■青く染まる獣 ~ カリフォルニアの“青肉イノシシ”伝説
「こんなの、ただのフェイクに決まってる!」――
誰もがそう笑い飛ばしたくなる「はず」の話です。
けれど、カリフォルニア州モンテレーの農地で見つかった「青いイノシシ肉」は、どうやら単なる都市伝説では済まされないようです。
近年、農地で駆除された野生イノシシの肉や脂肪が、まるでネオンライトのような青緑色に染まる現象が報告され、現地メディアを騒がせました。
写真だけ見れば画像加工に思えるその色――しかし、調査を進めた当局は「本物」と断定しています。
― 異様な「青の正体」 ―
(image credit: Noticias Ambientales)
「ほんのり青みがかっている」程度ではありません。
駆除業者のダン・バートン氏はこう証言しています。
「ブルーベリー色だ。まるでネオンが灯ったようだった。」
彼が仕留めた個体の肉は、筋肉も脂も内部まで青く染まり、まるで「冷凍庫で凍りついた生き物」のように見えたといいます。
カリフォルニア州魚類野生動物局(CDFW)の調査によれば、原因は駆除用に設置された毒餌「ジファシノン (Diphacinone)」。
イノシシが直接それを食べたか、あるいは中毒した小動物を捕食したことで、体内に毒素とともに青色の化学物質が蓄積された可能性が高いとのことです。
さらに問題なのは、この毒が加熱しても分解されにくいという点。
調理された後も肉に青い色が残り、人体への影響が完全には否定できないという――まさに“見た目も中身も危険”な異常事例なのです。
― 自然界が警告する「毒の青」 ―
自然界において「青」は、しばしば警告の色とされます。
熱帯のカエル、深海のクラゲ、あるいは猛毒のキノコ――その輝きは「触れるな」というサインです。
一般的に、私たちも「青」い食べ物に食欲をそそられることは稀です。
では、この青いイノシシもまた、人間の世界に現れた自然の警鐘なのでしょうか。
農薬、駆除剤、人工化学物質。
それらが食物連鎖の中をめぐり、やがて森の捕食者にまで届いた――その姿が、「青く光る肉」という形で可視化されたのかもしれません。
一部の現地ハンターの間では、こんな噂も囁かれています。
「青い肉を食べた獣は、夜でも光る眼をしている」と。
科学的証拠は皆無ですが、そうした「パラノーマルの伝承」が生まれてしまうほど、この事件は人々の想像を刺激したのです。
― イノゴン ―
日本にも、イノシシのUMAが存在します。その名も「イノゴン」。
「食べられてしまったUMA」として名高いイノゴンは、年の瀬に仕留められたこともあり、猪鍋――いわゆる「ぼたん鍋」として供されたと伝えられます。
ぼたん鍋の名は、薄切りにした猪肉を牡丹の花に見立てて盛り付けることに由来します。
牡丹にはさまざまな色がありますが、一般的に「牡丹色」といえば紫がかった紅、まさに新鮮な猪肉の色そのものです。
ところが、牡丹の中には「青牡丹(せいぼたん)」と呼ばれる青みを帯びた品種もあります。
今回の「青い猪肉」――それはまるで、牡丹が毒を吸って変色したかのような新たなる「青牡丹鍋」の誕生を予感させます。
自然が警告とユーモアを込めて発した渾身のブラックジョークかもしれません。
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記事内に見出しがついているとUMAファン時代を思い出しますね
返信削除コメントありがとうございます。
削除はい、長い分は読みにくいということで、UMAファンと同様の小見出し入れての構成にすることにしました。既に書いた分も少しずつ直していく予定です。来年分からは小見出し構成に下記オナしています。
これからもよろしくお願いいたします!