■生首が空を舞う、カンボジア版テケテケ? ~ アープ (アウプ)
さて夏なのでホラーテイストのものもちらほら紹介していきましょう。
今回は少々趣向を変えて、より都市伝説 (UMAも多くは都市伝に分類されますが) ・民間伝承的傾向の強いもの取り上げてみます。
日本を代表するホラーリッシュな都市伝説にテケテケ (Teke Teke) がいます。
テケテケは海外でもかなり有名な日本の都市伝説なので、まあご存じだとは思いますが一応簡単に紹介すると、テケテケは上半身だけの女性の霊、もしくは妖怪 (?) です。
雪深い日本北部で、とある女性が列車事故に巻き込まれ胴体が上半身と下半身に真っ二つに切断されました。
即死、もしくは息があっても出血死は免れません。
しかしその極度の寒さにより奇跡的に切断面の血管が止血され、生きた上半身だけで助けを求め這いずり回っていたというのです。
しかしそれも長くは続かず結局は絶命することになります。
そしてその霊が現在でも彷徨 (さまよ) っているといい、足がないため両腕を使い這いまわるときにテケテケという音を発することからテケテケと呼ばれます。
人間に対し怨念を持ち敵対的、都市伝説らしくバリエーションも豊富で雪国だけに限らず、全国各地、室内・室外問わず出没するバージョンもあります。
ゆるキャラ級のかわいらしい名前ですがそのバックグラウンドストーリーも姿、性質も恐ろしい都市伝説キャラのひとつです。
さて、今回はテケテケとは性質は違うものの上半身、もしくは頭部だけの女性のUMA (?) を紹介しましょう。
東アジアから東南アジアにかけて同様の民間伝承は数多くあり、代表的なものはタイのクラースー (krasue) ですが、まあどこの国のものも大差はないので、その中からUMA系ではほとんど登場しないカンボジアに注目し、アープ/アウプ (Ahp) を取り上げます。
テケテケも気持ち悪いですが、アープの見た目はさらに気持ち悪いものです。
アープはふだん (昼間) はふつうの人間の姿をしていますが、真夜中になるとその本性を現します。
首が体から抜けて空を舞うことができるのです。
で、生首が空を飛ぶだけでも気持ち悪いですが、首が内蔵ごと抜けて空を舞います。
つまり首の下に肺や心臓、胃、腸をぶら下げた状態で空を飛んでいるというのだからグロテスク極まりありません。
まぁ日本の妖怪「ろくろ首」の形態のひとつ「抜け首」と同じといえば同じですね。
知名度・人気共にカンボジアの国民的都市伝説界のスターであるアープには敵いませんが。
夜に彷徨い歩くのは食事のためで人を襲うともいわれますが、基本的には死体や家畜、更に排泄物といった食性もかなり気持ちの悪いものです。
カンボジアの人と話したことがないのでどれだけ信じられ、怖がられている存在かは分かりませんが、ネットを見た限り日本人が思うよりはその存在が信じられているように見受けられます。
日本だとろくろ首や抜け首はただの妖怪と感じてしまい、あまり真面目にその存在を検証する人は少なさそうですが、アープは発光を伴うといい、起源的は日本でいう怪火 (人魂、鬼火、狐火等々) のようなレアな自然現象だったかもしれませんね。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