■フロリダの夜を駆ける小さな悪魔たち ~ ノースポート・デビル
フロリダ州ノースポート。湿地と松林が入り混じるこの町では、夜になると霧が立ちこめ、「赤い目の影」が動く――そんな噂が昔から絶えません。
その名は――ノースポート・デビル(North Port Devils)。
夜になると、森の奥から子どもほどの背丈の影が現れ、奇妙な鳴き声を上げて走り回るというのです。
― 湿地の町に広がった「赤い目の悪魔」 ―
ノースポート・デビルの噂が広まったのは、1980年代後半のことです。最初の目撃者は、郊外の農場を営む夫妻でした。
ある晩、鶏小屋の周囲で犬とも猿ともつかない黒い影が数体、低いうなり声を上げながら走り回っているのを目にしました。
懐中電灯の光を向けると、影たちは木々の間へすばやく消え、その背には赤く光る目が二つずつ、ちらちらと揺れていました。
その事件を皮切りに、やがて町のあちこちで「悪魔を見た」という証言が相次ぎました。体長はおよそ1メートル前後、毛むくじゃらで、二足歩行も四足歩行もする。人間に似た顔立ちだが、耳が尖り、歯が異様に長かったといいます。
ヒューマノイドタイプで、UMA的に考えれば「獣人」の一種ということになるでしょう。
― 住民たちの恐怖と「封じられた森」 ―
通報を受けた警察は夜間パトロールを強化しましたが、一度たりとも姿を確認できた者はいませんでした。
ただし、森の入り口付近で小さな人型生物のような足跡が見つかりました。それは子どもの裸足よりやや小さく、しかも指の数が4本しかなかったといいます。
やがて噂は町を覆い、住民たちはその森を「デビルズ・ウッズ(悪魔の森)」と呼ぶようになりました。夜に近づく者はなく、やがてその一帯は立ち入り禁止区域となりました。
― サスカッチの子か? ―
未確認動物学者たちはこの「ノースポート・デビル」を、フロリダ各地で報告される「スワンプ・エイプ./スカンク・エイプ (Swamp Ape/Skunk Ape)」――つまり南部版サスカッチと関連付け、彼らの幼体ではないかと推測しています。
しかし一方で、先住民族セミノール族の伝承にもノースポート・デビルと「似た存在」が登場します。それは「チャハラ(Chahala)」と呼ばれる森の精霊。
子どもの姿をして人を森へ誘い込み、二度と戻らせないという「悪戯好きの影」です。つまり、ノースポート・デビルズはUMAというより、現代に蘇った伝承の化身といった側面が強いといえます。
日本でいうところの「河童伝承」にも通じるものがあるのかもしれません。
― 現代に続く目撃報告 ―
奇妙なことに、2000年代に入ってもこの町ではときおり「赤い目」の目撃情報が上がっています。住宅街の裏庭に置かれた防犯カメラには、小さな影が走り去る姿が一瞬だけ映っていました。
解析の結果は「動物の誤認」とされましたが、撮影者は納得しませんでした。
「決して犬なんかじゃない。あれはまるで――そう、人間の子どものようだった」
― 闇に消えたノースポート・デビル ―
ノースポートの夜の湿気は重く、遠くで蛙の声が響きます。森を見つめると、黒い樹々の隙間から、何かがこちらを見ている気がする――。
しかし気を取り直して歩いても、その背中に感じる視線は消えません。振り返る勇気が湧かない――その視線は、あの小さな悪魔たちのものかもしれないのだから。
ノースポート・デビル。
今もこのフロリダの湿地のどこかで、赤い目を光らせながら静かに息づいているかもしれません。
(参照サイト)
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