■触れれば感電死 ~ エレクトリック・ツリー
強力な電気魚 (強電気魚) といえばデンキウナギ (Electrophorus electricus)、デンキナマズ (Malapterurus electricus)、そしてシビレエイ (Narke japonica) 等が有名です。
強電気魚は獲物や天敵を感電 (麻痺) させる強力な電圧をかけることができますが、そこまで強力でない放電能力のある魚類 (弱電気魚) は意外と多く、決して珍しくはありません。
しかし植物が放電するとしたら?しかも強電気魚のような強力な電圧を?
1885年、フォン・イマー・ガッセンデ (Von Immer Gassende) 中尉率いるドイツの探検隊がパプアニューギニアの奥地で衝撃的な植物を目撃した記録が残っています。
探検隊のメンバーのひとりとして、著名なアメリカ人地質学者ヘンリー・バーナード・キュメル (Henry Barnard Kummel) 博士も帯同していたといいます。
パプアニューギニアの探検開始から12日目のこと、探検隊は久しぶりに密林から解放された開けた土地に到達しました。
切り開かなければ前進できない道なき道を通り、疲弊した一行にとってそこは砂漠のオアシスのような場所でした。
しかしそう思ったのも束の間、コンパスが不安定に動き始めるという異変が置き始めたのです。
まあ富士の樹海に入るとコンパスが効かなくなる、なんて都市伝説があるぐらいで (実際はそんなことはありません) ありがちな話ではありますが、彼らの場合、密林から開けた場所に出たらコンパスがおかしくなるという逆パターンです。
さて、話を戻しましょう。
異変はコンパスだけではありませんでした。
いくら開けた場所に来たからといって、先ほどまで動物たちの鳴き声で溢れていたのが異常なほど静かなのです。
そして開けた地面には動物の死骸や骨がいくつも落ちていることに気付きました。
みな訝しくは思ったものの、各自それぞれが束の間の休息を摂っていた時のこと、キュメル博士は動植物のサンプル集めをしていました。
すると見たことのない種の大木が生えていることに気付きます。
探検隊のメンバーがその木の表面を削り取ると、内部に炭素のような黒い芯が入っていました。
試しに芯に触れたその刹那、メンバーは痛みで悲鳴をあげました。
何が起きたのか分かりませんでした。
同じことをした他のメンバーは気を失ったものもいました。
ガッセンデ中尉も興味を持ち、もしやと思い、銅線を使って炭素芯を調べると激しく反応、電流が流れていることが判明しました、エレクトリック・ツリー (Electric tree) だったのです。
この未知の植物は後にエルサシア・エレクトリカ (Elsassia electrica) と名付けられます。
隊長であるガッセンデ中尉が体調を崩したことにより長期滞在は不可となり撤退を余儀なくされ、このエレクトリック・ツリーのサンプルを採取し帰途につきます。
この謎の樹木の存在が本国に知れ渡ると、大規模な植林により発電所として機能させることができるのではないか?という夢のようなプランが持ち上がったといいます。
と、話はここまで。
巨大なエレクトリック・ツリーが理路整然と立ち並ぶ植物電力プランテーション、それはそれは壮大な景観に違いありません。
まさにクリーンエネルギー。
しかし、、、
持ち帰ったという唯一の証拠、エルサシア・エレクトリカのサンプルは行方不明。
キュメル博士は実在する地質学者ですがパプアニューギニア遠征に参加したかは不明、ガッセンデ中尉はその存在自体が不明。
と、UMAのように誤認だろうとなんだろうと確実に目撃者がいるのと異なり、ちょっとばかり客観性が欠けるのは確か。
まあ実在したらUMA以上の大発見に、世界中が驚くに違いありません。
UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)
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