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2024年12月11日水曜日

史上最低の復元骨格 ~ マクデブルク・ユニコーン



■史上最低の復元骨格 ~ マクデブルク・ユニコーン

今回はマクデブルク・ユニコーン(Magdeburg Unicorn)です。

― 「確かに実在した」ユニコーン ―


マクデブルク・ユニコーンは、ドイツの都市マクデブルク(Magdeburg)にかつて「確かに実在した」とされる、ユニコーンの特徴を持つ絶滅種です。

まずは簡単に、マクデブルク・ユニコーンの発掘と復元の歴史を見ていきましょう。

(博物館に展示されるマクデブルク・ユニコーンの実際の復元骨格、、、)
(image credit: )

― 17世紀の発掘と復元 ―


この生物の化石は1663年、ドイツのゼヴェッケンベルゲ(Seweckenberge)で発掘されました。

マクデブルク生まれの著名なドイツ人科学者、オットー・フォン・ゲーリケ(Otto von Guericke)は、この骨をユニコーンの骨と信じ、発見から5年ほど後に、現在知られるマクデブルク・ユニコーンの姿へと復元したといわれています。

このことから、ゲーリケの名にちなみ、ドイツ語でゲーリケ・アインホルン(Guericke Einhorn)、つまり「ゲーリケのユニコーン」と呼ばれることもあります。

― あまりにも奇妙な復元骨格 ―


しかし復元されたその姿は、当時・過去・現在、いかなる時代においても知られていない、というか、似ている生物すら存在しない、いや、存在したことがないほど珍妙なものでした。

伝説の幻獣ユニコーンを彷彿とさせる巨大な角を頭頂部に有する一方で、前肢は二本しかなく、後肢の痕跡は骨格上では確認できません。
(逆に、後肢二本で前肢が存在しないという解釈も可能です。)

この骨格から想像するに、おそらくは鰭脚類(アシカやアザラシの仲間)のように、前肢を使って体の後部を引きずるような動きで前進した生物だったのでしょう。

巨大な前肢に対して体は極端に短く、体幅も異常なほど狭く、頭部の幅ほどしかありません。

その一方で体高、つまり「身長」は非常に高く、頭頂部までで2メートル以上、巨大な角を含めると3メートルを優に超します。


(マクデブルク・ユニコーンの復元資料)
(image credit: Wikicommons)

― 失われ、再構築されたユニコーン ―


実は、このゲーリケによる芸術的な復元骨格は、歴史の中で一度失われています。

その後、彼が残した記録やアイデアの痕跡をもとに、これまた著名な哲学者ゴットフリート・ライプニッツ(Gottfried Leibniz)によって再復元されました。

再構築されたマクデブルク・ユニコーンは、ライプニッツの著書の中で「クヴェードリンブルク・ユニコーン(Quedlinburg Unicorn)」という名で登場します。

(シャルツフェルト近郊の洞窟入り口に展示されたレプリカ)
(image credit: Wikicommons)

― なぜ図鑑から消えたのか ―


ゲーリケにしてもライプニッツにしても、この珍妙な復元が行われたのはいずれも17世紀の話です。

さて現在、古生物図鑑でマクデブルク・ユニコーンやクヴェードリンブルク・ユニコーンの名を見ることはありません。

どういうことでしょうか?
こんなに素敵な動物を載せないなんて。

単に一個体しか発見されなかった、謎の多い生物だったからでしょうか。

実はその可能性も、完全には否定できない、と「一応」は言っておきましょう。

現在展示されているマクデブルク・ユニコーンの復元骨格は、当時発掘された実際の化石を用いたものではなく、彼らの残した資料をもとに「現代に」再現されたレプリカだからです。

とはいえ、生物学的にあり得ない骨格構成であることは明白で、この姿のままの生物が実在していなかったであろうことは、容易に想像できます。

(ケブカサイ)
(image credit: Wikicommons)

― 正体はケブカサイの骨 ―


ここで結論を言ってしまいましょう。

これは部分的に発掘されたケブカサイ(Coelodonta antiquitatis)の骨を中心に、限られた資料だけで無理矢理復元してしまった結果、生まれた「史上最低レベルの復元骨格」だった、というのが真相です。

3Dパズルの組み立てに大失敗した、と言えば分かりやすいでしょう。

そもそも、マクデブルク・ユニコーンの骨格標本は、ぱっと見ただけでも生物として明らかに骨の数が少なすぎます。

さらに驚くべきことに、その数少ない骨すら、すべてがケブカサイのものではなく、他の動物の骨が混ざっていると考えられています。

トレードマークである角についても、当初はケブカサイのものではなく、イッカクMonodon monoceros)の角が使われていた可能性が高いと推測されています。

― UMA的ロマンは残る ―


まあ、UMAファン的には、その復元過程がどうであれ、こうした生物がかつて存在した、あるいは今もどこかに生きている、といった何らかの「証拠」や「目撃情報」が欲しいところです。

しかし残念ながら、現時点で「マクデブルク・ユニコーンを見た!」という刺激的な目撃談は、少なくとも私の耳には届いていません。

(参照サイト)

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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4 件のコメント:

  1. なんかユニコーンを彷彿とさせるけど、こんな生物いないですよね(いたら怖すぎるけど見てみたいです)

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  2. 37p4y34y34y74147748

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  3. この写真は何度見ても笑っちゃう。2本足ってそうじゃねーから!

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