2025年5月3日土曜日

佐渡島に棲息しないはずのクマに似た足跡が!?それとも、、、 ~ サドベルアン


■佐渡島に棲息しないはずのクマの足跡が!?それとも、、、 ~ サド・ベルアン

今回は、UMAサイトの運営者、「未知の世界から」の管理人Sさんから頂いたUMA情報です。

二叉ムカデ」「令和ヒバゴンに続き3つ目ですね、いつもどうもありがとうございます。

さて今回はサドベルアン (Sado beruang)。

これは平成24年 (2012年) 1月18日に行われた、新潟県による土地改良事業の一環で相川北部地域の現地調査が行われたものに、Sさんの父親が参加していたときのお話だそうです。(相川町自体は現在佐渡市になっているようなので相川エリアということでしょうかね)

真冬の1月中旬ということもあり、現地は雪が積もっており、その雪に今回の主役である「謎の足跡」が刻まれていたのが発見されました。

Sさんの父は現地案内をしてくれた県職員に対し「これはクマの足跡ではないか?」と尋ねると、佐渡にはクマは棲息していないため、タヌキの足跡 (ではないか) と説明を受けたといいます。

しかし雪に残された足跡は縦10センチ、横幅が9センチ、5つの丸い指も確認できました。

タヌキのものにしては縦幅も横幅もあまりに大き過ぎ、大きさを抜きにしても形状が全く異なります。

Sさんの父はこの説明は理にかなっていないと思い、このまま放置しておけば佐渡で人間がクマの襲撃を受ける日が近々来るのではないかと思ったぐらいだそうです。(実際のところ現時点では襲撃や目撃は起きていませんが)

(Sさんのお父さんによる実際のドローイング)
(image credit: 未知の世界さん)

佐渡にはニホンノウサギ (Lepus brachyurus) の亜種にして固有種、サドノウサギ (Lepus brachyurus lyoni) が棲息します。

佐渡には大型の野生動物は棲息しておらず、サドノウサギは佐渡に棲息す野生動物の最大種のひとつです。

ニホンノウサギよりやや小型ですが、ま、体長5センチ前後の違いであり面倒なので同じぐらいだとしておきましょう。

ウサギは発達した後肢は体に対してかなり大きく、縦の長さは10センチを超します。

ただウサギの後肢の形状は細長く、発見されたものがぼ円形に近い楕円状、しかも五本指という大きな違いがあります。

しかも、移動時に残すウサギの足跡は独特で、後肢の先端が左右に開きかげん、かつ前肢より前に位置し、前肢の足跡が後肢のすぐ後ろにくっつく感じで、アルファベットの "Y" のような形状になります。

(ウサギの足跡)
(image credit: YouTube/Andriy Chukas)

こういったことを考慮すると佐渡の固有種であるサドノウサギは候補から外してもいいでしょう。

では県職員のいうタヌキ (Nyctereutes procyonoides) 説はどうでしょう?

佐渡にはタヌキも棲息しています。(ちなみに、佐渡ではタヌキのことをムジナ (貉) と呼ぶそうです。ムジナは本当はアナグマ (Nyctereutes procyonoides) の別称ですが、まあ見た目も似てますしね)

タヌキの足跡の「全体の形状」でいえば丸っこいシルエットでその点では似ているといえます。

但し前述の通り、タヌキの足跡にしてはあまりに大き過ぎ、実際にタヌキの足跡は縦横4センチ程度しかなく、指も4本です。

肉球部分もそれほど大きくなく、面積的には指 (4本分) と肉球で同程度です。

雪に残された足跡 (上記の目撃スケッチ参照) とは、指と肉球の比率、形状があまりに違いすぎます。

ちなみに、佐渡にはタヌキの妖怪、団三郎狸 (だんざぶろうだぬき) の伝説があります。

上述した通り、タヌキをムジナと呼ぶことから団三郎狢 (だんざぶろうむじな) とも呼ばれますが、今回の足跡に関しては無関係そうです。

大きさを無視し、5本の指を残し、似たような足跡を残す生物としてはアナグマやハクビシン (Paguma larvata)、ニホンイタチ (Mustela itatsi)、テン (Martes melampus) 等がいます。

まああくまで形だけであり、5本指を残すという点ではタヌキよりは有利といえますが、大きさ的にはいずれもちょっと厳しいかな~

(ホッキョクグマの足跡)
(image credit: Wikicommons/Polar Cruises)

では大きさ的・形状的に大本命のクマはどうでしょう?

