今回はウィニペゴシス湖 (Lake Winnipegosis) の怪物、ウィニポゴ (Winnipogo) です。
まずはとっても紛らわしい湖とそこで目撃されるUMAの名前から解説しましょう。
カナダ、マニトバ州にあるウィニペゴシス湖は同州3番目に大きな湖で、すぐ東にはマニトバ州最大の湖、ウィニペグ湖 (Lake Winnipeg) があります。
さらに北にはシーダー湖 (Cedar Lake)、南にはマニトバ湖 (Lake Manitoba) があり、すべての湖でUMAの目撃があります。
この中でもっとも有名なUMAはマニトバ湖で目撃されるマニポゴ (Manipogo)、続いて今回紹介するウィニペゴシス湖のウィニポゴです。
シーダー湖で目撃されるUMAには特別なニックネームはなく単に「シーダー湖の怪物」と呼ばれる程度です。
問題はウィニペグ湖で、ウィニペゴシス湖と名前が似ていることから、混同されているのか理由はよくわかりませんがこちらもウィニポゴと呼ばれたりしているようです。
この2つの湖の名が似ているのは実は当然で、ウィニペグ湖に対してウィニペゴシス湖という名が命名されたからです。
「ウィニペグ (Winnipeg)」は「大きな泥水」を意味し「ウィニペゴシス」は「ちいさな泥水」を意味します。
さてウィニポゴですがその姿は典型的なカナダのレイク・モンスターでシーサーペントタイプ (ウミヘビ状) です。
マニポゴと比較するとぐっと目撃情報は減りますが、それでもいくつかの興味深いものが散見されます。
記録に残っている初めての目撃証言は1909年、ヴァレンタイン・マッケイ (Valentine McKay) 氏によるものです。
湖岸から400ヤード (約360メートル) も離れていましたが大きな生物が泳いでいるのがわかったといいます。
体長は20フィート (約6メートル) ほどで時速2~3マイル (約3.2~5キロ) 程度のゆったりとしたスピードで泳いでいました。
その後角があった、という目撃情報もあります。
しかしこれはヘラジカ等が湖に入り込み泳いでいるのを誤認した可能性も考えられます。
1930年代にはウィニポゴに魅了された男性、オスカー・フレデリクソン (Oscar Frederickson) 氏によってウィニペゴシス湖の湖岸で謎の骨を発見します。
UMAで物理的な証拠が発見されることは極めてまれであり、しかも生物を特定するのにもっとも重要な手掛かりとなる骨が手に入ったのです。
なんというラッキーなことでしょう、と思う間もなく、保管していた建物が火事により骨もろとも消失、、、
多くのみなさんの頭の中は不信感でいっぱいに違いありません。
UMAの物理的証拠は往々にして紛失・盗難に憂き目にあうという信じられないような不幸がセットとなっていることが多々あります。
しかしご安心あれ、フレデリクソン氏は記憶を頼りに木製のレプリカを作成、専門家による学術的な調査の依頼を希望しました。
(バシロサウルスの全身骨格)
(image credit by Wikicommons)
そんなん調査してくれる専門家おらんやろ、と思うなかれ、マニトバ州立大学のジェームズ・マクラウド博士 (Dr. James McLeod) が快諾、フレデリクソン氏はお手製の骨格標本を博士に持参します。
博士はそのレプリカを見るなりたいへん驚愕したといいます。
というのもそのレプリカは400万年前には絶滅したクジラの脊椎に酷似していたからです。
といってもそのクジラの種類までは分かりません。
400万年前というと生物的にはわりと最近ですし、カナダのレイク・モンスターの正体として頻繁に候補に挙がるバシロサウルスは3300万年前にはすでに絶滅しています。
ここで引っかかっている人がいるはずです。
記憶で作った木製の骨格標本を持ち込むフレデリクソン氏、、、そしてそんなもの (失礼!) の調査を快諾する優しいマクラウド博士、、、B級映画のワンシーンですらお目にかかることのできない特異なシチュエーション。
みなさんの頭の中には再度両者に対する不信感でいっぱいになっていることでしょう。
いくらみなさんが怪しもうが事実なのだから仕方がありません。
そもそもこのふたり、本当に実在する (した) のか?すら怪しむ人もいると推測されますが、少なくともインタビュー等からフレデリクソン氏は (高確率で) 実在しますし未確認動物学者のロイ・P. マッカル (Roy P. Mackal) 博士のウィニポゴに対する発言からマクラウド博士も実在しているようです。
ちょっぴり変わった歴史を持つウィニポゴですがどうぞこの機会に覚えておいてください。
尚、ウィニペゴシス湖はマニトバ湖と繋がっているのでマニポゴとウィニポゴは同一の生物を指しているのではないか、ともいわれます。
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