■珍しい動物の剥製が展示される中で最も人気のある意外な動物 ~ ドミノムス
今回はドミノムス (dominomus)。
とても有名なスズメです。
ですが一見すると何の変哲もないただのスズメです。
種類はイエスズメ (Passer domesticus) かな?実際に何の変哲もありません。
ま、種に関してはそれほど、というかまったく重要ではありません。
大事なのはこのスズメに隠されたバックグラウンドストーリーです。
ちょっと話は逸れますが、テレビをほとんど見ないので現在どうなっているのか分かりませんが、日本でもドミノ倒しのギネス挑戦とか昔ありましたよね?
オランダでも1998年からはじまった、ドミノ倒しのギネス記録に挑戦するイベント「ドミノ・デー」が人気だったようです。
レーワルデンの大きな展示ホールで年に1回行われるこの大イベントは、趣向を凝らした仕掛けも交えながらドミノを慎重に立てていきます。
誤って倒した時にすべてが倒れないよう、各所にストッパーを設置しているものの、ほんの気の緩みで数千、数万というドミノが一気に倒れてしまうため、とても気の使う作業です。
さて、ドミノ・デーが始まって第8回、2005年の大会の準備が進められていると、そんな緊張感張り詰める展示ホールにスズメが入り込んでしまいました。
そう、今回主役のドミノムスです。(実際には死後につけられたニックネームですが)
ドミノムスはホールに入り込むと外に出られなくなってしまい、そのうちオランダチームが製作していたドミノに誤ってぶつかり、23,000個のドミノを倒してしまいました。
激高するテレビ局 & オランダチーム。
駆除業者を呼びよせスズメを捕獲する作戦も敢行されましたが、広いホールですばしこいスズメをどうしても捕まえられません。
業を煮やし、なんと駆除業者が取った行動はスズメの射殺。
(実際のドミノムスの剥製)
(image credit: Wikicommons)
憎きスズメを仕留めてやった、これにて安心とテレビ局とオランダチームはしてやったり、、、
と、物事はそううまくは運びませんでした。
ドミノ倒しという人間の「娯楽 (というかテレビ番組制作)」のために迷いスズメを簡単に射殺したとで抗議運動が勃発、射殺した人物は「違法に動物を殺害した罪」で200ユーロ (当時で3万円弱ですかね) の罰金が科されました。
それだけにとどまらず、射殺した人物にはその後も長年にわたり殺害予告が届くというありさま。
まあそれは良くないですね。
そちらの話はまた別問題なのでここでは詳しく触れませんが。
そんなこんなでこのドミノムス、見た目も中身もただのスズメではありますが、「人間と動物の衝突で死んだ動物たちの展覧会」で最も注目される展示動物のひとつとなっており、おそらく世界で最も有名かつ人気のあるスズメであることは間違いないでしょう。
ちなみにドミノムスという名前、オランダ語でスズメのことをムス (mus) というため、単純に「ドミノスズメ」を意味します。
ちなみにその年のドミノ倒しは400万個以上倒すのに成功し、無事に当時のギネス記録を樹立しています。
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