■北極にゾンビがいる ~ マハハ
イヌイットに伝わるマハハ (Mahaha)。
似ているわけではないですが、タイプ的には以前に紹介したウェンディゴに似ているかもしれません。
イヌイットに伝わる不気味なヒューマノイドですが、その姿は痩せこけたイヌイットで、しかもイヌイットの服を着ているといいます。
それはただのやせたイヌイットでは?
しかしそれはないでしょう。
服を纏っているといっても彼らイヌイットたちが暮らす北極圏の寒さを凌げるようなものではなく、みすぼらしくボロボロの着衣です。
その影響でしょう、マハハは確かに人間に似ているものの肌は凍傷の影響によるものか、腐りかけ、肌は青白く、そしてとても冷たいといいます。
無造作に伸びた長い髪の毛は凍っている部分もあり顔のほとんどを隠します。
髪の毛の隙間から見え隠れする目は生気が無く、白 (もしくは灰色) っぽい色をしています。
また、手の爪はとても長いといわれています。
そしてマハハが一番厄介な点はイヌイットたちと敵対した存在であることで、出遭ったイヌイットを殺すといわれています。
マハハは「北極のゾンビ」といえるかもしれません。
しかしその殺害方法は独特で、ゾンビの「咬みつき」とは似ても似つかないものです。
マハハの手の爪は長いといいましたが、彼らがイヌイットの殺害に用いるのはこの長い爪です。
しかしその爪はナイフのようにものを切り刻んだり刺したりするほど切れ味が鋭いものではありません。
マハハはいつもニヤニヤしているといいます。
イヌイットを見つけると近づいていき、その爪で全身を「くすぐり」、そして犠牲者が笑いで窒息するまでくすぐり続けるというのです。
そのためマハハによって殺されたものはみな笑顔のまま凍り付いて死体が発見されるといわれています。(※真逆の恐ろしい表情で亡くなっている、という説もあります)
しかしマハハに出遭ってしまったら、ゾンビと出くわした時と同様、おしまいか?というとそうではありません。
まずそれがマハハであることを見破る必要があります。
極寒の中を薄着で歩いている人間を見たらつい助けの手を差し伸べたくなるでしょう、しかしマハハはその薄着にも関わらず寒そうにはしておらず、それどころか笑みを浮かべています。
それはきっとマハハに違いありません。
マハハは一般的に小柄であり、知性はあるもののあまり高くないといわれ、人間に簡単に騙されてしまうといいます。
マハハであると確信したら一緒に水を飲みに行こうと誘えばいいといいます。
川に着き、マハハが水を飲もうとしゃがんだ時がチャンスです、そのまま背中を蹴り飛ばし川へ転落させて逃げることが出来るといいます。(むしろマハハの方が返り討ちに遭う場合が圧倒的に多いようです)
UMA?ゴースト?ジャンルはちょっとはっきりしませんが、不気味でありながらもなんか憎めない存在です。
真相は分かりませんが、ウェンディゴ同様、元は精神疾患の実在した人物が元になっているとしたら切ないUMAといえます。
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