まず前述の通り佐渡島にクマは棲息していませんが、そこを無視したとして、、、

クマは上記二つの生物と比較し、圧倒的に目撃スケッチと似ています。

指の数も5本、肉球部分が大きく、肉球部分と指の面積の比率もOK。

成体の熊と比較するとやや小さいですが、幼体、若年個体、もしくは佐渡において矮小化したクマ、というのも面白いアイデアかもしれません。

ちなみに本土のクマが佐渡に渡ってくるにはなかなかハードです、本土の新潟から最短で32キロ、遊泳力が高いと評判のクマですが中継なしで泳ぎきるには流木等の助けを借りたり、かなりの運に恵まれない限り達成できそうにありません。

というわけで、可能性は在来種や持ち込まれた外来種 (アナグマ・ハクビシン等) の超絶巨大個体、もしくは熊人生すべての運を使い切って本土から奇跡的に流れ着いたツキノワグマ (Ursus thibetanus)。

そして最後にもうひとつ。

確実な情報ではないですが、かつて佐渡島にも (縄文時代の遺跡から) クマが棲息していた可能性が示唆されています。

極論、UMA論的に (あくまでUMA論ね)、彼らは絶滅しておらず佐渡島という閉ざされた環境に適応、島嶼化 (とうしょか) により矮小化 (わいしょうか) し、現生最小のクマ、マレーグマ (Helarctos malayanus) を大きく下回る体格に進化、そして人知れず生き残っている種、それが佐渡のクマ、サドベルアンということにしておきましょう。




2025年5月2日金曜日

第二次大戦中の日本兵も遭遇した獣人 ~ ブキッ・ティマ・モンキー・マン


■第二次大戦中の日本兵も遭遇した獣人 ~ ブキッ・ティマ・モンキー・マン

山のないシンガポールで最も標高が高いのがブキッ・ティマ (Bukit Timah) と呼ばれる丘陵で僅か163メートルしかありません。

今回はこのブキッ・ティマで目撃される獣人、ブキッ・ティマ・モンキー・マン (Bukit Timah Monkey Man) を紹介します。

ブキッ・ティマ・モンキー・マンはその長い名前のため英語圏では通常頭文字を取ってBTM、もしくはBTMMと呼ばれます。

BTMMの歴史は古く19世紀初頭から目撃が続きます。

ビッグフット (Bigfoot) やイエティ (Yeit) らの巨大な獣人系UMAと異なり、BTMMは一般的に小柄な獣人と考えら、身長は1メートル程度、地理的にも近いインドネシアのスマトラ島で目撃されるオラン・ペンデク (Orang Pendek) と似た存在といえます。

しかし第二次世界大戦の最中、シンガポールに駐留していた日本兵が目撃したBTMMは2メートルもあったといいます。

彼らが見たBTMMは灰色の毛で覆われ、直立二足歩行をしていました。

さてBTMMを考えてみましょう。

実はかなり厄介です。

シンガポールはとても国土の狭い国です。

そもそもシンガポールの国土 (720平方キロメートル) は東京23区の面積 (627平方キロメートル) と大差なく、その国土の狭さと開発が行き届いた環境によってUMAが報告されることは滅多にありません。

しかもブキッ・ティマの面積は僅か16平方キロメートルしかなく、この非常に限られた範囲内でBTMMが目撃されるというのはさらなる困難な条件といえます。

もっと言えばマレーシアと国境を接する北部での目撃であればまだしも、ブキッ・ティマはシンガポールのほぼど真ん中に位置し、その周りも都市で埋め尽くされているというUMAにとってはとんでもない悪環境、それこそそこに未確認動物が棲息していたとしたら「目に触れないはずがない」場所なんですね。

ちなみにニホンザルの行動エリアは数十平方キロメートルといわれブキッ・ティマ程度ではとてもとても狭すぎます。

もっともあり得そうな生物はカニクイザル (Macaca fascicularis) で、ブキッ・ティマ周辺で実際に出没することがあるためBTMMの正体として有力な候補に挙がっています。

ではBTMMが未知の霊長類とした場合、この狭いエリアで人間の目にほとんど触れないで存在することができるのでしょうか?

