現実的というだけではありますが)

最も有名なバリーナヒンチ湖のウマウナギの伝説は19世紀のものです。

(バリーナヒンチ城)
(image credit: Wikicommons)

バリーナヒンチ湖のほとりにはバリーナヒンチ城 (Ballynahinch Castle) という名のお城のような高級ホテルがありますが、これはお城に見立てて建造されたホテルではなく、17世紀に建造された本物のお城を改築しホテルとして利用されているものです。

伝説によれば、19世紀末 (1880年代)、バリーナヒンチ湖から海へと繋がるバリーナヒンチ川の橋げたに巨大なウナギが立ち往生していたといいます。(あまりの巨体に自らが川を堰き止めてしまった、なんて説もあります)

渇水による水位の低下によるものでウナギなら得意の陸上移動すればいいのに?なんて思うかもしれません。

しかしそうもいかなかったようです、なにせそのウナギの体長は30フィート (約9メートル)、あまりの巨体に水の浮力なしには身動きができなかったようなのです。

もちろんただ長いだけではなく、胴体はも太く、「ウマ」の体ぐらい太かったといわれています。

ウマウナギは2日間も橋げたの近くで立ち往生していたものの、ついには地元の住民たちによって槍で突かれ殺されてしまったといいます。

殺されたウマウナギはあまりの重さにそのまま放置されましたが、その後大雨が降り、死体は海へと流れ去ってしまったといいます。

なんで殺すんだよ!と思ってしまうと思いますが、所詮伝説は伝説であり、実は地元住民たちがウマウナギを殺す巨大な槍を作っている間 (実には鍛冶屋に頼み、突き刺した後に抜けないよう、返しの付いた刃先の槍を作ってもらっていたということです) に大雨で川は増水し、まんまと逃げきったというハッピーエンド (?) もあります。

是非後者であってほしいものです。

さて、正体についてですが、バリーナヒンチのウマウナギはあくまでウナギに似た細長い体型をしていたというだけで確実にウナギだったかどうかは定かではありません。

9メートルはウナギというか淡水魚にしてはあまりに大き過ぎ、話半分でも4~5メートル、これでもウナギとしてはちょっと厳しいです。

(バルチックチョウザメ)
(image credit: Wikicommons)

ですがチョウザメであればその可能性はちょこっとあります。

バルチックチョウザメ (Acipenser sturio) であれば6メートルが期待でき、現在はほとんど棲息していないようですがかつてはアイルランドの海岸沿いでも見られたといいますから。

バリーナヒンチ湖の怪物の正体として個人的にはバルチックチョウザメを最有力としておきましょうかね。