■その正体は有袋類のゾウか? ~ レッド・エレファント
類縁関係が遠いにもかかわらず、似たようなニッチ (生態的地位) につくと似通った外見を持つように進化していく場合があります。
これを収斂進化 (しゅうれんしんか) といい、その例として最も分かり易いのは哺乳類の有胎盤類と有袋類の関係です。
UMA系で代表的なものを例に挙げればフクロオオカミ (タスマニアタイガー) とオオカミ、ティラコスミルスとスミロドン (サーベルタイガー)、ティラコレオ (フクロライオン) とライオンようなの関係のようなやつです。(※前者が有袋類)
フクロシリーズに有胎盤類に該当するものが全部いるのか?といわれるとそりゃ無理ですが、特に小物であれば割と揃っています。
ただオオカミやライオンを超える大型種となると厳しくなり、フクロゾウ、フクロカバ、フクロサイ、フクロキリンといったものは存在しません。
そんな中、もちろんUMAではありますが、フクロゾウの存在は一縷の望みがあります。
1952年、アメリカ海軍のベルナント少尉と技師のステート氏がニューギニア島北西部、インドネシア領のナッソー山脈上空を低空飛行している際に、謎のゾウの大群を目撃しました。
大渓谷に連なる草原をゾウの群れが駆けていたといいますが、もしかするとそれは聞きなれない飛行機の音に驚いたのかもしれません。
トレードマークの長い鼻、大きな耳、そして一対の湾曲した大きな牙、二人は間違いなくそれをゾウの群れと確信しました。
しかもそのゾウたちがもっとも奇妙だったのは赤い肌をしていることでした。
レッド・エレファント (赤い象, Red elephant) です。
ボルネオ島までであればアジアゾウの亜種、ボルネオゾウ (Elephas maximus borneensis) がギリギリ棲息していますが、ニューギニアにゾウは棲息していませんし、棲息していたこともありません。
ボルネオ島とニューギニア島はウォレス線で分かれており、動物相が異なるため、ボルネオゾウがアジアゾウの最東端なのでしょう。
と、ここで冒頭でグダグダ話していた有袋類に登場していただきます。
そう、ニューギニア島に過去も現在もゾウが棲息していない以上、ニューギニアの動物相からこのレッド・エレファントの正体を有袋類のゾウ、フクロゾウということにしておきましょう。
UMAなんだからこれぐらい許してもらえるはずです。
レッド・エレファントの大きさについて二人の証言では語られていませんが、島嶼化 (とうしょか) により大型の動物は矮小化する傾向があるため、一般的なアジアゾウと比較し小柄だったに違いありません。
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