2022年7月11日月曜日

車3台分の巨大魚 ~ ホワイト・リバー・モンスター (ホワイティ)


■車3台分の巨大魚 ~ ホワイト・リバー・モンスター

ホワイト・リバー・モンスター (White River Monster) は、アメリカ、アーカンソー州・ミズーリ州に跨る長大な河川、ホワイト川 (White River) で目撃されたUMAです。

ホワイト川は日本最長の信濃川 (367キロ) の3倍超長さ、1.162キロを誇りますが、それでもアメリカでは17番目です。

ホワイト・リバー・モンスターはアーカンソー州のニューポート付近で目撃され、地元では愛着を持ってホワイティ (Whitey) と呼ばれます。

ネッシーの「外科医の写真」以前の目撃であることも関係しているのか、リバー・モンスターとしては珍しく首長竜等の巨大水生爬虫類系ではなく、その姿は巨大魚です。

目撃情報によれば、「幅は車、長さは車の3台分」といわれており、路線バスほどもある巨大魚をイメージしてもらえればいいかと思います。

はじめて目撃されたのは1915年、グレーの肌をしているのが特徴です。

北米の河川に生息する巨大魚といえばアリゲーターガーチョウザメであり、これらの生物はリバー・モンスターの正体として候補に挙がることも多い生物です。

しかしホワイティの正体としてアリゲーターガーやチョウザメが出てきているのをあまり見かけません。

(アリゲーターガー)

むしろ、ホワイティのイメージイラストは特に明言はされていないものの、ダンクレオステウス (Dunkleosteus) やシファクティヌス (Xiphactinus) 等、絶滅巨大魚をモチーフにしているように思われることから、そっち方面を正体とすることに人気があるようです。

ダンクレオステウスは最大で約9メートル、4トンに、シファクティヌスも6メートル以上、1トン近くに成長したといわれる海生の巨大魚です。

UMAの正体として上記のように絶滅種が挙げられることは定番ですが、ホワイティは淡水生ということで、敢えて絶滅種を候補に挙げるとすれば、淡水生の絶滅巨大魚、リゾドゥス (Rhizodus hibberti) やヒネリア (or ハイネリア, Hyneria lindae) のほうがいいでしょう。

(リゾドゥス)
(Original image credit by Wikicommons)

特にリゾドゥスは最大6~7メートル、4トンに成長したといわれる史上最大の淡水魚でした。

さて、それではもう少し現実的なホワイティの正体候補を見てみましょう。

やはり前提としてバス並みの巨大魚が川を泳いでいるとは信じがたく、ずいぶんと誇張されているのではないか、と考えるのが妥当なところでしょう。

シカゴ大学の教授にして生物学者、そして未確認動物学者の肩書を持つロイ・マッカル (Roy Mackal) 博士はホワイティの正体はゾウアザラシの誤認にすぎないと結論付けています。

但し、ミナミゾウアザラシ (Mirounga leonina) の生息域は南半球のみ、しかも亜南極圏であり、あり得るとすればキタゾウアザラシ (Mirounga angustirostris) ですが、キタゾウアザラシにしても生息域は北米大陸西岸であり、北米東岸に近いアーカンソー州まではるばるやってくるのはなかなか厳しそうです。

とはいえ、バスほどの大きさのある未知の巨大魚が生息する確率と比べれば、こちらのほうが圧倒的に可能性は高いといえます。

アンチオカルトの第一人者、超常現象懐疑論者のジョー・ニッケル (Joe Nickell) さんはキタゾウアザラシの生息域と比べればまだマシな、アメリカマナティ (Trichechus manatus) をその正体として推しています。

1937年にホワイティを目撃したブラムレット・ベイトマン (Bramlett Bateman) 氏によれば「肌は象のようで、幅は4~5フィート (約1.2~1.5メートル)、体長は12フィート (約3.6メートル) ぐらい、ナマズみたいな顔つきで、、、水面近くで漂ってたね」とのこと、アメリカマナティである可能性は高そうです。

ただ、ホワイティは極端に目撃情報が少なく、1915年と1937年の目撃は同じ生物であったかどうかも疑わしく、結局、ホワイティの正体はいまだに謎、といってもいいでしょう。

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3 件のコメント:

  1. 淡水まで行けるさめいませんでしたっけ。迷子のジンベイザメとかシロワニとかありそうじゃないですかね。

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  2. ジンベイザメやイリエワニなんかも全然入ってきますが、やはり淡水に入り込めるサメといえばオオメジロザメですね~

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  3. 鮫知らない内陸の人ならなまずって思いそうですね。

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