■水平線の牢獄:バックルーム Level 7(Thalassophobia)
今回はバックルーム Level 7を紹介しましょう。
完全な暗闇に支配されたLevel 6を抜けた探索者は、突然、視界の開けた場所へと放り出されます。
そこには、ただ海があります。
陸地はありません。
建物もありません。
水平線だけが、どこまでも続いています。
空には太陽が見当たりませんが、暗闇でもありません。
雲に覆われた空全体から、淡いパステル色の光が降り注いでいます。
弱い風。
静かな波。
そして、どこまで見ても続く水面。
この光景を前にした時、多くの人が説明のつかない不安を覚えます。
それは単なる「海が怖い」という感覚ではありません。
見渡す限りの水面。
底の見えない深さ。
そして、自分がこの広大な空間に一人きりであるという感覚。
こうした状況が引き起こす本能的な恐怖は、タラソフォビア(Thalassophobia:海洋恐怖症)と呼ばれています。
Level 7は、まさにその感覚を体験させる階層なのです。
― Level 7 ―
Level 7は、無限に広がる平坦な海から構成される世界です。
この海は異様なほど平らで、理論上その水平線は無限遠に位置しています。
空には太陽が存在しません。
しかし暗くなることもありません。
空全体からパステル色の光が降り注ぎ、天候は常に雲がかった晴天の状態を保っています。
弱い風が常に吹き続けており、海面には小さな波が立っています。
気温と水温は約10℃で安定しています。
昼も夜も存在しません。
時間の変化を示すものが何一つないのです。
この環境は探索者に奇妙な心理状態を引き起こします。
どれだけ時間が経ったのか分からない。
ここにどれだけ滞在しているのかも分からない。
その感覚は次第に曖昧になっていきます。
こうした「時間の停滞」に対する不安は、ホロフォビア(Horophobia:時間への恐怖)と呼ばれる心理状態に近いものだと考えられています。
― 浮遊する部屋 ―
Level 7の海上には、奇妙な構造物が散在しています。
それは「部屋」です。
住宅の一室を切り取ったような構造で、壁や柱、梁がむき出しのまま空中に浮かんでいます。
外から見ると、その部屋は必ずドアを海へ向けて垂直に配置されています。
海面から見上げると、ドアが真正面に見える形です。
しかし部屋の内部では、普通の室内と同じように床へ向かって重力が働いています。
探索者はその中を普通に歩くことができます。
問題は外に出る瞬間です。
ドアの外へ出た途端、重力の方向は海へ向かって垂直に変化します。
つまり、そのまま海へ落下することになります。
この現象は、人間の直感的な物理感覚を裏切ります。
壁が床になる。
天井が崖になる。
このような感覚の矛盾は、規範的不協和(Canonic Dissonance)と呼ばれる強い違和感を引き起こし、探索者に眩暈や吐き気を生じさせることがあります。
なお、すべての部屋には必ず「EXIT」と書かれた二つ目のドアが存在します。
しかし、その先がどこへ繋がっているのかは分かっていません。
― 海底の入口 ―
Level 7の海は約30mの深さがあります。
海底は石灰岩の砂に覆われ、その下には岩盤が広がっています。
しかし海底のあちこちに、垂直の縦穴が存在します。
その内部には、海底洞窟が複雑に広がっています。
これらの洞窟こそが、Level 8へ進むための経路だと考えられています。
ただし、その入口は探索者の本能的な恐怖を強く刺激します。
海底にぽっかりと開いた穴。
その奥は完全な暗闇です。
どこまで続いているのか分かりません。
人間は、この光景を本能的に避けようとします。
それはバソフォビア(Bathophobia:深淵恐怖)です。
海そのものへの恐怖がタラソフォビアだとすれば、バソフォビアは「深さ」そのものへの恐怖です。
30mの海底。
しかし、その先には底の見えない洞窟が続いています。
探索者は、酸素と正気を削りながら、その深淵へ潜る決断を迫られます。
― Level 8への道 ―
Level 7は、バックルームにおける大きな関門です。
暗闇の迷宮だったLevel 6とは対照的に、ここはあまりにも開けすぎた空間です。
遮るもののない海。
どこまでも続く水平線。
そして、その下に広がる深淵。
Level 7は、タラソフォビア――海洋恐怖症を体験させる階層なのです。
探索者はやがて理解します。
この海から脱出する方法は一つしかありません。
水平線の向こうではなく、海の底。
暗黒の洞窟の先に、次の迷宮――Level 8が待っています。
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※本稿はBackrooms Wiki(Fandom)のLevel 7(Thalassophobia)の設定を参照し、CC BY-SA 3.0に基づき再構成したものです。
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