■6本足の巨大両生類か? ~ ブカヴァツ
今回はブカヴァツ / ブカヴァッツ (Bukavac)。
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6本の足と不気味な角を持つ怪物。
湖や大きな沼に棲息する。
夜になると水中からノイジーな音と共に這い出てきて、人間や動物に飛びかかり絞め殺す。
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ブカヴァツはクロアチア共和国のスリイェム (Srijem) に伝わる神話上の幻獣。
「絞め殺す」の表現からも分かる通り、人間・動物に対して敵対的、そして悪魔的な存在です。
湖や沼、池等の水中が彼らの住処でその姿は角を持つ巨大なカエルのように描かれる傾向があります。
ただまあいずれにしても脊椎動物系に描かれており、6本足という時点で実在するにはちょっと厳しい感じはします。
出没する地域やノイジーな存在であることはドレカヴァツとも共通点があります。
(昔の新聞上のブカヴァツ)
ドレカヴァツのほうがヴカヴァッツよりも圧倒的に知名度があるものの、ドレカヴァツには地方によりさまざまな呼び名があり、また、その姿もいわれるほど定義づけされているわけではないため、両者が全く異なる生物かどうかといわれると際どい面も若干はあります。
しかしブカヴァツは水棲であり6本足を持つ、といった特徴はドレカヴァツには基本的に備わっておらず別物として扱って問題ないと思われます。
「絞め殺す」といった特性はあまりUMAではあまり見られないものですが、これは6本足であることがそれを可能にしているのでしょう。
前肢二本で絞めあげ、その場合、後に続く4本の足で体を支えるに違いありません。
前述の通り、脊椎動物で6本足は厳しく、シンプルに神話上の幻獣で片付けて終わり、でもいいのですが、クロアチア、セルビア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナを流れるサヴァ川 (Sava) 沿いで絞殺された動物が見つかり、これはブカヴァツの仕業ではないかと信じられているといい、実在を期待する声もあるのです。
実在する生物と無理矢理感考える必要もないですが、例えば、寄生虫リベイロイア・オンダトレに感染されたカエルは後肢に異常をきたし、生えなかったり、あらぬ方向に伸びて行ったり、またはブカヴァツのように多足になったりします。
激烈に低い可能性ながら、UMA的に無理矢理こじつけるとすれば、こういった寄生による異常な個体がブカヴァツの原型になっているかも?と考えてもいいかもしれません。
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