■鉄が呼吸をはじめた日 ~ 生きた金属、ビンガムトン大学の挑戦
金属が、呼吸し、自らの意志で動き、自己修復能力を持つ――
そんなまるでSFのような話が、にわかに現実味を帯びてきました。
アメリカ・ビンガムトン大学の研究チームが、液体金属とバクテリアを融合させた「生きた電子生命体」を発表したのです。
――ついに「金属が呼吸する時代」に突入したようです。
以前に「ゼノボット」と呼ばれる、アフリカツメガエル (Xenopus laevis) の幹細胞から創られた「ロボット」が話題となりましたが、今回は金属と生命体の融合です。
「生物」と「無生物」の境界線がますます曖昧になってきましたね。
― バクテリアが、金属を動かす ―
研究チームが使ったのは、常温で液体となるガリウム・インジウム合金 (EGaIn)。
そこに、電気を発生させるバクテリアの一種、金属還元細菌ジオバクタ― (Geobacter sulfurreducens) を加えたのです。
注目すべきは、このバクテリアが持つ「金属から直接エネルギーを引き出す」という特異な生態です。
まさに自然界のサイボーグとも言えるこの微生物が、人工的な金属に「生命の息吹」を吹き込んだのです。
すると、金属の中を電子が流れ、まるで細胞膜のように化学的エネルギーが循環しはじめたのです。
この合体体は「外部電源なしで自己駆動」し、ダメージを受けても「修復」します。
しかも、バクテリアの代謝が止まると活動も止まる――つまり、これは「死の概念を持つ金属」です。
研究者たちはこの現象を「リビング・エレクトロニック・システム (Living Electronic System)」と呼び、「電子工学と生命科学の境界を越えた」とコメントしています。
― 科学が生んだ「半生物」の衝撃 ―
このニュースを報じたサイエンス・アラートやテック・エクスプローは、「金属が生命の定義を侵食し始めた」と評しています。
それもそのはずです。
この液体金属は、バクテリアの「呼吸」によって電気信号を生み、外部環境に反応します。
つまり、感じて、動く金属なのです。
研究チームはこれを「知能のある素材」の初期形態と位置づけ、将来的には「自己修復する回路」や「生体インターフェイス素材」への応用を目指しています。
――それはもしかするとサイボーグを超えた「金属生命体」を誕生させるかもしれません。
― スライムの夢か、ターミネーターの予告か ―
動く金属。治る金属。死ぬ金属。
それは、映画『ターミネーター2』に登場した液体金属T-1000が現実化する序章かもしれません。
ビンガムトン大学のプロジェクト・リーダー、サイード・ラシディ博士はこう語ります。
「我々は生命と機械の間に『中間地帯』を創りつつある。」
その中間地帯こそ、UMAファンが昔から愛してきた領域――
「生き物と無生物の境界がぼやける場所」なのかもしれません。
― 科学がUMAを創る時代へ ―
20世紀のUMAたちは森や湖から現れました。
21世紀のUMAたちは、さらに研究室の培養皿の上からも現れます。
生物と金属が手を取り合う時代。
もしかすると、UMAという言葉の意味も、もう一度定義し直さなければならないのかもしれません。
次に生まれる「未知の生物」は――
もしかすると、「生まれた」というより「組み立てられた」存在になるかもしれません。














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