■下水道にはワニとイヌのハイブリッドが棲むらしい ~ クロコディンゴ
今回はクロコディンゴ (Crocodingo)。
クロコダイル (crocodile) とディンゴ (dingo) のかばん語で、頭部がクロコダイル、体がディンゴに似た典型的なハイブリッド・クリーチャーです。
以前に紹介したアメリカ、バーモント州モンペリエ (Montpelier) で目撃されるアライグマとアリゲーターのハイブリッド・クリーチャー、クーニゲーター (Coonigator) と似ていますね。
さてディンゴはハイイロオオカミ (Canis lupus) の血を引くオーストラリアの野犬なので、クロコディンゴはオーストラリアのUMAか?と思うでしょうがそうではありません。
クロコディンゴはアメリカ、テネシー州スコット郡で目撃される未確認動物です。
但し、このUMAのバックグラウンド・ストーリーはなかなか凄いものです。
クロコディンゴがはじめて目撃されたのは1839年7月31日の夜のことです。
この日、スコット郡に住むハンク・レモン (Hank Lemon) なる人物は自宅裏の空に今まで見たことがないオーロラに似た不明瞭な緑色の光を目撃ます。
するといきなり激しい稲妻のような閃光が森を貫きました。
その時、レモン氏の周りは異臭に包まれたといい、彼は後に警察にこう語っています。
「その時、空気中には遺体安置所のようなひどい悪臭が漂っていました、それになんだろう、とにかくひどい、、、これ以上ここにとどまろうものなら正気を失いそうなほどでした。」
レモン氏が呆然としていると、それから数分後「鰐の頭を持つ犬」が森を駆け抜けたといいます。
これがどういうわけかUFOと関連付けられるようになり、クロコディンゴは宇宙人が地球の生物で遺伝子実験をしたことにより誕生した産物であり、その処置に困った宇宙人が地球の野に放ったものだというのです。
オーロラのような光に見えていたものがUFOであり、閃光はクロコディンゴをUFOから放った時の光、という解釈のようです。
この話はUFO事件として捉えればそれはそれで面白いのですが、採用するとUMAとしてのクロコディンゴの存在が一気に怪しいものになってしまいます。
まあこのストーリーは後付けで考えられたものでしょうからそれほど気にすることはないかもしれません。
元からその姿を想像するにパラノーマル感は満載ですが、規格外に吻部の長い雑種の野犬を見間違えただけかもしれませんから、実在してもそれほどおかしなものではない気がします。
レモン氏の目撃以降、特に19世紀半ばを過ぎるとテネシー州ニューリバーでクロコディンゴが爆発的に目撃されるようになります。
農作物が荒らされることもないためおそらく肉食性と考えられましたが、人や家畜を直接襲った記録はなく (間接的に襲われたとみなされているものはあり) その見た目ほど危険な存在ではないようです。
自分たちが万が一にも標的にされないようにするためでしょうか、川で魚を捕らえて食べている姿がよく目撃されていたため、クロコディンゴのために川岸に餌を置くようにしていたといいます。
主な目撃は19世紀に集中していますが、20世紀に入って以降も散見されており、特に1943年の下水道作業員、ジャック・バニスター (Jack Bannister) 氏によるものは興味深いです。
バニスター氏はコヨーテに似た生き物を発見し追いかけると、その生物は自らマンホールの蓋をずらして開け、下水道の中へと逃げていきました。
マンホールの蓋を開けているときにその生物の姿をはっきりと確認したといい「頭部がアリゲーターもしくはクロコダイルに似たみすぼらしいオオカミ」と例えました。
まさにこの特徴は1世紀ほど前から目撃されているクロコディンゴの姿そのものです。
21世紀に入っても目撃が細々と続いています。
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