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2026年1月3日土曜日

フランス中部の黒き三頭獣 ~ アリエ川の怪物


■フランス中部の黒き三頭獣 ~ アリエ川の怪物

今回はアリエ川の怪物 (Allier River Monster)。

このリバー・モンスターは、ギリシャ神話のケルベロスを彷彿とさせる、3つの頭部を持つという特異な水棲UMAです。

それではアリエ川の怪物を見ていきましょう。

― ヴィシー近郊、静かな川に潜む悪魔 ―


まずは怪物が目撃されたアリエ川 (Allier River)。

フランス最大のロワール川 (Loire) の支流で、フランス中央部を流れ、全長は420キロメートルほどです。

のどかな牧草地帯を抜け、温泉地ヴィシーの近くを流れるこの川は、怪物には縁遠い穏やかな風景で知られています。

そんな川で今から100年ほど前の1933~1934年に「3つ頭の水棲獣」が目撃される事件が起きました。

― 3つの頭部をもつ黒き怪物 ―


目撃者によるとアリエ川の怪物の体長は6メートルほど、漆黒の皮膚で3つの頭部を持ち、水面をまるで滑るように泳いでいました。

そのスムーズな動きに反し、3つの頭部は一様に動くのではなく、まるで絡み合うよう独立した動きをしていたといい、このことからそれぞれの首はそれなりに長かったことが示唆されます。

頭部の大きさは均等ではなく、中央に配置されたものが一番大きく、その両側の二つは中央よりも小ぶりでした。

目撃者は、哺乳類でも爬虫類でもない、異界からの生物、といった印象を受けたと証言しています。

― 未確認動物学的な視点から ―


さて、この生物の目撃はただの一度きり。

アリエ川の怪物は「3つの頭部を持つ怪物」として一般的に知られていますが、実際のところ、目撃者は「3匹の巨大生物」が並んで泳いでいたのを誤認した可能性も否定していません。

「3つの頭部を持つ生物」と「3匹の巨大生物」では随分と印象が変わってきますが、前者のほうが圧倒的に人々の想像力を刺激するため「アリエ川の怪物 = 3つの頭部を持つ生物」として今日まで定着した可能性があります。

― 古代からの残党か、幻の群泳か ―

(ヨーロッパオオナマズ)
(image credit: Wikicommons)

それではこの怪物の候補を探っていきましょう。

目撃者は「哺乳類でも爬虫類でもない」と証言していますが、奇妙なことに水棲生物の代表格である「魚類」について言及していません。

アリエ川は魚種が豊富で、その中でも特筆すべきはヨーロッパオオナマズ (Silurus glanis) も多数棲息している点です。

ヨーロッパオオナマズはナマズの中でも屈指の巨躯を誇り、公式記録ではイタリアのポー川で捕獲された2.8メートルの個体が最大とされています。

しかし、3メートル超、4メートル超、中には5メートル超といった非公式の記録もあり、ロマン搔き立てる巨大ナマズです。

とにもかくにも、とてつもなく大きくなるため、ヨーロッパの水棲UMAの誤認候補として真っ先に名前が挙がる生物のひとつであり、アリエ川の怪物の正体としても筆頭候補といえます。

そしてもうひとつ候補を挙げるとすればやはりチョウザメ類。

(バルチックチョウザメ)
(image credit: Wikicommons)

特にバルチックチョウザメ (Acipenser sturio) はかつてロワール川に棲息しており、支流のアリエ川まで遡上した可能性は十分考えられます。

興味深いことに、ロワール川からバルチックチョウザメが姿を消したのは1930年代、まさにこの目撃事件と重なります。

当時でもかなり稀有な存在、見慣れない生物だっただけに、怪物と誤認してしまった可能性も考えられます。

バルチックチョウザメの最大個体の体長は3.6メートル、仮に3匹が並んで泳いでいたらその巨体も相まって、恐ろしく見えたに違いありません。

3つの頭部を持つ生物、というのはあまり現実的ではありませんが、朴訥 (ぼくとつ) としたフランスの田園地帯を流れるアリエ川に、今なお巨大な怪物が潜んでいる、な~んて想像すると、そのミスマッチ感こそがこの怪物の最大の魅力に感じてきます。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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