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2026年5月19日火曜日

1836年に新聞に掲載された怪物 ~ マニトゥ湖の怪物


■1836年に新聞に掲載された怪物 ~ マニトゥ湖の怪物

【ログアンスポート・テレグラフより】

1838年4月11日付け

― デビルズ・レイク ―

インディアナ州北部には、多くの美しい小湖が点在し、やや開けた土地に大きな趣を添えております。ログアンスポートからおよそ二十五マイル、ロチェスター付近に、このような湖の一つがございます。長さ約二マイル、幅約半マイル、深さは未だ知られておりません。かつて十三ファゾムの測深線をもって水深を測ろうと試みられましたが、いかなる結果も得られませんでした。

この湖には、ポタワトミ族の古くからの伝承がございます。世代を超えて伝えられ、今では白人にも広く信じられております。伝承がいつ頃ポタワトミ族の間に伝わったかは正確には定かではありませんが、おそらく数世紀前、北の険しい水域を越えてこの地に移住してきた時期と重なるものでしょう。移住以前、この土地はミアミ族の占有地であり、ポタワトミ族はその授与によりワバシュ川北方の土地を得たと伝えられます。

この伝承は、インディアンの迷信によるものではなく、この湖には巨大な生物が生息していた、そして現在も生息している――という可能性を否定しがたいものとされます。

インディアンはこの湖を「レイク・マニトゥ」、すなわちデビルズ・レイクと呼びます。その恐怖のため、湖面にカヌーで乗り出す者はほとんどおりません。湖で漁をすることも、泳ぐことも避けられ、「マニトゥ」すなわち邪悪な霊がこの澄んだ水域に棲むと固く信じられております。

信じがたい話と思われるかもしれませんが、この美しい湖に、非常に異常な生物が棲むという事実は、我々にとっても、18インチの歯を持つマンモスの化石が町の二マイル先の草原で発見されたことよりも驚くべきことではありません。数日前に湖マニトゥでその怪物を目撃したという、信頼に足る人々の証言もございます。

十年前、ポタワトミ族の製粉所建設の際、湖の流出口付近で、この怪物は目撃されました。ジェネラル・ミルロイの指揮下で作業にあたっていた人物によるもので、その正体を疑う者はおりません。

二週間前、ロビンソン氏らが湖で漁をしていたところ、水面が何者かの泳ぐ動きによって波立つのを目にしました。その生物はおよそ六十フィートに及ぶと推測されます。ロビンソン氏らは冷静で知られた人物ですが、あまりの恐怖に急ぎ岸に戻ったとのことです。

さらに数日前、リンジー氏は湖岸付近で馬に乗っていた際、水面から三~四フィート頭部を持ち上げる動物を目撃しました。岸の安全圏にいた彼は、数分間その謎の生物を観察し、三度にわたり姿を現したり隠れたりするのを確認しました。頭部の幅はおよそ三フィート、牛の頭の輪郭に似るものの、首は細長く蛇のような形状、色はくすんだ色に大きな黄色い斑点がありました。頭を左右に動かし、周囲を見渡す仕草も確認されました。リンジー氏の信頼性は高く、目撃者の証言は多くの人々を納得させています。

その存在を確かめるため、町の有志の間では、筏を使って湖に出て、この謎の生物を捕獲しようという計画も検討されているとのことです。超自然的恐怖の対象であると同時に、科学者や自然哲学者にとって興味深い研究対象となるでしょう。

――湖の訪問者より

― 悪魔の潜む湖 ―


今回はマニトゥ湖の怪物(Lake Manitou monster)。

原文では、湖の名が“Lake Man-i-too”と表記されていますが、現在そのスペルの湖は存在しません。

しかし「ログアンスポートから約25マイル、ロチェスター付近」という記述から、インディアナ州フルトン郡ロチェスターにあるマニトゥ湖(Lake Manitou)を指していると考えられます。

新聞記事の中では、この怪物の存在を説明する例として、18インチ(約45センチ)もの歯を持つマンモスの化石が発見されたことが引き合いに出されています。

当時の新聞ではこうした巨大なゾウの化石は一括して「マンモス」と呼ばれることが多く、現在ではその特徴からマストドンMastodon)であった可能性が高いと考えられています。

かつてこの地を闊歩していたマストドンが、その巨大な牙を草原に残したように。

ポタワトミ族が恐れたマニトゥもまた、この湖を支配する「現実の巨獣」の生き残りだったのかもしれません。

― マニトゥ湖の怪物 ―


記事によれば、この怪物の体長はおよそ60フィート(約18メートル)。

湖面から持ち上げた頭部だけでも高さ3~4フィート(約1メートル)ほどあり、首はヘビのように細長く、頭部は牛に似ていたといいます。

さらに、その体色はくすんだ色合いで、黄色い大きな斑点が散らばっていたとも記録されています。

ちなみに「マニトゥ(Manitou)」という言葉は、アルゴンキン語族の文化において「精霊」あるいは「自然界に宿る超自然的な力」を意味します。

入植者たちはそれを便宜上「悪魔(Devil)」と訳しましたが、先住民にとってそれは必ずしも悪しき存在ではなく、自然の中に宿る畏怖すべき力そのものだったのでしょう。

牛の頭を持ち、湖面から首をもたげて周囲を見渡すその姿は、彼らにとって湖そのものの化身のように映ったのかもしれません。

― 人造湖の謎 ―


ここで一つ、奇妙な事実に突き当たります。

マニトゥ湖は1827年、ダムによって形成された人造湖であるという記録が残っているのです。

もしそうだとすれば、数世紀前から語られていたという怪物の伝承はどこから来たのでしょうか。

もともとこの場所に存在した沼や水域に棲んでいたのか。
あるいは、水が堰き止められたことで地下の水脈から何かが現れたのか。

1838年、新聞が伝えた遠征計画の結果は残されていません。

その正体は結局のところ、インディアナの静かな湖の底に、今も沈んだままなのかもしれません。

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