■太平洋に潜む“老いた肌”の怪物 ~ ボボ
今回はボボ (Bobo)。
北太平洋、とりわけアメリカ・カリフォルニア州モントレー湾周辺で語られてきた、正体不明の海棲UMAです。
その特徴は一言で言えば、「異様なほど情報が揺れている存在」であることにあります。
目撃談は決して少なくありません。
しかし、その姿や大きさ、さらには生物的な位置づけまで、証言ごとに微妙に、時には大きく食い違っているのです。
これは閉ざされた湖ではなく、目撃されるのが海であることも大きく影響していると思われます。
つまり全く違う個体をボボとして集約してしまっている可能性があるからです。
― 大きさが定まらない怪物 ―
UMAでは珍しいことではありませんが、ボボのサイズについて語られる数値は一定しません。
ある証言では5~6メートル、シャチほどの大きさと形容されることもあります。
別の証言ではもう少し大きく、小型のヒゲクジラに匹敵するともいわれます。
この食い違いについては、「成長段階の違い (若年個体と成体)」や「性的二形 (雌雄差)」によるものではないか、と説明されることもあります。
もしそれが事実であれば、ボボは単発の誤認ではなく、一定数の個体が長期間生息している存在ということになります。
― 老人の皮膚のような外見 ―
外見的特徴として、ほぼ共通して語られるのが「しわの多い皮膚」です。
それはしばしば「老人の肌のようだ」と形容され、一般的なクジラ類やサメ類とは明らかに異なる質感として記録されています。
滑らかではなく、たるみ、刻まれたような表皮。
この特徴が、ボボを単なる既知生物の誤認から一歩遠ざけている要因でもあります。
― 1925年、浜に打ち上げられた死骸 ―
ボボの存在を語る上で欠かせないのが、1925年の出来事です。
カリフォルニア州モントレー近郊のムーア・ビーチに、全長約6メートルの腐敗した死骸が打ち上げられました。
海藻まみれで腐敗がかなり進行しており、生前の姿を想像するのは難しい状態でしたが、それは非常に首の長い生物のように見受けられました。
そのため、当時、ボボはプレシオサウルス類の死骸ではないかと、各紙一面トップで報じ、大きな話題となりました。
一部の生物学者は「サメの死骸」ではないかと現実的かつ冷静な推測をしました。
結局、カリフォルニア科学アカデミーは標本のサンプルを調査し、ツチクジラ (Berardius bairdii) と同定したといいます。
― 未知の生物か、知識の隙間か ―
ムーア・ビーチの死骸はおそらくカリフォルニア科学アカデミーが判断を下した、ツチクジラでほぼ間違いないでしょう。
しかし、それは正体不明の死骸がたまたまそうであったという話であり、他のボボの目撃情報も全てツチクジラが正体であったということにはなりません。
現実的なところでは、だぶついた皮膚という特徴から、キタゾウアザラシ (Mirounga angustirostris) やトド (Eumetopias jubatus) といった鰭脚類の誤認が含まれているかもしれません。
しかし多くの目撃証言があることもまた事実。
未知のクジラやサメが正体である可能性も捨てきれません。
実際、モントレー湾周辺では断続的に正体不明の海洋生物、ボボが目撃されているのですから。
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