■巨大キーウィは存在するか ~ ロア・ロア (ロアロア)
飛べない鳥、走鳥類 (平胸類) といえばアフリカのダチョウ (Struthio camelus) がやはり有名です。
他にも、ニューギニアを中心にインドネシアやオーストラリアに棲息するヒクイドリ (Casuarius casuarius)、オーストラリアのエミュー (Dromaius novaehollandiae)、南米のレア (Rhea americana) なんかがいます。
絶滅種であればなんといってもエピオルニス (Aepyornis) が有名です。
エピオルニス科の最大種、ヴォロンベ・ティタン (Vorombe titan) は体重800キロなんていわれています。(ヴォロンベ・ティタンは今後エピオルニス・マクシムス (Aepyornis maximus) に再分類されるかもしれません)
(ヒクイドリ)
(image credit: Wikicommons)
体重は遥か届きませんが、背の高さだけならニュージーランドのジャイアント・モア (Dinornis maximus) で最大4メートルに達したともいわれています。
さて絶滅種に話が飛びましたが現生の走鳥類がひとつ抜けています、ニュージーランドのキーウィ(Apteryx) です。
現生種の走鳥類の中で突出した小ささで体高は40~45センチとニワトリほどしかありません。
しかしこのキーウィを巨大化させたような走鳥類系のUMAがいるといいます。
今回の主役、ロア・ロア (Roa-roa) です。
目撃証言によるとロア・ロアの体高は七面鳥ほど (約1.2メートル) で、5種知られるキーウィの中で最も身長が高いのがオオマダラキーウィ (Apteryx haastii) の45センチの3倍近いの大きさがあります。
色はグレーであったり濃紺であったりとあまり一定してないようですが、膝のあたりまで羽毛で覆われているといいます。
人間が持ち込んだイヌやネコといった外来種から既知のキーウィたちは身を守る術がないのに対し、ロア・ロアはそのキーウィとしては巨体であり野犬たちとも互角以上に渡り合えるといいます。
ヒクイドリのナイフのようなカギ爪は時に人間をも殺傷することがありますが、ロア・ロアもまた鋭いかぎづめを有し、外敵と戦う場合は飛び上がってカギ爪で応戦するといいます。
但し、どこからどうみても平和そのものに見えるキーウィはその見た目通りカギ爪は持ちません。
(アップランドモアの足)
(image credit: Wikicommons)
こういった事実から、未確認動物学者ベルナール・ユーヴェルマンス (Bernard Heuvelmans) 博士はロア・ロアの正体として小柄なモア、ブッシュモア (またはリトル・ブッシュ・モア, Anomalopteryx didiformis) を、カール・シューカー (Karl Shuker) 博士はアップランドモア (Megalapteryx didinus) をそれぞれ候補に挙げています。(※どちらも和名が不明なので英名で読んでいます。無理矢理和名にするならそれぞれ「ヤブモア」と「コウチモア」です)
ブッシュモアは体高が1.3メートルとほぼ七面鳥サイズ、アップランドモアはモア最小種のひとつで体高は1メートル未満、いずれも大きさ的にはロア・ロアに近いものです。
またモア類は足の爪もキーウィと比べ発達していることからもロア・ロアを「大柄なキーウィの仲間」と考えるよりも「小柄なモアの仲間」と考えた方が習性的にも近そうです。
尚、はっきりしないもののブッシュモアもアップランドモアもジャイアントモア (Dinornis maximus) と同時期 (16 ~18世紀?) にマオリ族により絶滅させられたと考えられています。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