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2026年4月14日火曜日

一瞬で消えた傷、記録されなかった事故――現実の裂け目か


■一瞬で消えた傷、記録されなかった事故――現実の裂け目か


「グリッチ・イン・ザ・マトリックス」とは、普段私たちが現実だと思っているこの世界が、もしかすると何らかの仮想構造に包まれているのではないか――そんな仮説を裏付ける、ときどき顔を出す説明不能な異常現象のことを指します。

― フロントガラスに残った印 ―


ある日、私は友人の女性、モーガンを助手席に乗せて車を運転していました。

走行中、前方の車が急に割り込み、その際に跳ね上げた小石がフロントガラスに当たりました。

音と衝撃は一瞬でしたが、その直後、視界のど真ん中に違和感を覚えました。

ワイパーを動かしても消えません。

車を停めて近くで確認すると、ガラスの表面がわずかに欠け、その一点からごく短い線状のヒビが伸びていました。

大きな破損ではありません。

ただ、運転席から見ると、目線を前に戻すたびに必ずそこに入り込む位置でした。

同乗していたモーガンもその場で身を乗り出して確認し、「ここね。嫌な場所についたわね」と言ったのを覚えています。

その後、数日間、その傷は消えることなく残っていました。

朝でも夜でも、晴れでも雨でも、私は毎回それを見ながら運転していました。

― 雨の夜、彼女を乗せて ―


それから一週間ほど経った夜のことです。

私はモーガンを車に乗せて、雨の降る高速道路を走っていました。

彼女は少し酔っており、先に家まで送ろうという判断でした。

速度は抑えていましたし、特別無茶な運転をしていたわけでもありません。

それでも、路面の状態は明らかに悪かった。

次の瞬間、車の挙動が一気に不安定になりました。

ハンドルの感触が消え、車が自分の意思とは別の方向に動き出したのです。

― 起きなかった事故 ―


車は制御を失い、完全に「事故になる流れ」に入っていました。

衝突してもおかしくない。

むしろ、あとから振り返れば「ぶつからなかった理由が説明できない」状態だったと思います。

それでも、なぜか私は衝突を免れました。

停止したとき、周囲の車とも接触していませんでした。

その直後、モーガンが突然目を覚ましました。

深く眠っていたはずの彼女が、息を詰まらせるように起きて、こう言ったのです。

「私たち、九台が絡む玉突き事故に遭った」

現在形でも比喩でもなく、すでに起きた出来事を報告するような口調でした。

私は何も返せませんでした。

もし今の出来事が少しでも違っていれば、彼女の言葉どおりになっていたと直感したからです。

― 消えていたはずのもの ―


落ち着いてから、私はあることに気づきました。

フロントガラスの、あの傷が見当たらなかったのです。

何日も見続けていたはずの瑕が、きれいに消えていました。

修理をした覚えはありません。

割れた形跡も、磨いた跡もありませんでした。

最初から存在しなかったかのように、ガラスは無傷でした。

― 証明できないという異常 ―


私の車にはドライブレコーダーが付いています。

事故寸前の状況や、以前のガラスの状態が記録されていれば、少なくとも自分の記憶を補強できると思いました。

しかし、確認してみると、肝心の時間帯の映像が存在しませんでした。

データが壊れているわけでもなく、途中で切れているわけでもない。

ただ、その部分だけが抜け落ちていました。

フロントガラスに傷があったことも、事故になりかけた瞬間も、それを裏付ける記録が一切残っていなかったのです。

― 何が起きたのか ―


私は助かりました。

事故は起きていません。

車も無事で、記録も残っていません。

それでも私の中には、確かにそこにあったはずの出来事だけが残っています。

もし、フロントガラスの瑕が、その後の出来事と何らかの形でつながっていたとしたら。

もし、あの夜に辿り着くはずだった結末が、別の形で処理されたのだとしたら。

私はいま、どの地点に立っているのでしょうか――

(参照サイト)
reddit

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