■カニはとんでもなくバカなのか?
ごく稀に、「カニ味噌」を「カニの脳みそ」と勘違いしている人がいますが、万が一にも、あれはカニの脳ではありません。
カニ味噌の正体は中腸腺(ちゅうちょうせん)といい、脊椎動物の器官に例えると、肝臓とすい臓をあわせたような器官です。
仮にカニ味噌と同じ大きさの脳をカニが持っているとしたら、おそるべき知能を備えていたに違いありません。
しかし、それは事実ではありません。
実際、カニの脳は驚くほど小さく、カニよりもはるかに体の小さなミツバチの脳の1/10以下しかないといわれています。
というわけで、「おそろしく知能が低いのではないか?」、乱暴な言い方をすれば「とんでもないバカなんじゃないか?」という疑惑を持たれているカニたちが、本当にバカなのかを試す実験が行われました。
― カニ、迷路に挑む ―
(汚名返上に挑む!ヨーロッパミドリガニ)
(image credit: Wikicommons)
人間たちに、体に対する脳の比率だけで勝手に「バカ」のレッテルを貼られているカニの代表として選ばれたのは、ヨーロッパミドリガニ(Carcinus maenas)12匹です。
カニ界の威信にかけても頑張りたいところです。(本人たちにその自覚は皆無だと思われますが。)
お題は「迷路」。
脳を持たない粘菌、フィサルム・ポリセファルム(Physarum polycephalum)ですら時間をかけて迷路を突破しているのですから、微小ながらも脳を持つヨーロッパミドリガニには期待したいところです。
スタートからゴールまでには分岐点が5か所あり、そのうち3か所は行き止まり。
正解ルートはただ1つしかありません。
見事ゴールした場合には、ご褒美としてムラサキイガイ(ムール貝/Mytilus galloprovincialis)の身が置かれています。
4週間にわたり、週に1度だけ迷路に挑戦させましたが、一度も間違わず正解ルートを走破したヨーロッパミドリガニは1匹もいませんでした。
やはりカニは噂に違(たが)わぬバカだったのでしょうか?
― 学習能力はあった! ―
ところが、間違いは少しずつ減っていきました。
それから2週間後、もう一度ヨーロッパミドリガニたちに、ご褒美なしで迷路へ挑戦してもらったところ、全員が8分以内にゴールへ到着したのです!
一方、訓練を受けていないヨーロッパミドリガニの平均走破タイムは39分。
5匹に至っては1時間オーバーだったそうです。
もう途中で熟睡していたに違いありません。
このことから、トレーニングが実を結んでいたことは明らかであり、2週間前の記憶を頼りに迷路を効率よく走破できることが判明しました。
カニは決してバカではありませんでした。
むしろ、小さな脳にもかかわらず、しっかりと学習し、記憶する能力を備えていたのです。
カニ界の名誉は、どうやら無事に守られたようです。
(参照サイト)
New Scientist
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カニ味噌ってカニの脳みそだと思っていましたw
返信削除勉強になりました🦀
あれが全部脳ならかなり頭良さそうですよね
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