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2025年9月6日土曜日

舐めて人を殺す幻獣は実在するとも!? ~ セグベン (シグビン)


■舐めて人を殺す幻獣は実在するとも!? ~ セグベン (シグビン)

今回はセグベン (Segben)。

表記揺れ?が多くシグベン (Sigben)、シグビン (Sigbin) とも呼ばれ、もしかするとアママヨン (Amamayong) も同一の可能性があります。

さてこのセグベン、フィリピン神話に登場する幻獣ですが、どちらかというと日本の妖怪や都市伝説的生物 (例えばカッパ) に傾向的に似ているかもしれません。

完全な夜行性で、夜な夜な人間を襲い殺すといいます。

襲い方が独特で、油断している獲物 (人間含む) に飛び掛かり、その舌で人間の皮膚を舐めます。

日本にも風呂場等の人間の皮膚からでる垢 (あか) を舐める変態的妖怪、垢嘗 (あかなめ) がいますが、直接人間に飛び掛かって舐めるわけでもなく、むしろ風呂場を掃除してくれると解釈すれば「益虫」ならぬ「益妖怪」ともいえるものの、その変態性から人間に忌み嫌われています。

まあ風呂場開けて垢嘗いたら卒倒しますからね、所詮妖怪ですし。

尚、「舐める系妖怪」にはとてつもなく長い舌で天井の埃を舐めてくれる、というか勝手に舐める天井嘗 (てんじょうなめ) なんかもいます。

こっちも人間を舐めたりもせず、また垢を舐めるという変態性癖ももちませんが、天井に舐め跡が残る、そもそも奴らの見た目がヤバい等、実害もあり変態性こそ垢嘗に劣るものの人間には垢嘗以上に嫌われた存在のようです。

さてセグベン話を戻しましょう。

日本の「舐める系妖怪」を例に挙げましたが、セグベンは直接舐めてくるという暴挙に出ますが、これは「気持ち悪い」では済みません。

舐められたものは死んでしまうといわれるからです。

セグベンに襲われ舐められたものは死して彼らのエサとなり、食べられるとも血を吸われるともいわれています。


非常に捉えどころのない生物で、その姿もはっきりとは分かっていません (但し、頭部はヤギに似ているとも) が、唯一、確実に知られているのは大きな耳を持つという点。

姿も見せずそっと近寄るセグベンですが、このトレードマークといえる「耳」こそ彼らの接近を知る唯一の材料となります。

彼らは獲物に近付くとき、この大きな耳を振るといい、その大きさから「パタパタ」という独特の音を発するため、この音が聞こえたら急いでその場を逃げることでセグベンの来襲を避けることができます。

またレアながら「悪臭」を放つ説もあるため、突然の悪臭に気付いたら逃げるという手もありそうです。

伝承によれば、セグベンは、シグビナン (Sigbinan) と呼ばれる一族のペットだといい、彼らはセグベンを自由に操ることができるため、ふだんはペットとして泥でできた壺に飼っており、夜間に放しているといわれています。

さてさて、途中で日本の妖怪を挟んだため、より存在しそうもないUMAのようにみえますが、「舐めて人を殺す」というのを除けば、見た目は「大きな耳をしたヤギ」であり、見た目は少なくとも突飛ではありません。


悪臭を放つというのも野生動物は人間にとってはそれなりに臭いですし、野生動物は敏捷性に優れておりセグベンを出さずともその姿を夜間にはっきりと捉えるのは難しいです。

というわけで、この生物はあまり見慣れないレアな生物の目撃談によるもの、つまり実在する生物ではないかとも考えられています。

その中でも新種のカンガルーもしくはカンガルーを含む新種の有袋類説があります。

まぁ耳が大きく、鼻面もそれなりに長い動物、少ない目撃証言では体色は茶色だとも言います。

(フクロアリクイことナンバット)
(image credit: Wikicommons)

そういうわけでそんな説もあるんですが、フィリピンの諸島はウォレス線の西側に属しており、有袋類は棲息していない地域です。

ウォレス線を境に東西で動物相は全く異なり、もしフィリピンに有袋類が棲息していたらとてつもないビッグニュースにるでしょう。

有袋類なのでフィリピンには生息していませんが、有袋類界のアリクイ、ナンバット (Myrmecobius fasciatus) のような生物かもしれません。

ナンバットはアリやシロアリを主食とし、彼らをペタペタと効率よく貼り付けて捕らえることができる粘液性の唾液に覆われた細長い舌を持ちます。

んで、有袋類という条件を取っ払ってしまえば全然新種の哺乳類である可能性は残されており、セグベンの特徴である「舐める」というのを考慮すると、もしかするととてつもなく長い舌をもつ新種の動物かもしれませんネ。

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