2025年5月10日土曜日

東アフリカの大空をジャッカルが舞う ~ ムルラルカ


■東アフリカの大空をジャッカルが舞う ~ ムルラルカ

今回は東アフリカのタンザニアで目撃されるUMA、ムルラルカ (Mlularuka) です。

答えのないなぞなぞのようなUMAで、伝えられる姿からいくつもの正体が浮かび上がります。

一般的にムルラルカは「有翼のジャッカル (Winged jackal)」と呼ばれ、つまり「空飛ぶジャッカル (フライング・ジャッカル)」です。

遅くとも20世紀初頭からその存在は知られており、夕刻になると奇声を発しながら空を飛び、ザクロやマンゴーの実を食べているといわれています。

日本でジャッカルはあまり馴染みのない動物ですので、「空飛ぶオオカミ」を思い浮かべるといいかと思います。

「空飛ぶジャッカル」

その言葉の響きだけ聞くと、とても実在しそうにもありませんが、そうでもありません。

ジャッカルと同じイヌ科の動物にキツネがいますが、オオコウモリは英語でフライング・フォックス (空飛ぶキツネ) と呼ばれるように、「フライング・ジャッカル」と聞いて直感的にオオコウモリを連想した人も多いのではないでしょうか。

ザクロやマンゴーを食べているのを確認されているため、食性も大蝙蝠に似て植物食ですし。

コウモリは哺乳類であり、イヌ科の動物に似た頭部を持つものも少なくありません。

ムルラルカはジャッカルに似た頭部を持つ未知のオオコウモリで決まり!といいたいところですが、冒頭に書いた通り、そう簡単にはいかないのです。

最も有力視されているのがウロコオリスです。

(ロードダービーウロコオリス)
(image credit: Wikicommons)

ウロコオリスはモモンガに似た生物で四肢に張った被膜で滑空し、特に最大種、ロードダービーウロコオリス (Anomalurus derbianus) は最大250メートルも滑空することが出来ます。

ロードダービーウロコオリスは体長が40センチ弱もあり、尾を含めると最大70センチ近くにもなります。

ちなみにロードダービー (ダービー伯爵/ダービー卿) という奇妙な名は第13代ダービー伯爵、エドワード・スミス=スタンリーにちなみます。

未確認動物学者カール・シューカー博士は当時ロードダービーウロコオリスは西アフリカ~中央アフリカで生息が確認されていたものの、東アフリカでは知られていなかったためUMA化したものと推測しています。

ジャッカルに例えられるほどなので、未知種のさらに巨大なウロコオリスを提唱する人もいます。

突拍子もないですが、東南アジアにしか生息していないヒヨケザルの新宿説も候補に入れておきましょうか。




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