■北海道にサイが棲息している!? ~ 大沼のサイ (オオヌマ・ファントム・ライノ)
大沼のサイ (Ohnuma/Onuma Phantom Rhino)
オカルト研究家の山口敏太郎さんの著書『日本の未知生物案内』でしか読んだことがないのですが、それによると北海道の駒ヶ岳、大沼湖周辺でサイに酷似した生物が目撃されたことがあるというのです。
大沼とは北海道渡島総合振興局七飯町 (ななえまち) ある湖です。
時期的には幕末ということなので19世紀半ばぐらいということになります。
なんでも、後にジャーナリストとして活躍した栗本 鋤雲 (くりもと じょうん) 氏が医師である森 立之 (もり りっし) 氏へ宛てた手紙の中にこのような一文があったといいます。
「駒ケ岳には異獣が出る。その異獣の額には一本の角があり、時おり鹿部川を遊泳したりする。英国人、フランス人を帯同したところ、二人とも目撃し、間違いなくサイだと証言した。現在、鉄砲名人の吉良 左馬之助が銃で狙っているが、吉報はまだない」
いわゆるUMA用語でいうテレポートアニマルというやつですね。
テレポートアニマルとは既知動物であるも、棲息していない地域で目撃される生物の総称です。
巨大なイノシシを誤認したのでは?
本州以南に住んでいるとそう思ってしまいますが、北海道に原則イノシシは棲息していません。
ただ、当時の北海道での養豚事情は分かりませんが、家畜のブタが脱走し野生化した場合、巨大化した上に先祖返りするとイノシシのようになることがあるため、それを誤認した、なんて可能性はほんの僅かはあるかも?
ただ幕末の北海道ということなので養豚業が盛んとは思えずその可能性は限りなくゼロに近そうではありますが。
UMAでいうとドゥー湖の怪物を彷彿とさせます。
(ドゥー湖の怪物)
ということで、UMAの正体といえばやはり筆頭候補は絶滅動物に求めるのがセオリー。
実際のところ日本にサイは棲息していたことはあるのでしょうか?
実はかつて (数万年~数十万年前) 日本にもステファノリヌス属 (Stephanorhinus) のサイ、ニッポンサイが棲息していたことがあります。
発見当初は新種と思われニッポンサイという和名と固有の学名 (Dicerorhinus nipponicus) が与えられましたが、ユーラシアおよび東アジアに広く棲息していたステファノリヌス・キルクベルゲンシス (Stephanorhinus kirchbergensis) のシノニム (同種) 扱いになったようです。
(Stephanorhinus etruscus の全身骨格)
(original image credit: Wikicommons)
英名はメルクサイ (Merck's rhinoceros) といい、この呼び名は、このサイに初めて学名 (現在は無効) をつけたドイツ人医師カール・ハインリヒ・メルク (Carl Heinrich Merck) 氏の名にちなみます。
最大で体長4メートル、肩高1.8メートル、体重3トンと見積もられ、ステファノリヌス属の最大種のひとつでした。
現在のサイと同じぐらいですね。
日本の栃木県、山口県で化石が発掘されており、3メートルほどとやや小柄だったようです。
北海道にも生息していたかどうかは分かりませんが、UMAの正体の定番、絶滅種の候補として取り敢えずこのサイを筆頭に挙げておきましょう。
(参考文献)
「日本の未知生物案内」(山口敏太郎著)
(関連記事)
ここにいっぱい情報載ってましたhttp://www2.town.nanae.hokkaido.jp/rekisikan/menu_4/densetsu/saika.html
返信削除コメント&ご情報ありがとうございます。
削除後日談では同地区で謎の生物が捕まってるんですね~