■【激レア】樹上から落ちて脳を喰う粘体怪物 ~ アメーバ・ギガス
今回はアメーバ・ギガス(Amoeba Gigas)、またの名は吸血アメーバ、人喰いアメーバ。
アマゾンの密林に棲むとされる巨大不定形生物。
― 密林に潜む「巨大アメーバ」 ―
アメーバ・ギガスは不定形ではあるものの、基本形態と指定は直径2~3メートルほどの巨大粘体生物とされます。
体は半透明で、一定の形状を持たず、自由に変形します。
中心部には巨大な核のような構造があり、巨大な単眼のように見えると描写されます。
その姿は生物というより、生きているゼリー、あるいは意志を持つ粘液の塊に近い存在です。
― パラシュート落下捕食 ―
この生物の最大の特徴は捕食方法。
樹上に潜伏し、獲物が下を通るとパラシュートのように広がって落下します。
獲物の頭部を包み込み、窒息させながら消化液で頭蓋骨を溶かし、脳を吸い出すとされます。
捕食後は再び樹上に戻り、待ち伏せを繰り返すと語られます。
待ち伏せ型捕食者の戦略を極限まで抽象化したような生態です。
しかしUMAとしては珍しく「弱点」も兼ね備えているという点ではユニーク。
火と酸――
アメーバ・ギガスはこの2つには抗うことはできないといいます。
― 日本限定!? ―
一見すると海外にも似た怪物がいるように思えますが(例えば吸血毯とか)、唯一無二と言えるこの特性、荒唐無稽さも相まって非常に魅力的――
しかし問題はこのUMAが海外で語られることはまずないという事。
実在する巨大アメーバのカオス・カロリネンセ(Chaos carolinense)は、アメーバとしては巨大で肉眼でも観察可能な1~3ミリメートルもありますが、アメーバ・ギガスのような決して怪物ではありません。
推測ですが、この怪物は1970年代の日本の怪奇ブームで創作されたものと考えるのが自然です。
これには20世紀半ばのクラシックな海外のホラー映画が関与していそうです。
― 粘体怪物という20世紀的恐怖 ―
おそらく「巨大アメーバの恐怖(原題:The Unknown Terror)」(1957年)、「マックイーンの絶対の危機(原題:The Blob)」(1958年)等の映画に登場するアメーバ状のモンスターが原型になっているのではないでしょうか。
いずれもアメーバ状のモンスターが登場し、20世紀中盤のSFホラーでは、巨大粘体生物は恐怖の象徴でした。
地球に飛来した隕石から現れたアメーバ状地球外生命体。
海底から出現する巨大アメーバ状生物。
都市を飲み込む不定形の怪物。
形を持たない生命体という発想は、人間の「理解不能」への恐怖を直撃します。
アメーバ・ギガスは、その恐怖原型と完全に一致します。
― 日本で誕生した密林の怪物 ―
1970年代の原本(ジャガーバックス等)では、まだ「アメーバ・ギガス」という特定の固有名詞ではなく、「人食いアメーバ」といった汎用的な名前で紹介されていたケースが多いようです。
確実ではありませんが「アメーバ・ギガス」という呼称自体は、1990年代以降のネット文化や、より新しいUMA図鑑で学名風に再定義された可能性があります。
当時の児童向け怪奇図鑑やオカルト書で、詳細な生態が初めて描写されました。
樹上から落下し、脳を吸う。
弱点は火と酸。
巨大な核を持つ不定形生命体。
これらの要素は、海外伝承というより、日本側の想像力の産物と考えるほうが自然です。
― なぜ「アメーバ」になったのか ―
アマゾンの怪物伝承の断片。
腹に口がある。
獲物を包み込む。
その情報が、「体全体が口のような存在」という極端な解釈に飛躍しました。
さらに当時流行していたSF映画の粘体怪物イメージが混合され、巨大アメーバという形態が完成したのでしょう。
― 日本的UMA生成の完成形 ―
かつて日本の児童書やUMA本でアメーバ・ギガスはアマゾンの密林に生息すると解説されていました。
しかし、前述の通り、その一時ソースを海外で見つけることはできません。
日本の想像力が生み出した「密林という舞台を借りた純国産UMA」と考えるのが自然でしょう。
そして、その事実を知った後でも、樹上から落ちてくる半透明の粘体を想像すると、やはり不快な恐怖が消えない。
それが、この怪物が成功してしまった最大の理由です。
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