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2025年12月5日金曜日

シベリアで羊頭のレイク・モンスターが目撃されたという ~ シャリポホ湖の怪物


■シベリアで羊頭のレイク・モンスターが目撃されたという ~ シャリポホ湖の怪物

1991年11月中旬、シベリアのシャリポホ村の湖に、巨大で緑色の蛇のような長い胴体をくねらせて、ヒツジに似た頭を高くつきだしながら湖岸に沿って泳ぐ全長6、7mの怪物が出現した。

多数の村民の話では、怪物は水草の茂みに大きなソリが通り抜けたような跡を残して消えたという。

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今回はシャリポホ湖の羊頭怪物。

冒頭は「謎の動物の百科」(今泉忠明著) で紹介されたシャリポホ湖の怪物についての全文です。

さてこのシャリポホ湖の怪物、UMAだからもちろん謎に包まれていますが、その中でもトップクラスに謎です。

というのも、この本以外ではなかなか目にしないUMAだからです。

本来動物学者である今泉さんは、UMAの引用についてはそのまま日本のUMA本を参照しているものも多数見受けられますので、シャリポホ湖の怪物についてもUMA本からの引用かもしれません。

せめてこのシャリポホ村、もしくはシャリポホ湖についてぐらい情報が欲しいのですが見つかりません。

30年以上も前の著作だけにおそらく現在では「シャリポホ」と表記されていないに違いないと思い、探したところロシア連邦にあるバシコルトスタン共和国のアブゼリロフスキー地区に「シャリポヴォ (Sharipovo)」という村があるのが分かりました。

バシコルトスタンはシベリアにはたぶん含まれないと思うんですが、スペル的にこの村を指しているに違いありません。

なので、一応、「シャリポヴォ湖の怪物 (Sharipovo Lake monster)」と呼ぶのが正しいということになるでしょう。

(もしかして鰭脚類タイプか?)

シャリポヴォ村は人口が200人台とかなり小規模な村です。

で、調べたところ、1837年5月17日創刊のアメリカ、メリーランド州最大の日刊紙、ボルティモア・サン紙の1991年11月21日号に掲載されたようです。

内容はそれほど詳しくなく、冒頭で引用した「謎の動物の百科」と概ね大差ないです。

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シャリポヴォ近郊にある湖で、羊に似た頭部を持つ巨大で緑色のヘビのような生物が徘徊しているのが目撃されたという。

数十人もの人々がこの緑色の怪物を目撃、胴回りは大木の幹ほどの太さがあり、体長は6~7メートルぐらいであった。

目撃者の一人は怪物の写真撮影に成功、水面から頭を高くつきあげて泳いでいた。

湖岸沿いの草むらは大きなソリが走った後に残される滑車のような跡が残されていました。

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「謎の動物の百科」に書かれていなかった「写真撮影に成功」部分が気になるところです。

ピンぼけ、逆光、波だけ、みたいな写真でも構わないので見てみたいですね。

正体としては迷い込んだバイカルアザラシ (Pusa sibirica) 等の鰭脚類がやはり筆頭でしょうか。

(アムールイトウ)
(image credit: Wikicommons)

魚類であればアムールイトウ (Hucho taimen)、シベリアチョウザメ (Huso baerii) 等、大型種も存在します。

但し、新聞の話を信じれば魚類の可能性は限りなく低く、既知動物の誤認であれば、色は別として縦列泳ぎした複数の鰭脚類を誤認した可能性の方がまだ高そうです。

完全なUMAだとすれば、新聞記事の全体的な印象では大きいものの細長くはなく、レイク・サーペント系の爬虫類ではなさそうです。

もっとずんぐりとしており、水棲、もしくは半水棲の哺乳類に違いありません。


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