このブログを検索

2025年1月16日木曜日

伝説の湖、藻が湖の主 ~ 寒河江のオオトカゲ


■伝説の湖、藻が湖の主 ~ 寒河江のオオトカゲ

今回は「寒河江 (さがえ) のオオトカゲ (Sagae giant lizard)」。

寒河江氏は山形県にある市で、山形盆地の西部に位置しますす。

この山形盆地にはかつて「藻が湖 (もがうみ / Moga-umi)」と呼ばれる湖があったという伝説があり、その伝説の湖に棲息していたのが寒河江のオオトカゲです。

伝説の湖の伝説の生物、という実在する (していた) には二重のハードルがあります。

東北芸術工科大学のサイト、web magazine GGさんによれば、

「山形盆地の中央はかつて“藻が湖”といわれる大きな湖となっていましたが、碁点山を開削して水を流して湖を干上がらせた」

という伝承が山形県村山地方に残っているそうです。

また、開削したのは奈良時代の僧侶、行基 (ぎょうき / ぎょうぎ)、平安時代の僧侶、円仁 (えんにん) といわれることからも分かる通り、これは7~8世紀の話、この時点で湖は既に消失しており、これを証明する当時のめぼしい文献は現在のところ残っていないようです。

但し口伝えで伝承は残り、寛政4年(1792)に書かれた「乩補出羽国風土略記」に「古代の村山地方は山形と天童方面だけが陸地で、六田、楯岡、大石田辺りまので7、8里 (約27.5~31.5キロメートル) は湖であった」の記載があるといいます。(同 web magazine GG さんより)

これが本当であれば、日本で第4位にして東北最大の湖、猪苗代湖の直径 (16キロメートル) を上回る巨大な湖であったことが分かります。

さて、前述の通り、湖自体も伝説ですが、この湖、もしくは周辺にはオオトカゲ (に似た生物) が棲息していたといわれており、寒河江の町を荒らしたという伝承も残っています。

寒河江の人々は湖のオオトカゲから逃れようと長岡山の松林に入ったものの、怪物は執拗に追いかけてきました。

すると林の奥から松の精霊が大蛇に変身しオオトカゲと戦い、ついには丸呑みにし、また松の姿に戻ったといいます。

最後の方は完全によくある昔話になっていますが、現在から1300年も前に存在したという伝説の湖とそこに住む未知の巨大爬虫類は興味を引く組み合わせです。

この寒河江のオオトカゲは完全な水棲かどうかは分かりませんが、湖を使って自由にその周りの村へ行き来していたことから水棲もしくは半水棲の爬虫類と考えられます。

水辺を好む習性と獰猛さ等を考えるとむしろワニの方が都合よく、寒河江のオオトカゲはワニだったかもしれません。

(マチカネワニ)
(image credit: Wikicommons)

現在も、そして当時も日本にワニは棲息していませんがかつて日本にも大型のワニ、マチカネワニ (Toyotamaphimeia machikanensis) が棲息していました。

マチカネワニは体長は7メートルを超す大型のワニで現存する最大種のイリエワニ (Crocodylus porosus) の最大クラスの大きさを誇ります。

30万年前にはすでに絶滅していたと考えられており、たかだか僅か1300年前にマチカネワニが生き残っていたとは到底考えられませんが、UMAの正体は古生物、特に恐竜の生き残りは茶飯事です。

恐竜と比べればぐっと敷居が下がるマチカネワニをロマン枠で、寒河江のオオトカゲの正体のひとつとして挙げておきましょう。

(参照サイト)

(関連記事)




2 件のコメント:

  1. トカゲの話は普通に作り話だったりします
    (参考:https://www.asahi.com/sp/articles/ASN9P6SQRN99UZHB00S.html)

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      まあ伝承系のものは突き詰めると仕方がない感じはありますけどね。
      でも本当に最近できたものだったのですね~
      ご情報ありがとうございました。

      削除