これはほとんど不可能に近いと思われます。

敢えて強引に言えば、生息範囲がブキッ・ティマで十分収まる極端に不活発 (半地中棲だと尚良し) なナマケモノのような霊長類 (の新種) といったところでしょうか。



2025年5月1日木曜日

獣人なのか大型イヌ科動物なのか? ~ ビーマン・モンスター


■獣人なのか大型イヌ科動物なのか? ~ ビーマン・モンスター

「10歳のころ、叔父のピックアップトラップに乗っていた時、森から巨大なオオカミのような生物が突如現れると、車の前を横切ったんです。

その生物は、あまり動物的ではありませんでした」

これはミズーリ州セデーリア出身のデーモン・スミス (Daemon Smith) 氏のコメントです。

今回はスミス氏が語る謎の生物、ビーマン・モンスター (Beaman Monster) です。

アメリカ、ミズーリ州ペティス郡のビーマンに20世紀初頭から伝わる謎の野獣です。

ビッグフット的な巨大な獣人ともいわれることもあれば、スミス氏のように巨大なイヌ科 (オオカミやコヨーテ) 動物に似ているともいわれ、また両者のハイブリッド、つまりイヌ科に似た獣人、というものまであり、その姿ははっきりしていません。

要するに、ビーマンに伝わる陸棲の謎の巨獣であり、総称といえるかもしれません。

ですが、一般的には「ビーマン・モンスター = 獣人」とみなされる傾向が高いようです。

もしかすると獣人系ながら、腕をついて四つ足で歩いている姿が巨大なイヌ科動物を彷彿とさせるのかもしれません。

伝説の始まりは1904年に起きたミズーリ州カンザスシティで起きた列車事故に遡るといいます。

この列車にはサーカス団とその動物たちが乗っており、この事故により動物たちが乗っていた檻が壊れ脱走、その中にはゴリラが混じっていたというのです。

その逃げ出したゴリラこそがビーマン・モンスターといわれており、しかも複数逃げ出したゴリラたちは野生下での繁殖に成功、その子孫が目撃され続けているとのセオリーがあります。

まず、この列車事故自体が事実なのか確認できません。

但し、ビーマン・モンスターの存在が本当かどうかは別問題として考えると、こういった事故から都市伝説が生まれることはあるため、サーカス団の乗った列車の事故が本当にあったのかもしれません。

ゴリラではありませんが、オーストラリアで目撃されるUMA、ブラック・パンサーを代表とする大型ネコ科動物たちも、元はサーカス団の所有する動物たちが逃げ出したものだといわれ、その祖先が生き残っているかは分かりませんが、逃げ出したこと自体は事実だともいわれています。

というわけで、仮にビーマン・モンスターの伝説を生んだ列車事故が事実だとしましょう。

問題はこの後で、ゴリラが棲息するにはミズーリ州はあまりに冬が寒すぎます。

冬場は氷点下を下回る日も多く、仮に春~秋を凌げたとしても熱帯雨林に暮らすゴリラがミズーリ州の気候に短期間で適応するのは難しそうです。

ビーマン・モンスターは霊長類的に二足歩行し、巨大なイヌ科動物にも例えられ、さらに両者のハイブリッド的ともいわれます。

このことから月並みながら、やはりその正体はアメリカグマ (Ursus americanus) である可能性が高そうです。

見た目が「動物的ではなかった」という発言をどう捉えるかは難しいですが、「既知の動物には見えなかった」という風に考えると、疥癬に罹ったアメリカグマだったかもしれませんね。

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