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2026年8月26日水曜日

ネット掲示板から生まれた最も現実的なUMA? ~ フィッツ・フロッグ


■ネット掲示板から生まれた最も現実的なUMA? ~ フィッツ・フロッグ

今回はフィッツ・フロッグ (Fitz's Frog)。

数あるインターネット発のUMAの中でも、この巨大ガエルは少し異色の存在です。

発端はたった1件のRedditへの書き込み。しかし後になって、その内容がニューギニアに古くから伝わる巨大ガエルの伝承と、不思議なほど一致していたことが判明しました。

― Redditに書き込まれた巨大ガエル ―


この話の出発点は、海外掲示板Redditの「r/bigfoot」に投稿された、ごく短いコメントでした。

投稿者は、人類学の教授から聞いた印象深い話として次のような内容を紹介しています。

教授はニューギニア高地で先住民と生活を共にしながら調査を行っていました。

その際、現地の人々は「体高が約2フィート(約60センチメートル)もある珍しいカエルがいる」と、ごく当たり前の事実のように語っていたといいます。

冗談めかす様子も、神話を語るような雰囲気もありません。

「何年も姿を見ないほど珍しいが、確かに存在する。」

それだけを淡々と話していたというのです。

― 「フィッツ」とは誰だったのか ―


当初、この投稿は真偽不明のネットロア(ネット怪談)として扱われていました。

しかし海外の有志たちが調べたところ、この教授は実在の人類学者フィッツ・ジョン・ポーター・プール (Fitz John Porter Poole) 教授である可能性が高いことが分かりました。

プール教授はカリフォルニア大学サンディエゴ校で教鞭を執り、実際にニューギニア北西部サンダウン州でフィールドワークを行っていた人物です。

つまり、「ニューギニアで現地住民から巨大ガエルの話を聞いた」という前提そのものは、少なくとも教授の経歴とは矛盾していません。

もちろん教授自身が巨大ガエルについて学術論文を書いたわけではありませんが、少なくとも匿名の創作とは言い切れない背景が存在していました。

― 既存の伝承と奇妙に一致する証言 ―

(ゴライアスガエル)
(image credit : The Zoological World)

さらに興味深いのは、その話が偶然にもニューギニア東部に伝わる巨大ガエル「カーン・プナイ (Carn-pnay)」、あるいは「アコク (Akok)」の伝承と驚くほど似ていたことです。

カーン・プナイは、ウサギより大きく、人間の頭や赤ん坊ほどの大きさになる巨大な両生類として語られています。

湿った濃い緑色から黒褐色の皮膚を持ち、丸々と太った体つきで、滅多に姿を現さない希少な生き物とされています。

また、「アコク、アコク」とヨーデルのような独特の鳴き声を発すると伝えられています。

注目すべきなのは、Redditの投稿者自身は、この伝承の存在を知らなかったという点です。

後になって他の利用者から「それはカーン・プナイではないか」と指摘され、初めて両者の一致が明らかになりました。

― 偶然にしては出来すぎている ―


この話が現在でも語られる最大の理由は、「偶然の一致」の多さにあります。

もし誰かがネット上で作り話を書くなら、ビッグフットネッシーのような有名UMAを選ぶほうが自然でしょう。

ところが投稿者は、知名度の低い「ニューギニアの巨大ガエル」という極めてニッチな存在について語りました。

しかも後から調べると、教授は実在し、その調査地域も実在し、さらに別地域には似た巨大ガエル伝承まで存在していたのです。

もちろん、これだけで巨大ガエルの存在が証明されるわけではありません。

しかし、後からパズルのピースが次々とはまっていくような展開は、インターネット発祥のUMAとしては非常に珍しいケースといえます。

― 学問と伝承が交わる場所 ―


人類学者は未知の動物を探すことが仕事ではありません。

彼らの役目は、現地の文化や信仰、人々の自然観をありのまま記録することです。

だからこそ、教授が印象に残したのは巨大ガエルそのものではなく、「住民が冗談ではなく、ごく当然のこととして語っていた」という事実だったのかもしれません。

現地の人々にとって、その巨大ガエルは神話でも怪物でもなく、森に生息する珍しい動物の一種だった可能性があります。

この大げさではなく「淡々と語られた」という一文が、この話に妙な現実味を与えています。

― 科学的に見ると ―

パプアジャイアントフロッグかな?
(image credit: New York Post)

ニューギニア島は、現在でも新種の動植物が次々と発見される世界有数の生物多様性を誇る地域です。

深い熱帯雨林や標高の高い雲霧林には、いまだ十分な調査が行われていない場所も少なくありません。

世界にはアフリカのゴライアスガエル (Conraua goliath) のような巨大なカエルも実在しており、大型両生類そのものは決して空想上の存在ではありません。

もちろん、体高約60センチメートルという証言は既知種を大きく上回ります。

それでも、生態系そのものが未知に満ちたニューギニアだからこそ、「どこかに非常に大型の両生類が生き残っているのではないか」という想像には、他地域のUMAにはない現実味があります。

ちなみに、ニューギニアに生息するカエルで最大のものは外来種のオオヒキガエルRhinella marina)であり、在来種で最大のものはおくらくパプアジャイアントフロッグCornufer guppyi)やクツワアメガエルLitoria infrafrenata)と思われます。

前者は40センチ前後のモンスター級の個体がたまに現れますので、外来種ということもあり誤認される可能性は高いといえます。

後者でもパプアジャイアントフロッグは最大個体で25~30センチ程度も発見されているといい、突出した個体が伝説化した可能性はゼロではありません。

フィッツ・フロッグは決定的な証拠を持たないまま、今日もネットロアとして語られています。

その背後には、匿名の書き込みだけでは片付けられない、人類学と民俗伝承の交差がありました。

真相がどうあれ、このカエルがネットの落書きから生まれたものか、あるいは現地に眠る実在の伝承の断片なのかは、今も確かめられていません。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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