■地底人?洞窟人? ~ ソンドン洞のデビル・クリーチャー
ベトナムのフォンニャ・ケバン国立公園にソンドン洞 (Hang Sơn Đoòng / Son Doong Cave) と呼ばれる洞窟があります。
この洞窟はつい最近といっていいほどの1991年、当時、沈香 (じんこう) を採るために違法伐採者として働いていたホー・カーン (Hồ Khanh) 氏によって偶然に発見された洞窟です。
幹線道路からかなり離れている上に上空からも判断不可、地形的に近づくのも困難な場所にあったことで長い間発見を逃れてきた洞窟です。
本格的な調査が入ったのは2009年のことで、洞窟の幅は150メートル、高さ200メートル、9キロメートルの長さがあり世界最大の自然洞窟といわれています。
さて、発見も調査もつい最近ということもあり、観光地として一般公開されたのは2013年、まだまだ謎に満ちた洞窟ですがここにUMAが棲息しているといいます。
(デビル・クリーチャー)
その噂が流れたのは2014年に公開された1枚の写真。
この写真はこの洞窟が発見された翌年、つまり1992年に撮影されたものだといい、撮影したのはこの洞窟の発見者、ホー・カーン氏だというのです。
暗い洞窟内ということもありその写真はかなり不鮮明です。
頭部と上半身の一部しか確認できないものの、爬虫類の特徴を持つヒューマノイド系のUMAを彷彿とさせ、アメリカ、サウスカロライナ州のリザードマン (トカゲ男) と似ているかもしれません。
これをソンドン洞のデビル・クリーチャー (Devil Creature of Son Doong Cave) といいます。
長らく人跡未踏だった巨大な洞窟、未知の生物、もしくは地底人・洞窟人といった未知の人種が棲息しているのでは!?
とはいえ、たった1枚の写真であり、本当にそれが生物を写したものだったのか、それとも心霊写真等に多いパレイドリア (無秩序なパターンを既知のパターンに当てはめて、そこに何かがあるように錯覚してしまう心理現象) の産物だったのか判断が難しいところです。
但し、UMAファンには悲報があります、この「ホーカン氏により撮影された」というバックグラウンドストーリーはかなり信憑性が低いと言わざるを得ないのです。
というのも、ホー・カーン氏はこの洞窟を偶然に見つけて以来、長らくその場所を特定できず再訪することができていなかったのです。
2006年、新たな洞窟探索を行っていたイギリス洞窟研究協会がホー・カーン氏が発見したという伝説の洞窟の噂を聞きつけ、カーン氏と共同で探したもののそれでも見つけることはできず、ホー・カーン氏が単独で3年後の2009年になってやっと見つけたほどでした。
つまり発見した1991年から2009年の間、ホー・カーン氏はこの洞窟に訪れておらず、1992年に撮影されたというストーリーは矛盾しているのです。
というわけで、絶対ではありませんが誰かがホー・カーン氏の名を使ってデビル・クリーチャーを捏造した可能性があります。
ちなみにホー・カーン氏はこの洞窟を発見後、違法伐採から足を洗い真逆の自然保護活動家に転身、現在では自らが見つけた洞窟の観光ツアー業を行っています。
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