■雷鳴のように咆哮する首長竜系UMA ~ キクル
今回はキクル(Kikuru)。
中央アフリカのコンゴ民主共和国北東部に広がる湿地帯で語り継がれる、巨大な首長竜系UMAです。
一方、竜脚類系UMAの代表格、モケーレ・ムベンベ(モケーレ・ムベンベの目撃の中心はコンゴ民主共和国ではなく、コンゴ共和国です)の近縁種、あるいは地域による別名とも考えられており、雨季の始まり(9月~)にだけ姿を現すといわれています。
― キクルとは ―
(イトゥリの森)
(image credit: Wikicommons)
キクルが伝わるのは、コンゴ民主共和国北東部、ネポコ・イトゥリ地方の北に位置するマイカ沼沢地(Maika Swamp)です。
この生物について詳しく記録を残したのは、ベルギー植民地時代の行政官フェルナン・ヴィルメ(Fernand Wilmet)でした。
ヴィルメによれば、キクルは普段は沼の奥深くに潜んでいますが、数日間雨が降り続いた雨季の始まりになると姿を現し、必ず下流へ向かって泳いでいくと伝えられていたそうです。
― 黒いウロコを持つ巨大な首長竜 ―
キクルの全長は約10~20メートル。
全身は黒いワニのような硬いウロコに覆われ、細長い首を持つ巨大な生物として描写されています。
さらに最大の特徴は、頭部に生えた人間の腕ほどもある長い角です。
この角で密集した水辺の植物を切り裂きながら進むといわれ、密林の奥深くを悠然と移動する姿が想像されています。
また、ヴィルメはキクルが陸に上がるという話を一度も聞かなかったため、脚を持つのか、それともヒレを持つ完全な水棲動物なのかは分からないと記しています。
そのため彼は、この生物を竜脚類タイプではなく、むしろ首長竜(プレシオサウルス)タイプの生物だったのではないかと考えていました。
― 雷鳴のような咆哮 ―
キクルには、もう1つ恐ろしい特徴があります。
その鳴き声は、ゾウの鳴き声のような空を引き裂くような甲高い声ではなく、巨大な胸腔から絞り出される「重低音の地響き」だったといわれています。
湿地帯の水面を微細な波紋で揺らし、沼の底の泥ごと人間の内臓を共鳴させるような、腹の底に重く響く低周波の轟音――それは遠くの空で鳴る雷鳴そのものであり、聴く者を恐怖に陥れたと伝えられています。
また、縄張り意識が非常に強く、カヌーで近づいた人々を襲うという話も残されています。
ただし、人間を食べるといった伝承はなく、侵入者を追い払うための威嚇・攻撃だったと考えられています。
― モケーレ・ムベンベとの関係 ―
現在の未確認動物学では、キクルはモケーレ・ムベンベの地域名、あるいは非常によく似た別種として扱われることが少なくありません。
コンゴ盆地には、モケーレ・ムベンベのほかにも、ニャマラ(N'yamala)、ジャゴ・ニニ(Jago-nini)、ムビリントゥ(Mbilintu)、バディギ(Badigui)など、恐竜・巨大海生爬虫類系UMAの伝承が数多く存在しています。
その多くは、巨大な体と長い首を持ち、人里離れた湿地や河川に生息すると語られており、キクルもその系譜に属する存在と考えられています。
― 本当に恐竜は生き残っているのか ―
UMAの正体として恐竜線損説は非常に人気がありますが、現実的には非常に厳しいといわざるを得ません。
しかしながら、コンゴ盆地では古くから「恐竜のような生物」を見たという証言が後を絶ちません。
探検家ロジャー・コートニーも、イトゥリの熱帯雨林で黒人・白人を問わず「恐竜のような生物」を見たという証言を数多く耳にしており、話には誇張が含まれているとしながらも、「湿地には何らかの巨大な未知の生物が存在する可能性はある」と記しています。
また、探検家トーマス・アレクサンダー・バーンズは、イトゥリ地方の小屋に首長竜を思わせる動物の絵が描かれているのを目撃したとも報告しています。
キクルを生き残った恐竜とする説には無理がありますが、だからといって、その目撃談をすべて想像や誤認だけで片づけられるとも限りません。
もしその正体が実在する動物だったとすれば、未知の大型爬虫類や哺乳類など、まだ科学的に知られていない生物である可能性も考えられます。
しかし、世界有数の広大な熱帯雨林と湿地帯を擁するコンゴ盆地は、今なお未知の生物が潜んでいても不思議ではない場所でもあります。
水面を微細に揺らす重低音の咆哮を響かせながら、雨季の沼沢地をゆっくりと泳ぎ去る黒い首長竜――
キクルは、モケーレ・ムベンベと並び、アフリカに残された「生きた恐竜伝説」の1つとして、現在も多くのUMA研究者の関心を集め続けています。
(関連記事)





.jpg)
0 件のコメント:
コメントを投稿