2020年3月24日火曜日

アフリカのT-REX ~ カサイ・レックス


■カサイレックス

最近ではとんと音沙汰とのないアフリカを代表するUMA、モケーレムベンベ (Mokele-mbembe)。

モケーレムベンベとはリンガラ語「川をせき止めるもの」の意で、巨大な体躯を誇りその姿は恐竜の中でも竜脚類を彷彿とさせる姿をしているといわれています。

モケーレムベンベが目撃されるのはコンゴ共和国ですが、そのお隣のコンゴ民主共和国 (旧ザイール) でも恐竜系UMAの目撃があります、カサイ・レックス (Kasai Rex) です。

「カサイ」という日本語風の響きを持つ一風変わったこの名称ですが、これはカサイ渓谷 (Kasai valley) で目撃されたことに由来します。

目撃したのはスウェーデン人プランテーションオーナー、ジョン・ジョンソン (John Johnson) 氏とその従者です。

1932年、かれらがカサイ渓谷に訪れ野生のサイを観察していたところ、突如として巨大な生物が現れました、そうその生物こそカサイ・レックスです。

カサイ・レックスは竜脚類タイプのモケーレムベンベとは異なり、T-REX (ティラノサウルス) と同系の獣脚類タイプの生物でした。


従者は逃げましたがジョンソン氏はその場で気を失いました。

ジョンソン氏が目覚めると、カサイ・レックスはまだ近くにおり、先程まで観察していたサイを貪り食っていたといいます。

体長は14メートル、筋肉質の太い後肢を持ち、体色は赤、背中に黒のストライプが走っていました。

ジョンソン氏は手持ちのカメラでカサイ・レックスの撮影に成功しました。

このUMAはジョンソン氏によるただの一度きりしか目撃されておらず、ほとんど情報がありません。

ジョンソン氏が撮影したといわれるカサイ・レックスの写真は2枚 (または3枚) 存在しますが、その中に写っている姿はまったく異なります。

1枚はT-REXタイプ、もう1枚はオオトカゲタイプ。

共通点はどちらも爬虫類ということだけ。

角度により別な生物に見えてしまう、といったレベルの違いではありません、どう好意的に見ても別な生物が写っているとしか判断できません。

どちらかが本物であれば他方は確実に偽物です。

ジョンソン氏の証言 (そもそもジョンソン氏自体が架空の人物の可能性大) を信用するならT-REXタイプの写真が「本物」ということになります。

しかし「サイを襲っている写真」を見れば分かる通りサイと恐竜の位置がずれており、恐竜が宙に浮いたような不自然なポジションです。

サイを食べているはずなのに、カサイ・レックスは撮影者から見てサイの後方に位置しています。

また遠近法を差し引いても14メートルに遠く及びません。

実はこの写真、T-REXのおもちゃを使った合成写真と分かっています。(おもちゃも特定されています)

となれば、ジョンソン氏の説明とは食い違いますが、他方の写真が本物であるということになります。

ではもう1枚の写真は?

こちらに至ってはオオトカゲ (のような生物) の輪郭の周りに白い枠線が走っており、切り抜いて貼り付けただけのように見えます。(実際生物だけが背景から浮いて見えます)

いずれの写真もフェイク写真であることが判明しています。

しかしどうでしょう、この稚拙な合成ゆえに伝わってくる素朴さ、そして温かさ。

自分は昔のUMAのバリバリの合成写真や荒唐無稽なスケッチが好きなのでカサイ・レックスのこの写真もかなりお気に入りです。

当時ですら信用されていなかったといいますが、古き良きUMAの時代が伝わってくるじゃありませんか。

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2 件のコメント:

  1. 『カサイ渓谷・コンゴ・恐竜』で検索して、こちらのサイトに辿り着きました。
    子供の頃に、割と大人向けの本で知って以来、ずっとお気に入りの未確認動物です!
    ここまで詳細に解説考察されているサイトは、恐らく国内では、こちらだけなのでは?
    今までその本に載っていたド迫力の挿絵(サイを喰ってる所)のイメージしかなかったので、駄菓子屋のパチモン怪獣ブロマイド並の写真に、ビックリしました!
    万が一実在してたとしても、長年に渡る内戦のとばっちりで、現在は絶滅してるだろうな…。

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  2. 書き込みありがとうございます。
    自分はカサイ・レックスの載っているUMA本を見たことがないんですよ、かなり古い本じゃないと載ってないんですかね?
    古本屋とかで見つけては古いUMA本を買ってるんですが、1980年代中~後期ぐらいに発売されたものが限界ですね。
    こういった昔のUMAはフェイクと分かっていても大好きです。

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