■南米の巨大蛇は実在する ~ キャムーディ
今回はキャムーディ (Camoodi)、ガイアナ協同共和国で目撃されたUMAです。
いかにも南米の先住民族が未確認動物に付けそうな名前ですが、実はこれ、カリブ地方のオオアナコンダ (Eunectes murinus) の別称です。
ガイアナなので正確にはおそらくキタオオアナコンダ (Eunectes akayima) を指していますね。
つまりガイアナでは「キャムーディ = オオアナコンダ (キタオオアナコンダ)」という意味となりますが、実際のところ、特に巨大なアナコンダの個体を指していると思われ、オオアナコンダであればなんでもイコール・キャムーディとはならないようです。
またそれに加え、キャムーディはオオアナコンダとは異なり、目の上に突起状の角があるという説もあります。
(キタオオアナコンダ)
(image credit: Wikicommons)
オオアナコンダは現世、世界最重量のヘビで、長さ的にはおそらくアミメニシキヘビ (Malayopython reticulatus) に劣るものの、最大クラスの6メートル以上の個体ともなると体重が100キロ以上に達します。
非公式ながら、キタオオアナコンダの記録には全長7.5メートル、体重500キロというのがあります。
さて、特筆すべき1896年のキャムーディ目撃事件、見ていきましょう。
あるハンターのグループがジャングルに分け入った際、彼らの行く手を阻む巨大な倒木にぶち当たりました。
木々が密集したジャングルでの迂回は決して簡単ではありません。
この巨木を迂回すべきか乗り越えるべきか、一行が思案に暮れていると、倒木がずるずると動き始めたのです。
そう、倒木だと思っていたのは巨大なアナコンダ、キャムーディだったのです。
キャムーディは彼らを襲おうとはせず、むしろ逃げるように彼らを後にし去っていったといいます。
ハンターたちは襲われなかっただけでも運が良かったと安堵したといいます。
さて、この感じ、UMAあるあるですよね。
巨大な倒木が道を塞ぐ ⇒ 近づいて見ると倒木が動き出し、それが大蛇や巨大なトカゲ、ワーム等々、、、よく聞きますよね。
特に今回のストーリーは、インド人宣教師たちがヒマラヤで目撃したネパール・ドラゴンのくだりと酷似しています。
具体的な大きさは書かれていませんが、成人男性が乗り越えるのに躊躇する高さということで、最低でもヘビの直径は1.5メートルぐらいあったのではないでしょうか。
この直径のヘビが存在するのはなかなかハードなことで、コロンビアで発掘された史上最大のヘビ、ティタノボア・ケレジョネンシス (Titanoboa cerrejonensis) ですら体長最大13~15メートルにして最も太い部分の直径は1メートルほどでした。
彼らですら直径は1メートル程度、これぐらいであれば迂回しようとはせず乗り越えるでしょう。。
まぁそういったことも考え、上記のハンターたちが目撃したキャムーディは最低でもティタノボアクラスの15メートルは下らなかったに違いありません。
但し、現生のヘビでご存じのように獲物を丸呑みしたあとのヘビはその限りではなく、丸呑みされ体内に入った獲物によって本来の胴回りよりもさらに太くなることはあります。
キャムーディの目撃談はかなり古い記録であり、誇張や創作である可能性も否めませんが、その正体がオオアナコンダと分かっている以上、キャムーディの正体はとてつもなく巨大なオオアナコンダの個体を指しており、実在する可能性も十分あり得ます。
(関連記事)
■ アラブに潜む空飛ぶ蛇 ~ アラバール
このUMA、「世界の怪物・神獣事典」で知りました。たしか狩猟団が座って休んでいたら倒木ではなく蛇だった、と紹介されていたと思います
返信削除